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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

梅雨入り、そして田植えウオッチング

2015-06-09 00:23:12 | 写真とおしゃべり
 朝から肌寒いような陽気で、衣替えの折、長袖を全部しまい込まなくてよかったと思った。低い雲が垂れこめていて、これはもしかしてと思ったら果たせるかな、この地方も梅雨入りとの報道があった。

 昼食を終えて二階の部屋へ戻ろうとしてふと外を見ると、いつもウオッチングをしてるバス通り横の田んぼに稲の苗が収まった箱(育苗箱というらしい)が置かれている。あ、いよいよ田植えが始まるんだとカメラを用意して待つことしばし、機械音がしたので改めて目をやると、田の持ち主が田植え機に乗って作業を開始するところだった。

  

 田植機の構造というのはよくわからないが、前にやはりこの田の田植えの記事を載せた際、この機械の写真を見たこの道の専門家の友人が、これはかなり古い型のものだといっていたのを思い出した。それはそうかもしれぬが、子供の頃、文字通り手植えの田植えを手伝った経験のある私には便利なものに思えてしまう。あの頃の田植えは実に大変だった。

  

 その作業ぶりをひと通り写真を撮ってからそれを編集したり、ちょっとした書物を読んでいるうちに雨が落ち始めた。
 それからどれくらい経ったろう、雨音がかなり激しくなってきたので、もう作業は済んだのだろうかともう一度見にゆくと、もう田植機の姿はなかった。一瞬、全て終わったのかと思ってよく見たら、雨脚に押されて中断したらしく、3分の1ぐらいを残したまま引き上げたようだ。
 彼はたぶん専業農家だろうから(土日以外にも作業をしている)、続きは明日に持ち越したのだろう。

  
        水面への映り込みがこの田の周辺の環境を示している
 
 ちょっと不吉な気がした。それはこの田では昨秋、刈り取り前に大半の稲が倒壊し、刈り取りにも苦労していたし、なによりも収穫量や品質にも問題があったと思われるからだ。だから今年こそはと密かに応援しているのだが、その矢先の躓きのような気がふとしてしまったからだ。
 しかし、これしきのこと大した影響はないはずだし、またそうあることを祈りたい。

  
        ご覧のように車が行き交う道路際での作業である

 毎々書いているが、この辺りは都市郊外で街並みと田園風景がせめぎ合っているような地域で、休耕田や田を潰しての転用が少しずつ増えてきている。
 この田も、写真で見ていただくとお分かりのように、路線バスをはじめ車が行き交う道路に面し、また、北側にある商店の電飾や看板が、そしてその隣のビルなどが水面に映り込んでいる。
 それはそれで風情があるのだが、作業をする側にとっては容易に車を駐められなかったりするリスクもあることだろう。
 それだけに、今年こそはその生育が無事であるようにとの思いを込め、稲刈りまでの過程をウオッチングしてゆきたい。

農業はあらゆる産業の基本だと思っている。少年時代、疎開に始まる5年間を農家の傍らで過ごし、その年間の営みを見てきただけによけいそう思う。TPPにしろ何にしろ、その農業を衰退させるような施策は絶対に取るべきではないと思っている。自動車産業のさらなる発展のための人身御供になど差し出すようなことがあってはならない。農業を他の産業のためのスケープゴートとして扱うようなことがあれば、長いスパンの中では取り返しがつかない事態を生む可能性がある。





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