六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

嗚呼、無情!それは幻と消えた!

2007-09-20 15:14:47 | よしなしごと
 A新聞社から電話がかかってきた。
 一週間ほど前のことである。

 総裁選挙に立候補した覚えもなく、最近は(前からじゃ!)犯罪に手を染めたこともないのにと、ややキンチョールの蚊取り線香。

 相手は少し固い声をした女性。
 彼女曰く、「あなたの応募された川柳が採用されました」。
 そういえば、久々にこれといったものが出来たので応募したのであった。いや~、朗報、朗報。また図書券ゲットだ。

 
           高山線普通列車。岐阜駅にて

 ところが角屋のトコロテン。
 そうはイカのオツンツンである。

 「しかし」と彼女はのたもう。
 そういえばここ数年、何度も採用されているが、こんな確認の電話も「しかし」も「おかし」も「むかし」もあったことがない。

 彼女は続ける。
 「ネットで検索したところ、あるブログに全く同じ句があったのです
 エッ、エッ、エッ、越中富山のフンドシも真っ青(フンドシは白?)。

 確かに川柳はたった十七文字の表現、しかも時事川柳とあれば題材も限られ、同じ句があっても不思議ではない。
 しかし、あの句は自信作、特に、あの発想はひとさまには容易に思い浮かばないだろうと多寡をくくっていた矢先。

    
        ワイドビューひだ号。連結部分

 「え~と、え~と、それはどんなブログですか?」と私。
 「ア、それはですね、<六文錢の部屋へようこそ>というブログです」と彼女。

 これはこれはとひと安心。
 「ア、それでしたら私のブログです。ですから盗作では有馬温泉」

 しかし、彼女の言葉は依然として田中屋の「四つ折り煎餅」ほど固い(ここんとこローカルネタ。大垣のひとならばっちり分かる仕掛け)。
 
 「いえ、盗作とは申し上げていません。ただ、ネットだろうが何だろうが、不特定多数のひとに公開されたものは、既成の作品とみなされるのです」

 エッ、そ、そ、それでは・・。
 ここから、彼女の声に同情がこもり、教え諭すように柔らかくなる。
 でもって、私の期待は幾分繋がる。
 「ですから、応募作品はネット上でも発表しないで、その採否が決まってから発表して下さい」
 「わ、わ、分かりました。で、今回のものは?」
 「上司と相談します。しかし、今後、上記の原則は守ってください」

 
          岐阜駅の高山線発着ホーム

 それから、二,三日、紙面を見ていたが、遂に私の作品は陽の目を見ることがなかった。レ、ミゼラブル。ああ、幻と化した図書券!

 時事川柳は生ものである。賞味期限が切れたら単なるゴタク。
 ところで、A新聞社の採用・不採用は三、四日を見なければならない。だからその正否を見てからではもはや死んだ子、水子の子である。

    
        ワイドビューひだ号の標示など

 私はいまやハムレット。ネット重視か新聞重視か?

 で、決めた。
 図書券狙えそうなものはネットで公表しないで投稿。

 でもって、皆様へのお白州ならぬお知らせ。
 ネット上の作品の質が落ちたとしても、それは図書券取りに出かけた一軍の留守に登場させた二軍のせいだとご了解いただきたい(何といううまい言い訳!)。

 ところで、幻の採用句は以下。

     遠回りせずに来られる薬売り

 これは、土砂崩れで不通になっていた高山線が三年ぶりに開通し、富山・岐阜間が直通になったことを詠んだもの
 だから、ここに載せた高山線関連の写真はちゃんと計算の上。
 
 え?たいした句じゃないって。そりゃそうでしょう、今となっては。
 でも、開通時の沿線の人たちの喜びは大変だったんよ。

 ホラ、だから言ったでしょう。時事川柳は生ものだって・・


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