近頃購入したCDプレーヤー&カセットデッキの取り扱いにも慣れるためもあって、機会があれば音楽を聴いていますが、さて、今日はどれにしようと思ってCDを探した結果、メンデルスゾーンのものを選びました。
なぜこのユダヤ人作曲家のものを選んだかには理由があります。
ここしばらくハンナ・アーレントを読んできて、ユダヤ人として卑しめられたらそこから身を隠したり退いたりするのではなく、その場で、まさにユダヤ人として闘えというメッセージが込められたものをしばしば眼にしてきました。
そこへもってきて、東京を中心とした『アンネの日記』並びに関連図書の破損事件がおきました。
これらの前置きがあってメンデルスゾーンとなったのですがそうした関連などを以下に述べてみます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/a9/ebfa1a21485c74450c1e42d8de14e55f.jpg)
この『アンネの日記』破損事件のみでもそこに露呈している邪悪な意図に辟易しているところへもってきて、それに追い打ちをかけるように、片山さつきや中山成彬らがツイッターで、その犯人が在日であるかのように示唆しているものを読みました。なんか気色の悪いグロテスクものが胸につっかえてなかなかとれません。
この論理は明快というか単純というか、すっかりどこかへ突き抜けてしまっているようです。
ようするに、「日本人は優れた民族」→「したがって、そんなことをするはずがない」、「中韓は劣等民族」→「したがって、やったのは彼らに違いない」という次第なのです。
そしてこれこそが、彼らのいう、いわゆる「自虐史観」に対抗して打ち立てられた論理ともいえます。
なんの論証もない前提から、「したがって」という短絡で一気に結論に至る過程は、ちゃんと検証をしたり「考える」という手間を省いてくれますからとても楽なのです。
もちろん、この論理は間違っていますし、事実もこうした主観的な願望とは一致しないでしょう。
しかし、片山や中山を取り巻く言説環境には、そうした誤りをものともしないとっておきの論理が用意されているのです。それは、彼らからみて悪をなしたと思われる人物や好ましくない者たちをすべて事後的に在日にしてしまったり、ないしはそのルーツを海外にもつ人間に仕立ててしまうという裏技中の裏技があるのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/74/d1393929d1ff56365ba8323c0d2b5d82.jpg)
ナチスによる焚書の儀式
たとえば、今では自公政権とぴったし歩調を揃えている沖縄県の仲井眞知事ですが、一時的なポーズとして政権に歯向かったかのような言動をとったことがありました。その時に私が見たネット上の書き込みには、「仲井真の先祖は中国人である→したがって売国的な行為をするのだ」とありました。なんとも便利な裏技というほかありません。
ついでにそのルートを辿っていったら、在日であることを隠している人たちのリストというものがあって、それにはいくぶん状況に批判的なスタンスをとる人たち、あるいは護憲派の人びとをふくむ膨大な人たちが掲載されていて、ようするに、憲法改正や歴史修正主義に反対する人たちはすべて隠れ在日の反日売国主義者として登録されているのです。
そこには、どうこじつけたのかは知りませんが、何代か前から日本人と思わる人も構うことなくその名を掲載されています。このリストを利用する人たちは、そこに自分の気に入らない人の名前を見出し、「ホラ、やっぱりな」と互いに目配せし合って満足するという仕掛けなのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/db/d69c01b36b389cadaff4cb64bbc6bb21.jpg)
さて、『アンネの日記』破損事件に戻りましょう。
片山や中山は、われわれ「まともな日本人」とは関わりないことだともいいたげなようなのですがが、そのために用いられた論理そものが、まさにアンネを死に追いやったナチスの論理と相似形というよりまさに同一であることに気づいてはいないようなのです。
ナチスはいいました。「われわれアーリア民族こそ優れた民族であり世界に冠たるものである」、それに反して「ユダヤ人は穢れた民族である」、したがって「我々は彼らを殲滅しなければならない」と。
片山や中山の論理はまるでこれをなぞっているかのようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/41/4c047b79165cd4e69bf128eab5cb005a.jpg)
ネオナチのイメージを示す図柄
折しも、田母神支持者の一部で、今年4月20日のヒトラーの誕生日に合わせて、その生誕125年を祝う記念集会が企画されているとも伝えられています。
さきごろからのご政道筋の動向とも相まって、なんだか薄ら寒い思いが次第に強まってくるのですが、それを表明すること自体が「反日分子」の証拠であり、「そんなに嫌なら日本から出てゆけ」といわれることになるわけです。
メンデルスゾーンに行き着く前に、ずいぶん長くなってしまいました。
続きはまた明日にでも書きましょう。
なぜこのユダヤ人作曲家のものを選んだかには理由があります。
ここしばらくハンナ・アーレントを読んできて、ユダヤ人として卑しめられたらそこから身を隠したり退いたりするのではなく、その場で、まさにユダヤ人として闘えというメッセージが込められたものをしばしば眼にしてきました。
そこへもってきて、東京を中心とした『アンネの日記』並びに関連図書の破損事件がおきました。
