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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

今年、一番長かった日 もしかして、コロナがやってきた?

2022-05-05 03:01:47 | フォトエッセイ
 もちろん、夏至にはまだ早い。長かったというのはむろん、あくまでも私の主観にとってだ。

厳密には昨夜遅くにそれは始まった。もう寝ようとしていたとき、喉の痛みを感じた。ン?これは?そう、これは典型的な私の風邪の症状なのだ。私の場合はいつも、喉が痛むのみで熱も咳も鼻汁もでない。しかし、喉がジンジン痛むのが続くのは、飲食の際、それらが喉に引っかかるようで痛いしまずい。それ以外の時間も、不快が居座った感じでなにかに集中することもできない。

 年に1,2回はこれに罹るのだが、どういうわけかコロナ禍のなかではそれを免れてきた。これまでなら、行きつけのクリニックへ行って症状を話し、薬をもらってくればそれで3~4日で治る。処方される薬もメモしてある。トランサミン250mgだ。    
 しかしこの時期、風邪の症状が出ていれば、事はそれでは済まない。

 事前に症状を報告し、駐車場などで抗原検査をして陰性ならば風邪の治療を普通に受けることができる。行きつけのクリニックでも、その手順を踏んだ例を目撃したことがある。
 だからそれに従えばいいのだが、あいにく連休のど真ん中、4日とあってそうはゆかない。クリニックは休みなのだ。

 ネットで調べたら、岐阜市の場合は保健所へ相談しろとある。早速、電話をしたら休日中は受け付けないとのテープの声が冷たく響く。今度は県の方に電話をした。これもお話し中でなかなかつながらない。
 そうこうしているうちに、いろいろ不安が募ってくる。もし陽性だったらどうしよう。

 ここ2,3日の間に出会った人たちの顔が浮かぶ。私にうつした人の犯人探しではない。逆に、私がうつしたかもしれない人々にこれ以上拡散しないように警告を発する必要があるからだ。
 入院か自宅治療かはともかく、治療体制に入る必要があるが、今後の予定はどうなっていたのか・・・・などなどいろいろな想念が頭の中を巡る。唯一安心できたのは、同人誌の原稿を昨日3日に入稿を済ませておいたことだ。

 県の電話がやっとつながった。状況を話して岐阜市南部で休日中に対応してくれるところを尋ねる。県の側から3箇所ぐらいの病院名が挙げられる。そのうちのひとつが、70代の中頃、急性気管支炎で41.5度の熱を出し、心身ともに朦朧としてくたばりかけた折、救急車で担ぎ込まれ、そのまま一週間ほど入院したところだったので、迷わずそこに決め、電話をする。

 ちゃんと対応してくれたが、やはり病院のなかには入れないから、駐車場に着いたら電話をするようにいわれた。それに従い電話をすると、本人確認やいわゆる問診で2,3回の電話のやり取りがあった後、抗原検査をするのでどんな車でどの辺に止まっているのか、車のナンバーまで尋ねられる。しばらくすると防護服を来た女性の看護師さんが近づいて来たので、ドアを開けて外へ出ると、出ないでウインドのみを開けろと指示される。
 それに従うと、ちょっと顎を上げてくださいと言って綿棒のようなものを鼻の奥に突っ込んでくる。それがけっこう痛いし、念入りに行うのか思ったより時間がかかる。

 それが済むと、検査結果が出るまでしばらくそのまま待つようにいわれる。そんなこともあろうかと、読みかけの本をもっていったので、それを読みながら待つ。15分から20分ぐらい経ったろうか、電話があり、陰性だとの結果でひとまずホッとする。それでは、院内に入れてくれて、喉の方の治療をしてくれるのかと思ったが、そうは行かない。

 しばらく待つと、今度は医師から電話があり、それに従い詳しく症状を述べ、これまで飲んできた薬、トランサミン250mgを告げると、それではそれと痛み止めを出しておきます、との結論に。
 さらにしばらく待つと、看護師さんからの電話で、診察料金を知らされ、処方箋を持って集金に行くから然るべき金額を用意して待つようにいわれる。

 やがて、看護師さんが現れ、現金で支払う。預けておいた保険証やお薬手帳を返してくれて、処方箋を渡してくれる。日曜日にやってる調剤薬局は少ないので、この近くでのそれを尋ねると、そこへの経路も含めて適切に指示してくれた。
 そこへ立ち寄り、薬をもらい、今度はPaypayで支払って一連の行為が終了する。

     

 こう書くと、一連の流れがスムーズに行ったように思われるかもしれないが、実際にはそうでもなかった。連絡を取り始めたのが午前中で、終了したのが5時近かったので、ほぼ一日を費やしたことになる。
 その過程で、PCR検査も浮かび、それをやっている場所を確認し、そこへ連絡をとったが、その結果が出るのが3日ぐらい後でメールで知らせるとのことで、私の今回の要請には合わないと思い諦めたりした。ただし、その検査結果の精度についてはPCRの方が高いことも今回勉強した。
 上の叙述は、そうした迷いの枝道を省略したものである。

 すべてが済んで帰宅し、傷んだ喉に心地いいコーヒーのオンザロック(ようするにアイスコーヒー)を飲んだ。これまでの緊張が一挙に緩んで、心地よさが全身を駆け巡った。
 あんなに不安に怯えていたのに、それらも含め、なんか全部自分の手柄のように思うなんてまったく勝手なものだ。

コメント (4)
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