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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

センセーショナルな言動の問題

2011-03-17 17:23:43 | 社会評論
 東京で凄まじい買い占めが行われていることが報じられ、TVはことさらに空の食品棚を写します。
 私もてっきりそうした状況が一般的なのかと思っていました。
 
 しかし、東京の友人によれば、必ずしも東京全域でそうした状況にあるわけではなく、少ないとはいえ食品が売られているところもあるのだそうです。
 彼によれば、むしろメディアのそうした報道が買い占めを扇動する結果となり、それが広がっているのではないかと言っています。

 名前の知られた人の幾分不用意なツイートも見られます。
  http://htn.to/8Ga2JN
 それによれば以下のようです。
 
 ”元科学技術庁長官が、今回の原発事故について「東電と政府の情報を絶対に信じてはいけない。信じたら大変なことになる」と個人的に打ち明けた。ご参考までに。なお、それをどう解釈するかは、皆さんの問題。”

 「科学技術庁長官」というのは政治的なポストで特に科学技術に詳しいわけではありません。
 たしかに私も東電や政府の情報開示はきわめて不十分だと思いますが、「絶対に信じてはいけない」とは思っていません。もしそうだとしたらどの情報を手がかりにしたらいいのでしょう。
 元科学技術庁長官や宮台氏が正しい情報を与えてくれるのでしょうか。

 上の氏の言動は、自分は「権威ある人」から「個人的に打ち明けられる関係」にあるという自己顕示以外のどんな内容も持っていません。
 むしろ、現実の背後で庶民が知らないことが進行しつつあるという陰謀論のようなもので、結果として人々にいたずらに必要以上の行動を煽る結果になると思います。

 危機管理についての点検や責任論は後から論じればいいと思います。
 とりあえずは、現場で不眠不休で被曝や負傷の危険性をも顧みず事態の鎮静に努力している作業員の皆さんの尽力が、その成果を見ることを願い、また彼らの無事を祈りたいと思います。

 こうした事態での過剰報道や陰謀論的発言が、関東大震災に際しての朝鮮半島の人々への虐殺に繋がったという歴史的経験を噛み締めるべきです。




コメント (20)
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