これらの前置きがあってメンデルスゾーンとなったのですがそうした関連などを以下に述べてみます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/a9/ebfa1a21485c74450c1e42d8de14e55f.jpg)
この『アンネの日記』破損事件のみでもそこに露呈している邪悪な意図に辟易しているところへもってきて、それに追い打ちをかけるように、片山さつきや中山成彬らがツイッターで、その犯人が在日であるかのように示唆しているものを読みました。なんか気色の悪いグロテスクものが胸につっかえてなかなかとれません。
この論理は明快というか単純というか、すっかりどこかへ突き抜けてしまっているようです。
ようするに、「日本人は優れた民族」→「したがって、そんなことをするはずがない」、「中韓は劣等民族」→「したがって、やったのは彼らに違いない」という次第なのです。
そしてこれこそが、彼らのいう、いわゆる「自虐史観」に対抗して打ち立てられた論理ともいえます。
なんの論証もない前提から、「したがって」という短絡で一気に結論に至る過程は、ちゃんと検証をしたり「考える」という手間を省いてくれますからとても楽なのです。
もちろん、この論理は間違っていますし、事実もこうした主観的な願望とは一致しないでしょう。
しかし、片山や中山を取り巻く言説環境には、そうした誤りをものともしないとっておきの論理が用意されているのです。それは、彼らからみて悪をなしたと思われる人物や好ましくない者たちをすべて事後的に在日にしてしまったり、ないしはそのルーツを海外にもつ人間に仕立ててしまうという裏技中の裏技があるのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/74/d1393929d1ff56365ba8323c0d2b5d82.jpg)
ナチスによる焚書の儀式
たとえば、今では自公政権とぴったし歩調を揃えている沖縄県の仲井眞知事ですが、一時的なポーズとして政権に歯向かったかのような言動をとったことがありました。その時に私が見たネット上の書き込みには、「仲井真の先祖は中国人である→したがって売国的な行為をするのだ」とありました。なんとも便利な裏技というほかありません。
ついでにそのルートを辿っていったら、在日であることを隠している人たちのリストというものがあって、それにはいくぶん状況に批判的なスタンスをとる人たち、あるいは護憲派の人びとをふくむ膨大な人たちが掲載されていて、ようするに、憲法改正や歴史修正主義に反対する人たちはすべて隠れ在日の反日売国主義者として登録されているのです。
そこには、どうこじつけたのかは知りませんが、何代か前から日本人と思わる人も構うことなくその名を掲載されています。このリストを利用する人たちは、そこに自分の気に入らない人の名前を見出し、「ホラ、やっぱりな」と互いに目配せし合って満足するという仕掛けなのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/db/d69c01b36b389cadaff4cb64bbc6bb21.jpg)
さて、『アンネの日記』破損事件に戻りましょう。
片山や中山は、われわれ「まともな日本人」とは関わりないことだともいいたげなようなのですがが、そのために用いられた論理そものが、まさにアンネを死に追いやったナチスの論理と相似形というよりまさに同一であることに気づいてはいないようなのです。
ナチスはいいました。「われわれアーリア民族こそ優れた民族であり世界に冠たるものである」、それに反して「ユダヤ人は穢れた民族である」、したがって「我々は彼らを殲滅しなければならない」と。
片山や中山の論理はまるでこれをなぞっているかのようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/41/4c047b79165cd4e69bf128eab5cb005a.jpg)
ネオナチのイメージを示す図柄
折しも、田母神支持者の一部で、今年4月20日のヒトラーの誕生日に合わせて、その生誕125年を祝う記念集会が企画されているとも伝えられています。
さきごろからのご政道筋の動向とも相まって、なんだか薄ら寒い思いが次第に強まってくるのですが、それを表明すること自体が「反日分子」の証拠であり、「そんなに嫌なら日本から出てゆけ」といわれることになるわけです。
メンデルスゾーンに行き着く前に、ずいぶん長くなってしまいました。
続きはまた明日にでも書きましょう。
パニックと情報の真空状態の中で怪しげな噂が流れたとき、片山さつきなら今回のアンネ事件同様「韓国に聞いた方が早いですよ」とツイートするかもしれない。中山成彬は「瞬間日本人の感性ではないと思った。安倍総理をヒットラーに例える国もある」でしょうか。
さらに不気味なのは、彼らの発言に選挙を意識した卑劣な計算のにおいがし、有権者がそうした候補者に多くの票を入れる空気が強くなってきたと感じざるを得ないことです。
おっしゃるようにそれが現実となる素地が見えてきたようで怖いですね。
そうした傾向は、これまでですといわゆるウルトラで、紫外線や赤外線のように不可視だったのですが、先般私が田母神票の分析で述べましたように、はっきりした層をなしつつあるように思います。
加えて政権党の中枢である自民党の様変わりも気になるところです。
これまでも、無思慮な連中のウルトラ失言がありましたが、それらは党是ではないということで撤回されたりしてきました。しかし、上に述べたような片山や中山の発言は今日では常態化し、チェックされることなく横行しています。
田母神=安倍と断定して良いのかどうかはともかく、ある種の近親性は否定出来ないように思います。