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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

勉学ノート  H・アーレントの『思索日記』から

2012-02-16 00:29:21 | 現代思想
          

 エロスと哲学は一体をなしている。いずれも「世界」から逃走し、非政治的、反政治的だからである。恋する男が恋人と共に日常的な仕事の世界から逃走して愛の対話を交わすことができるように、哲学者は自分自身と共に逃走して、思索の対話を行うことができる。(H・アーレント『思索日記 Ⅱ 』より)  

 上記は決して肯定的に語られているわけではない。そこでは人間の複数性による「世界」が、そして、その営みである本質的な意味においての「政治」が失われてしまっている。(六)
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