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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

メディアが言わない当たり前のこと 私も釣られそうに・・・

2011-10-21 00:47:24 | 社会評論
 原子力安全委員会は20日、従来、原発から半径10キロに設定されてきた避難などの防護対策を求める範囲を半径30キロ圏に拡大するなどとした指針案を固めたようです。
 
           
 
 これは福島第1原発事故の実態からみて何を今更寝ぼけたことをというようなことではありますが、まあ、前進ではあるわけでしょう。
 しかし、それに伴う問題も大変なようです。
 ということは、その圏内の市町村は現行の44から137に増え、人口も6倍程度(数十万人から200万人ほど)に増えることとなるからです。
 それにより、例えば水戸市のようにその全域がそれに相当したり、離島の全域がその範囲内だったりするところもあるようです。

               
 
 そういう所では、病院や老人保護施設などをどうするか、学校をどうするか、日常の放射能の監視体制をどうするか、などの問題に直面し大変なようです。
 それにもまして、いざ危険な事態になった場合の住民の避難体制、避難経路、避難場所の確保などなどの大問題がほとんど解決不能のように立ち塞がっています。
 例えば、水戸市民全員に避難の指示を徹底し、予想される大渋滞を回避して避難経路を指示し、そのうえ、それらの人々の避難場所を確保することはまったく不可能ともいえますし、事実、それらの自治体の困惑ぶりも伝えられていました。

        
 
 このニュースを見ながら、ほんとうに大変だなぁと考えていたのですが、やがて、ある意味で私の考えはまったくの杞憂であることに気づきました。
 なぜなら、これらの問題はすべて「原発を今のままで維持したら」という前提の上に成り立っているのです。
 したがって、原発をなくせば200万人の人間が日々生活に脅かされ、逃げ惑う準備をする必要など全くなくなるのです。

 ようするにこのニュースは、原発を維持するとしたらこんな不可能事に耐えねばならないという事実を伝えていて、したがってそこからは原発はなくすべきだという結論がまったく素直に出てくるのですが、それをいわないところが原子力安全委員会であり、またそれを素直に伝えないところがマスメディアなのだといえます。

 

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