だいぶ前にここで“リア充(じゅう)”というネット用語(←すでにして死語?)について軽く考察めいたことを書きました。
“実生活=リアルが充実していると、ネットとの付き合いやネットでの発信には熱心でなくなる”という前提あっての用語なのかな?と書いた記憶がありますが、最近、これに限りなく似た気分です。
あまりにどストライク、ピンポイントで、ズレも外れも皆無に近いドラマだと、逆にブログで解体しようとか、分析しようとか、レヴューを書こうなんていう邪念が出ませんね。
もちろん『カーネーション』の話です。書いてる暇があったらリピート視聴して、前回視聴で見逃したディテールや小ネタをねぶり尽くすほうがいいもんね。今季はここも“実質カーネーションブログ”化してもいいやとハラくくっていたのですが、はまり過ぎると、逆に書けない。と言うより、書いてる時間が惜しい。
いままでここで、数々の連続ドラマを連続追尾して来ましたが、「おもしろかったから、堪能したから」が燃料になるのはいいとこ7割で、3割は「物足りないから、首かしげるから、もっとどうにかしてほしいから」で筆が進んでいる。
いまのところ“棒ほど願って棒ほど叶う”状態の我らが(誰らがだ)『カーネーション』は、ただただ観させてもらってるだけで充実。食材選びも、火の通りも調味も盛りつけも十全なのに、シロウトが偉そうに切り刻んで並べ替えて「ほら、これくらい焼けてますよ」と切り口見せたり、ウスターソースだのケチャップだのマヨネーズだのかけたりして何になるか。
今日の34話は15分の前半を紳士服ウルトラ、じゃなくてロイヤル大将(団時朗さん)が持って行きました。4人いる職人さん、全員横分けでテラッと撫でつけてズボンはサスペンダー。個性的な髪型にすると大将がひがむのか。なんだかいまにもクリケットでも始めそうな“なんちゃって英国風”で、いかにも日本の糸物職人!といった風情だった桝谷パッチ店とは対照的。ひょんなことから糸子(尾野真千子さん)が知り合ったダンスホール踊り子のサエさん(黒谷友香さん)と大将の、それぞれ別方向に飛び出た“東京コンプレックス”の対比も愉快でした。そぉなんだよ~。