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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

やっと金木犀の匂いが その他ご近所事情いろいろ

2016-10-19 14:14:28 | 日記
 郵便局でややっこしい手続きをした。
 これはあとの話だが、この時の郵便局の発行した領収書に、一円の誤記があったとかで、正規のものに取り替えるため、翌日、局員が訪れると電話がかかってきた。
 こちらの支払った金額は変わらないので、別にこのままでいいですよといったのだが、その誤りの領収書を回収しなければならないので協力してくれという。べつに拒む理由もないので了承したが、わずか一円のことでわざわざ交換に来るなんてご苦労様なことだと思った。しかし、それが内規ならいたし方あるまい。
 で、翌日、やってきたので、丁重にご苦労様と出迎えて交換をしたのだが、ほんとうにご苦労様というほかはない。迷惑をかけたと、タオルを置いていった。

 この郵便局ヘ行ったときのこと、そこからやや離れた歯科医に予約を入れていたのだが、郵便局での用件が思っていた以上早く済んだので時間が余ってしまった。家まで帰るほどのこともないので、郵便局の斜め前にある、やや大型の書店、大洞堂本店に寄ってみようと思った。

            
            
            

 駐車場に入ると、なんだか工事用の細かい工具類を積んだ車が複数台。それぞれのバックドアが開いていて、それ自身が絵になる。そこでわがガラケーの出番。
 そこで気づくべきだったが、部分的な改装か何かだろうと思い、店内に入ろうとした。
 がらんどうなのだ。何もない空間で、内装の作業員たちが立ち働いている。
 
 そこではじめて思い出した。ここはこの夏でもって閉店したのだった。それを聞いてはいたがすっかり忘れていたのだ。迂闊というより認知の気配濃厚というべきだろう。
 ひとつには、この本屋を見限ってあまり来ていなかったことにも依る。
 20年ほど前の開店当初は、徒歩10分余の箇所に大型書店と大いに期待したものだ。おまけに初代の店長が、名古屋での私の店の常連だった三省堂書店の人文系図書の優秀なスタッフ(女性)だったこともあって、私の期待は大きかった。

            

 果たせるかな、いい書店であった。人文系の図書もしっかり備えていて、哲学や思想関係のコーナーも地方書店にしては充実していた。私も何冊かを求めたことがある。しかし、そうした品揃えはやはり郊外型では無理だったのだろう。やがて、その店長が変わり、在庫の構成もガラリと変わり、店頭にはハリー・ポッターなどがこれみよがしに平積みされるようになった。
 私にとってはすっかり魅力が失せたのだが、売り場がそこそこ広いので、雑誌や文庫本、新書などを入手するためには時折は利用した。

 全く行かなくなったのは昨年からだろうか。岩波新書で、必要なものがあったので出かけた。新書の棚には見当たらなかったので、通りかかった若い店員に尋ねたら、おかしいですね、ありませんねぇとのことで、カウンターにお越しくださいとのこと。そこで、若い店員が店長らしき人にそれを訊いてくれた。すると即座に店長(?)は、うちは岩波は置いていませんから、とまるで八百屋に肉を買いに来たような言い方で突っ放された。
 若い店員は自分が怒られたような表情。この店員も自分のところでどんな本が置かれているのか、いないのかをまるで把握していないのだ。

 あ、これではもう私の来る店ではないなとそれ以来足が遠のいていた。
 地方の書店がどんどん減少し、都市の大型店と通販に偏るということへの一般的な惜別の念はあるが、この店の閉店にはあまり驚かなかった。

 たまたま出てきた工事関係の人に、この後は何になるのですかと訪ねたら、名古屋に本拠をもつドラッグチェーン、スギ薬局が進出するらしい。
 私の家から10分程度のところには従前から岐阜地方に本拠をもつ中部薬品(Vドラッグ)があって、つい先月、北陸に本拠をもつクスリのアオキのチェーン店が開店したばかりだ。すぐ近くにあるスーパー(中部薬品と同系列)バローも含めて、血で血を洗う商戦が展開されそうだ。
 とりわけ最近のドラッグストアーは、鮮魚や青物野菜を扱わないぐらいで、ほとんどスーパーと遜色はないから四つ巴の闘いになりそうだ。

            
            
            

 でこの後だが、まるで小学生低学年の道草のように、ブラブラしながら歯科医へと向かう。
 歯科医の近くにある立派なキダチチョウセンアサガオを撮る。
 これも一般にはチョウセンアサガオといってしまうようだが、普通のそれは朝顔の仲間であるのに対し、これは文字通り木立である。別名はエンジェルズトランペットともいい、30センチからものによっては40センチほどの細長い花をつける。

 とやかくしているうちに、予約の時間になったので歯科医に。岐阜市の高齢者向け口腔検診だが、さして歯の悪くない私もこれは毎年受けていて、ついでに歯垢をとってもらったりしている。
 今回もそのつもりで行ったのだが、医師いわく、2箇所ほど虫歯があるとのこと。全く自覚症状はありませんが・・・といったら、それがないうちに治療をした方がいいと言われた。
 まあ、たしかに歯痛に悩まされるのは嫌だから、この際、医師の言うとおり治療を受けることに。

               
               

 話は変わるが、何日か前、TVで今年は金木犀があまり匂わないと言っていた。たしかにそうだ。九月の長雨のせいらしい。
 しかし、歯科医の帰途、匂いを感じたのでそちらの方へ。前にも写真に収めたところだが、たしかに花のつきはその時よりはよくないようだ。前には盛り上がるように花がついていた。ただしここ2、3日の好天のせいか、香りはけっこうきつくなってきたようだ。
 
 一月も前のことは、人間はすっかり忘れてしまうが、植物などはその記憶をしっかりと体内に保持し、それに即した成長や変化をするようだ。
 自然はつながっている。それからいくぶん疎外されているのが人間なのだろう。



コメント (3)
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