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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

「神」について

2015-12-26 21:18:04 | 日記
             

 今年最後の図書館。5冊を返却し、禁欲的に一冊のみ借りてきた。A・コジェーヴの『無神論』。
 いまさら、無神論のすすめではない。人間はなぜ、神を信じたり信じなかったりするのか、またそれらは何を意味しているかの人間学的考察。
 ちなみに「私は科学に依拠しているから神を信じない」というひとは立派な有神論者。こういう人に限って、原発を「信じたり」する。
 信仰家が有神論で信仰を持たないひとが無神論とも限らない。仏教が有神論であるかどうかも議論が分かれるところ。
 まあ、ごちゃごちゃいってないで、この書を熟読しよう。
 正月は、この書のほか、年末に頂いたり買ったりした藤田嗣治の画集をじっくり眺めたり、今秋以来いただいた数冊の恵贈本のうちで興味のあるものを読むつもり。
 それに、そろそろ書き始めねばならない文章が3つほど溜まっている。

【蛇足】マルクスは宗教はアヘンであるといった。しかし、誤解されているように宗教の害毒をいいたてたのではない。19世紀、産業革命下の過酷な労働条件において、宗教が人々の慰めになっているという事実を指摘したに過ぎない。彼はそれを踏まえて、現実の厳しい労働からの開放を考えたが、宗教についてとり立てては言及していないように思う。
 私には、宗教をもった何人かの友人がいるが、それは普通のことだと思っている。宗教者が、その信仰ゆえに苛酷なものに抵抗することはあるし、無思慮で無信仰な人間が大勢に流され、巨悪に加担する危険性も十分にあるのだ。

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