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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

ブーニンが弾いたピアノと六の時事川柳 06.11.12

2006-11-12 02:57:51 | 川柳日記
 兼好法師は、よき友とは「ものくるるとも」と「くすし」、つまり、ものを呉れる奴と医者といっているが本当にそうだ。

 私の友人で、某TV局の偉いさんがいて、彼からスタニスラフ・ブーニンのリサイタルのチケットをもらった。
 それと同時に、主催者ならではの情報を聞くことが出来た。

 というのはブーニン氏、今月はじめの久留米でのリサイタルで、叔母の危篤情報に接し、心身共に動揺しているのでピアノが弾けないということで、10曲の予定のところ1曲のみでキャンセルしたというのだ。

 友人曰く、従って、この名古屋での演奏も巧く行くかどうかとても気にしているのだとのこと。

          

 
 演奏会は9日であった。
 果たせるかな、入り口には曲目変更の貼り紙が・・。
 そして、私が楽しみにしていたシューマンがばっさり切られていて、ショパンの小品に代えられてしまっていた。

 プログラムは、前半はバロック(ヘンデル、バッハ、スカルラッティ)、後半はロマン派(シューベルト、シューマン、ショパン、ただし、シューマンはカット)で、それぞれ最初の曲は変奏曲風のもので、これらは安定して聴けた。

 しかし、前半、後半ともに、途中から曲や楽章の間にハンカチ王子よろしく汗をぬぐうシーンが目立ち、事前の情報を聞いていただけに、間合いを十分にとっての演奏がつい気になってしまう。

 

  
 私の席は、写真でご覧になるとお分かりのように、舞台背後の演奏が見下ろせるところ(休憩時間にノーフラッシュで撮影)。
 ピアノリサイタルの好きな方、この席はお勧めですぞ。演奏者の指使いからペダル操作まで手に取るように見て取れる。
 おまけとして、最前席の着物の女性が、花束やおみやげなど手渡すタイミングを計っているのもはっきり見える。
 
 それと同時に、客席全体も見渡せるのだが、この日は約75%ぐらいの入り。どうやら、かつてのブーニン・シンドロームは伝説と化しつつあるようだ。
 後で、友人と一杯やりながら聞いたところでは、あれだとトントンぐらいかなということであった。

 実は、2年前にもブーニンを聴いたのだが、やはりその時の方がよかったように思う。今回は、本当に体調が悪いようだった。
 
 80年代前半にまさに彗星のように華々しくデビューしたかつての天才少年も、もう不惑なのだから身辺にいろいろあってもおかしくはないのだと妙なところで納得したのだが、それにしてもなんだか少し淋しい気がする。




<今週の川柳もどき> 06.11.12

 タウンミーティング上意下達の場
  (教基法、やらせで世論操作)

 受信料払う根拠をまた減らす
  (命令するところからとれば)

 核発言腹話術師がいるみたい
  (抑制しない総理。陰で同意?)

 アメリカにもあったトカゲの尻尾切り
  (選挙に負けて、ラムズフェルドを首に) 

 十五万ブッシュが生んだイラクの
  (根拠なき戦に米国民も批判)

 温暖化たしなめ風が渦を巻く
  (竜巻各地で)

 おらがいまはなのだこれ熊よ
  (平成の大合併で市内に出没)

 公の害を教えたひとが逝く
  (宇井 純さん逝く
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