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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

わが家の蝉たちよ!その生を謳歌せよ!

2015-07-29 23:53:21 | よしなしごと
 この時期、私のうちには常時10匹近くの蝉がいて賑やかだ。
 私が数十年間育ててきた木が数本あるせいだが、ほとんどがうちで生まれた蝉だ。うちの周辺、何十メートルにはこれだけの樹木があるところはないし、うちの敷地にはセミたちの抜け殻があちこちで見つかる。成虫になってからの彼らの寿命は短いというから、ひと夏通算したらかなりの数の蝉がうちで成虫になり、その生の最後を謳歌する訳だ。

             

 蝉の声をうるさがる向きも多いが、私はそうは思わない。彼らが鳴いているほうが涼しく、鳴かない瞬間のほうが暑く思うほどだ。しかし、いつだったか私の正面の1m足らずの網戸にとまって鳴き出した折には、さすがにうるさいので、チョイと指で押してお引取り願った。

             

 今、これを書いている折(PM 5:00)も、少なくとも数匹が鳴いている。しかし、彼らが鳴き出す時と鳴き止むときのそのタイミングがよくわからない。
 一匹が鳴き出すとそれに和するように鳴き声が起こる。かと思うと、急に全部がピタリとやんで、静寂が支配する。

             

 蝉の種類はアブラゼミだ。名古屋がクマゼミのテリトリーになっったというのはもうだいぶ前に聞いたが、わが家では依然としてアブラゼミだ。ニイニイゼミもかつてはいたが、いつ頃からか姿を見せなくなった。あの一回り小さい蝉が今となっては懐かしい。

             

 もう一種、ツクツクボウシがいる。これは少数派でいつも夏の終わり頃、甲子園大会の終盤という頃に鳴き出す。あの独特のメロディを聴くと、あゝ、今年の夏ももう終わりかと思ったりする。
 ところがである、今年は今日すでにその声を耳にしたのだ。慌てて飛び出し、その姿を探したが分からない。それどころか、それを契機に鳴きやんで、それ以降声がしない。いつもより早く出てきてしまったので戸惑っているのだろうか。
 気のせいか、ツクツクボウシもうぐいすと一緒で、デビューしたてはその鳴き声も今ひとつで、やがて立派に鳴くようになるようだ。

             

 明日はどうだろうか。
 おっと、明日は終日、うちを開けるのだった。
 ツクツクボウシよ、その間に、鳴き声を鍛錬しておけよ。

 今日は、ものを書いたり、同人誌関連の事務処理が進んだので、夕刻の蝉たちがそれをねぎらうようにいっそう賑やかに鳴き立てている。
 こんなに暑いのに元気な連中だ。



     玉音などわれ関せずと蝉しぐれ(1945・8・15)
     誰(た)が罪を責めて夜半の蝉しぐれ

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2 コメント

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Unknown (花てぼ)
2015-07-30 21:51:30
貫禄のある立派な蝉ですね。
私は今年ベランダに入り込んだ一匹だけしか見ていません。
たまたま私も蝉のことを記事にしました。バカなことを書いていますがよかったら見てください。
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蝉の生涯 (六文銭)
2015-07-31 03:45:08
 長年蝉と同棲しながら、その産卵と幼虫についてはほとんど知らなかったので調べてみました。
 それによると蝉の産卵は枯れ枝で行われ(生きた枝だと卵を包み込んでしまうからとのことです)、そこで、翌年幼虫になって地面に落ち、地中に潜って成虫になるのを待つようなのです。
 ですからおっしゃるように、木の周辺に落ちて地中生活をおくるわけで、道路などがどう舗装されようが、蝉には関わりないことなのでしょう。

 ただし、私が庭を潰し、駐車場にしようとして表面を舗装した場合、やはり何匹かの蝉が地上に出られないころになるでしょう。
 そんなことを書いていたら、エドガー・アラン・ポーの短編小説「早すぎた埋葬」"The Premature Burial"を思い出しました。仮死状態などのために死亡と誤認されて、墓の下に生き埋めにされることの恐怖をテーマにしているのですが、うちの蝉にそんな思いをさせないためにもここを潰して駐車場にはすまいと思っています。
 しかし、郊外や田舎で、都市化の波に抗えず、山林だったところに建造物や駐車場ができた場合、やはり「早すぎた埋葬」状態が起こるのでしょうね。

 舞扇にお書きになる歌、「瀬を早み」「たち別れ」「わびぬれば」などなど、ハッピーエンドのものにされると波風がたたないような・・・。
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