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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

書から目を上げる時 機関車たちは多様で美しい

2022-08-27 16:48:42 | 写真とおしゃべり

 岐阜の養父母のもとへもらわれてきて以来、80年ほど岐阜住まいである。途中、就職し、結婚しての数年間だけ名古屋に住んだことがある。
 しかし、学生時代5年、就職時代10年、居酒屋時代30年は、名古屋へと通っていたことになる。そのせいで、岐阜県民ながら、友人や私的に所属する組織など、人間関係は名古屋が圧倒的に密度が濃い。
 
 だから、居酒屋を辞めてのフリーライター時代も、それを辞めて以降も、名古屋へは月に数回は通っていた。所属する会の会合に出たついでに映画を観るとか、美術展を観るとか、名古屋はある意味、私の栄養源であった。

      

東海道線車中からの木曽川 左が岐阜県 右が愛知  川のなかには台風などで流されてきた大きな流木が こうしたものの下流に土砂が溜まり中洲になることがある 色合いからみるに、もうでき始めている
 
 それが途絶えたのは、このコロナ禍のせいだ。19年以降、私の名古屋訪問は、月1、2回になってしまった。19年以前は、車で出かけることもあったが、いまはもうもっぱらJRを利用している。
 学生時代は、まだ機関車が客車を引っ張っていた。湘南型電車が投入されたのはいつ頃だったのか思い出せない。いまはすべて電車で、岐阜ー名古屋間は快速で18分、普通で25分ほどに短縮された。
 
 名古屋へ出る際は、敢えて普通に乗る。普通は岐阜始発で確実に座れるのと、たいていは読書に費やすので、18分は短すぎるのだ。
 車窓をよぎる景色はほとんど見ない。もう何回も見ていて見飽きているからだ。だから、ひたすら読書。
 
 しかし、そのうち二箇所だけ書から目を上げて観る風景がある。一箇所は愛岐県境の木曽川の鉄橋である。川が好きなのだ。季節によって様相が異なる。この水の下にどんな魚たちがいるのか。水辺のサギたちはどんな魚を狙っているのか。ついでに、若い日に渓流釣りで訪れたこの川の上流部の渓谷に思いを馳せたりする。

 ついで、書から目を上げるのは稲沢駅である。ここはかつて、東の新鶴見、西の吹田と並んでの日本三大操車場で、広い構内で様々な列車の編成が行われていた。今は、そうした作業は殆ど行われず、敷地も縮小に次ぐ縮小でこじんまりしてきたが、いろんな機関車を見ることができるのが楽しい。

 さすがにもう蒸気機関車はないが、電気機関車(E型)やディーゼル機関車(D型)のいろんな機関車に出会うことができる。それら機関車をきちんと整理し、名指しできるほどの鉄チャンではないが、それらを見るのは楽しいし。

      
       この操車場の奥行きを示す写真 これでもかなり縮小された結果
 
 今、JRにしろ私鉄にせよ、売出しの特急列車があり、外面内面ともにその表情は豊かである。それに比べ、今や機関車はほとんど貨物列車を引っ張るのみの地味なものと思われる向きが多い。たしかに比較されればそのとおりだろうが、しかし、機関車にも様々な種類があり、色彩も形状もけっこう豊かなのである。
 とはいえ、それらを同じ場所で比較検討しながら見ることができるのは、稲沢のような大型操車場においてのみだろう。だから私は、ここでは書から目を上げ、今日はどんな機関車があるかなと見回すことにしている。

      

 重複も多いし、遠くに止まっていてうまく撮せないものもあるが、その多様性についてはわかっていただけるだろう。
 書いているうちに、機関車について懐かしい思い出もいろいろ湧いてきたが、長くなるのでまた今度にしよう。

                  

 なお最後に載せた写真は、かつて貨物列車の最後部に連結されていた貨物用車掌車で、その中でもたぶんもっとも小さいヨ8000型の車両である。写真では3連結になっているが、もちろん実際使用時には一両ずつで用いられた。

      
      
      
                 
      
      
       
      
        
         これは機関車ではなくてヨ8000型貨物用車掌車
コメント
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