イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

山口メンバー書類送検 ~TOKIO越えてカッコつける~

2018-04-26 22:42:34 | 芸能ネタ

 こういう刑事事件とか、訴訟案件とか、さもなきゃ結婚入籍とか、身も蓋もない散文的な報道になると必ず“()”=カッコつきで満年齢が付されるので改めて「あららら」と思うのですが、TOKIO山口達也さん(46)ですって。

 もう前世紀、90年代の半ばぐらいからずっとTOKIOメンバーとして第一線で露出し続けているんだから、20代デビューだったとしても40代で何の不思議もないんですよね。年取ってるのは月河だけじゃないのだ。男も女も老いも若きも、有名人も無名人も一年に一歳ずつ、平等に年をとる。

 思うんですけど、“アイドル”にも定年ってあったほうがよくないですかね。

 今回の山口さん、やってはいけないことをやらかしてしまったのは確かなので、法的にも社会的にも厳しく裁かれなければなりませんが、街頭でこのニュースの感想を求められた、TOKIO年代よりはちょっと下の、三十代半ばぐらいに見えるOL風の女性たちが「えー意外、明るくて元気なイメージだったので、ショックですね」「がっかりです」なんて、それほど深刻そうでもなくコメントしているのを見ると、どう考えても無理あるだろうと思うのです。

 四十代後半にもなって、バツイチ二児ありで、自分より年下の一般人から“明るくて元気なイメージ”を抱かれてるって、そりゃ疲れるよストレスたまるよ。酒に逃げたくもなるさ。逃げる酒だから酔い方も悪いだろうし、けしからんこともしたくなるわ。

 昭和の時代にもアイドルはいたし、“昔、アイドル的人気だった四十路俳優、歌手”もいました。しかし、個体あたりの“純アイドル期”はいまより断然短く、三十代後半から四十代に入っても第一線に踏みとどまっている人は、純アイドルを卒業してアイドル視されなくなったことをもって生き残っていたような気がします。

 昭和四十年代後半も石原裕次郎さんはスターで、カッコよかったけれど、銀幕でブームを起こした頃のやんちゃでワイルドな雰囲気を残しながら、ちゃんと背広ネクタイの管理職“ボス”に移行できていました。若い女の子にワ―キャー言われる担当は萩原健一さんが、続いて松田優作さんや渡辺徹さんらが引き継いでくれて、少なくとも四十越えた裕次郎さんが、自分より年下のファンから「明るくて元気なイメージ」なんて背負わされ続けることはなかった。「往年の面影はあるけど、やっぱりおじさんはおじさん、中年は中年」を、ご本人もファンも、さほどファンではない遠巻き観客も、ちゃんと受け入れて世の中回っていたのです。

 TOKIOなどジャニーズ所属の男性アイドルの場合、ユニットやグループ活動が主軸なことも“うまくおじさんになれない”原因のひとつかもしれない。ファンのほうがどうしても、いつまでもバンド楽屋的な、男子校の部室的な内輪感、メンバー間のバディ感やブロス感を嗅ぎたがってしまうから。

 アイドルではなくなっても、演技や歌やダンスで客をひきつけるのが正業の“芸能人”は夢を売る仕事であることに変わりはありません。オフの時間にあんなこともコンナこともしてた・・と報じられて一般人を「がっかり」させるようでは芸能人失格です。まして違法行為、強制猥褻となったら問題外です。

 それにしても「明るく元気」からはもう解放してあげませんか。ちょっとくたびれた、しょぼいおじさんだっていいじゃないですか。肌に張りがなくなって、頭髪も薄くなって加齢臭が漂ってたって、撮影が始まってスタートの声がかかった瞬間、ライブの幕が開きライトがついた瞬間にシャキッと輝いてくれれば、それで十分じゃないですかね。こちとら一般人はいつも、ずーーっとくたびれてしょぼいんだから、十分夢をもらえますよ。

山口さん本人が涙の謝罪会見で「もう(同じTOKIOメンバーの)彼らぐらいしか、叱ってくれる人が居ない年齢になった」と、ある意味切実な心情を吐露していました。素人考えでは、居るじゃない事務所のずーっと上のほうに・・と、ちらっと思いますが、“気がつけば周りみんな後輩、自分がいちばん老トル”を自覚せざるを得なくなる年齢まで“アイドルたること”を求めるのは、かなり残酷だし、心が狭いのではないかと思うのです。

 しかしねえ。TV、特に民放BSで入れ代わり立ち代わり流れる年齢化粧品やサプリメントのCM、女性誌の特集ページを見ていると、山口さんなど男性中年アイドルと同じ時代を歩んできたと思しき女性たちが“如何にしてオバさんにならないか、BBAにならないか”で頭がいっぱいらしいんですよ。どうしちゃったのみんな。もっと喜んで年をとろうよ。若さなんていうこっ恥ずかしいだけの縛りから自由になろうよ。

 せめて「明るく元気」だけはおさらばしませんか。いや、永遠に訣別ではなく、無期限お休みでもいいけど。とにかく正々堂々と、誰憚ることなく、くすんでどよーんとしようよ。世の中「明るく元気」ほど窮屈なものはないんですから。いやホントに。

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