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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

それにしても早すぎるぜ、櫻井君!

2008-02-14 13:58:28 | よしなしごと
 私自身の年齢のせいだろう。訃報が立て続けに届く。

 かつてお世話になった先輩格でTV関係の仕事をしていたSさん
 高校時代の同級生、K君
 そして若い友人の櫻井 進君
 
 この10日間に、三つの訃報とはちょっとこたえるではないか。

 

 Sさんはもう何年も会っていないが、私が商売をしているときはよく来てくれた。カウンターでいつもにこにこして、私をからかったりしたが、嫌みはなかった。臥せっていらっしゃるとは聞いていたが、改めて訃報に接すると淋しいものがある。

 同級生のKは、日本古代史などを独学で学んでいたが、かなり独断的であった。
 その独断的な面や、ナショナリズムに偏した解釈に私が異議を差し挟み、議論になることもしばしばであった。
 でも、決して憎めない相手で、会わないと淋しかった。
 私が、マニュアル・カメラに興味を示すと、機械の選定から初歩的な技法など、懇切に教えてくれた。
 私も古代史やカメラをもう少し勉強してから、そっちへ行くから、お前もちゃんと勉強しとけよ

 この二人は、私より先輩と同年であるが、最後の櫻井君は若すぎる。私より20才近く若いのだ。
 しかも、ひき逃げ同様の交通事故だなんて。

 確か、近代思想が専門だった。
 「批評空間」や「現代思想」にもときどき書いていた。

 最後に会ったのは先月中頃で、その折り、彼が去年、雑誌「現代思想」に書いた「大名古屋論 ポスト・フォーディズム都市の行方」について、その写真の出来栄えも含め感想を述べ、こうしたルポ風のものが君には合っているのではないかといったところ、今後はその路線で行くつもりで書いたのを分かってもらえてうれしいと、たいそう喜んでくれた。

 その後の二次会でも始終にこやかで、隣の酔っぱらいが彼のスキンヘッドを撫でさすっても苦にすることなく目を細めて談笑していた。
 それが彼を見た最後だった
 事故に遭うなんて、どこに目を付けて道を歩いてたんだ。車はみんな凶器だぞ。
 なんてこと、いまさらいっても始まらないか。
 
 考えてみれば、櫻井君を知ったのはまだ彼が20代の頃だった。
 河合塾の講師をしていたと思ったら、しばらく大阪大学へいっていて、名古屋大学へ帰ってきたと思ったら結局、南山大学の教授に落ち着いた。


 彼の著書(単行本になったもの)は以下である。
 * 江戸の無意識?都市空間の民俗学(講談社)
 * 「半島」の精神誌?熊野・資本主義・ナショナリズム(新曜社)
 * 江戸のノイズ?監獄都市の光と闇 (NHKブックス)


 何だか、訃報ばかりの中で、気持ちがグラグラしていてなにを書いていいのかサッパリ分からない

 とにかく三人の方それぞれのご冥福を祈りたい。
 とくに櫻井君、それにしても早すぎるぜ!

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1 コメント

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Unknown (只今)
2008-02-14 15:58:46
 そうでしたか。テレビ映画製作者だったSの前夜式と告別式は、「もく」の関係では五人参列、教会関係者の尽力でつつがなく行われました。そして兄さんから彼のこんな句が紹介されました。
 後戻りできぬ哀しみ蝸牛
 更に、お連れ合いがガンと分かった十年前、彼はこれまでの自分の罪状をわびつつ、祈ることなら自分にも出来ると、教会に通うようになったことを牧師さんが述べられました。
 そして、横断歩道で轢かれたという桜井さんは後輩でしたか。私は今、右見て左見て何も来ないのを確かめて横断歩道でない所で渡るという違反をすることしばしばです。信号のある横断歩道は、左折、右折、そして真っ直ぐに突然やってくる車に何度も襲われたことがあるからです。桜井さんのご冥福をお祈りします。
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