イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

僕たちの失敗

2009-01-10 17:41:55 | CM

わはは、ショートバージョン見るにつけても興趣尽きませんなP&G“ボールド”CM。アレ絶対狙ってるだろう。

寺脇康文さんにいま言わせるかな「まだってる~~」。確信犯だろう。

ガオシルバー玉山鉄二さんからカイ石黒英雄さんに引き継がれたボールド“イケメン洗濯係”の相手役は、“ガチ汗くさ体育会系”か“存在感暑苦し系”がお約束。“スポーツ的高体温感”という点で、寺脇さんは適任なのですが、もうひとつり”って接点があった。寺脇さん起用版の企画書書いた人も、字ヅラ見て思わず膝打ったろうね。これはツボ。

でも「寝ちゃダメー!」ってガシャガシャ揺さぶり起こすのは、やっぱり亀子もとい美和子さん(鈴木砂羽さん)か、さもなきゃ捜一ヤング芹沢くん(山中崇史さん)の役回りじゃないかと思うんですが「せんぱいーー!」。

昨夜は帰宅すると、高齢家族が『いじわるばあさん』(フジテレビ系2100~)を視聴中。市原悦子さんをフィーチャーしたことで、長谷川町子さんの原作漫画とも、青島幸男さんらが女装して演じた昭和版とも違った、独特のワールドになってましたな。おばさんデカ・桜乙女も、大沢家政婦紹介所の石崎秋子さんもブレンドされていて、“意地悪”と言うより“怪”“変”“妙”の要素のほうが前面に出ている。

2時間ドラマ界でロングラン人気だった両シリーズが終了して、市原さんにしか表現できない独特の怪オバキャラを「また観たい」と惜しむ視聴者は多そうです。月河はオムニバスの2話途中から覗き見はじめたのですが、開業医の次男役は小日向文世さん。3話に登場の四男は荒川良々さん。高齢家族の話では、3人の子持ちの長男役は内藤剛志さんだったとのこと。ゲストに蟹江敬三さん、石橋蓮司さん。結構豪華というか、幅広い。

ただねぇ、市原さんを筆頭にこれだけのキャストを揃えて、やっぱり漫画原作、それも昭和前半期の週刊誌4コマ古典引っ張り出してこなきゃ、単発とは言えゴールデン2時間枠、作れないのかなあ?という歯がゆさも残ります。

確か、昭和40年代の中盤頃まで、週刊サンデー毎日に連載されていたのかな。月河は当時小学生でしたが、45年生まで実家父に連れられて大人男性の理髪店、床屋さんで髪を切ってもらっていた刈り上げちゃんだったのと、親類に(田舎によくある)日用雑貨のついでに雑誌も売る店やってる家があったのとで、おじさん・お兄さん向けの雑誌は、結構読んでました。

『いじわるばあさん』の連載の中でいまも覚えてる一本は、1コマ目で下クチビルの突き出た、肉付きのいい和服の男性が書斎机に向かっていて、そこに“←”と矢印引っ張って“松本清張”って書いてあるのね。

2コマ目:外からナベカマ、カナダライ叩くようなドガチャカ音がして、顔をしかめ耳をふさぐ清張さん。

3コマ目:清張さん(←庭の石灯籠かなんかの上にのって土塀の上を覗き)「なんで執筆のジャマすんの?」

いじわるばあさん(←土塀外の路上で、ナベカマ叩く手を止めて)「女にセンキョ権があって悪い!?」

4コマ目:清張さん(←やれやれ…と石灯籠から飛び降りて背中越しに)「それは石川達三だ」

  発汗赤面して踵を返し退散するいじわるばあさん。

…松本清張さんの近影は実家父の書棚で見てなんとなく知っていましたが、初見ではさすがに小学生坊主には何のことやらさっぱりわからなかった。1971年、石川達三さんがサン毎に『婦人参政権亡国論』を発表した頃だったんですね。

ドラマのいじわるばあさんは、高齢者に冷たい社会への諷刺も織り交ぜ家族コメディ風に仕上げていますが、同じ長谷川町子さん作でも、朝日新聞連載だった『サザエさん』とは色合いが異なり、結構社会派寄りの漫画でした。週刊サンデー毎日の本誌記事のほうは読んだ記憶がないけれど、当時の芸能人スターがどうしたこうしたと、婦女子好みの見出しを見た記憶もないから、やはりサラリーマンお父さん、おじさま向けの雑誌だったはず。

そう考えると、読者は、主人公いじわるばあさんのキャラより、ばあさんのいじわるに振り回され、「お義母さんとはやってけないわアタクシ」と不満たらたらの嫁には突き上げられる息子たちのほうに、自分を重ねていたのかな…とも思いますね。「そうだよな、やってらんねぇよな」「オレもばあさんになって、こんだけ思うさまやってみたいよ」とか。

息子たちはそれぞれ、ミニスカ女子社員もいるかなりの大会社部長職、個人病院の院長、売れっ子漫画家と、当時の勝ち組職業に設定されているので、「出世したつもりでもオフクロと女房にはアタマ上がんないだろうよ、針のムシロだろうよ、ザマ見ろ」という気分もあったかも。

いまTVドラマは完全に、客層が“元・嫁だった”年代の、子育て終了か終了間近の女性たち主体ですから、漫画原作とは言っても完全に原作とは別ものと言っていいでしょうね。強いてジャンル付けするなら“市原悦子ドラマ”かな。

そう言えば、当時、おバアちゃんと言えばネコを飼って縁側とかでじゃれさせてるイメージが強かったけど、漫画のいじわるばあさんは確か、垂れ耳の結構大型犬を可愛がっていましたね。名前が“クッキー”だったかな。何となく、原作長谷川町子さんも、いじわるばあさんを描くときには体内“男指数”が高かったのかなという気もします。

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