イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

はちみつプレイ

2010-05-19 17:15:20 | 朝ドラマ

忘れた頃に貰い風呂にやってくる義兄・雄一さん(大倉孝二さん)一家(@『ゲゲゲの女房』)。

18日(火)の久々の登場で初めて気がついたのですが、愛嬌はありげだけどなんとも図太い兄嫁・佐知子さん役は、元・宝塚歌劇団花組トップスターの愛華みれさんでした。トップさん就任前に、住友VISAカードのイメージキャラをつとめておられたので、熱いヅカウォッチャーではマッタクない月河も早くからお顔と名前が一致していた数少ないジェンヌさんです。トップハットにタキシードの花組王道ルックがお似合いで印象的だったし、何たって、宝塚ガール諸姉は芸名が強烈ですから。一度覚えると、なかなか忘れません。

こみち書房女主人松坂慶子さんを筆頭に、布美枝(松下奈緒さん)実家の邦子さん役・桂亜沙美さん、女子工員役のミス少年マガジン・菊里ひかりさん、あとヒロインの松下さん自身もそうですが、このドラマは華やかな持ち味の人を、地味作りでよく活かしていると思う。愛華さんも、何年か前の『芋たこなんきん』では、戦争で劇場が閉鎖される前に撮影をと依頼にくる(←違ったかな?)、そのものずばり“少女歌劇団”スター役でしたが、今回は市営住宅住まいで2人の子持ち。旦那の雄一さんも、しげる(向井理さん)が布美枝を伴って帰京した頃は、貸した背広を返してもらい「今度(採用面接を受ける)の会社はしっかりした所だから大丈夫だ」と言ってたような気もするけど、めでたく採用成ったのかどうなのか、風呂なし銭湯代ケチり生活は相変わらずのようで。

出て来るたび湯冷め対策のドテラみたいのを着ている佐知子さん、18日はちょっとおめかし巻き髪にワンピの布美枝さん(←郷里の女友達と久々の待ち合わせで「見栄張ってしまった…」)と出くわして、むぅ!?と一瞬値踏み舐め見してましたね。顔見知りの同性が服装ヘアメイク、バッグに靴、何であれいつもと違うナリをしていると、アタマより先に目が食いつくのがオンナの本能。アップで映る場面じゃないんだけど、顔芸が細かいですよ。

一時、病気治療のためお休みしていたと聞く愛華さん、せっかくお元気に復帰されたのだし、どこかでキレイ作りの場面もワンシーンくらいあるといいですね。元トップ男役さんだけに、身長も公称168センチ。174センチの松下奈緒さんが“やっと並んでもノッポに見えない、先輩女優さんが来た”と胸をなでおろすかも。

いや、それどころじゃないですよね、村井家は。源兵衛お父さん(大杉漣さん)奇襲。万事せっかちな人だから、ミヤコさん(古手川祐子さん)に「布美枝は小さい頃から、親に心配かけまいと我慢する子だったから、ハガキに書いて寄越す通りのいい事ばかりではないかもしれない」と言われて、矢もタテもたまらず上京初日にすっ飛んできたのは娘可愛さの、あくまで善意だったんでしょうな。

漫画家と言っても、いまのようなメジャー媒体が全国津々浦々に、発売翌日には行きわたるような流通システムはないし、ネット検索で評判情報とかもないから、売れっ子なのかそうでもないのか、地方在住のご両親には確かめようがない。

いきなり下宿人中森(中村靖日さん)の唐草風呂敷質屋通い姿に空き巣と勘違いしてもめてるところへ、雄一兄さんの貰い湯訪問。「食いっぷりがええ、戦地からあの身体で帰ってきて、腕一本で稼いどる」と自分から見込んで布美枝にすすめた相手だけに、ここまで貧乏しているとはショックだっただろうなあ。

それでも「カワヤはどこだ!」と行って見て、“カネは無くてもだらしない、心まですさんだ暮らしではない”だけは見とどけ、少し落ち着いて、出直してしげるをまじえ話でも聞いて行こうという気にはなったみたい。1話の冒頭お見合い当日に、「厠はみがいてあ~か?もう一度よっく見ちょけ、家の格はそげなところに出るだからな」と豪語していた源兵衛さんですからね。どんな時でもトイレ掃除をちゃんとする習慣の娘に育てておいてよかったね。これはミヤコさんの功績ですな。登志お祖母ちゃん(野際陽子さん)かな。

この回は戌井(梶原善さん)の、あれよあれよの思いつき企画力にびっくり。①『鬼太郎』単行本新刊の報を聞き駆けつけてくる→②人気ぶりを見ようとこみち書房に寄る→③美智子さんから「ラブレター店頭玉砕以来鬱入っている太一くん(鈴木裕樹さん)を元気づけたくて、水木先生が来るとつい言ってしまった」と相談受ける→④2人でしげる宅を訪問、読者のつどいを提案→⑤でもその日は源兵衛さん再上陸だからダメ→⑥「お父さんにも来てもらい、愛読者に囲まれている姿を見せれば、心証が良くなる、太一くんも喜ぶし宣伝にもなる、一石三鳥」……あれよあれよ。

……この人、本業、漫画家ですよね?いくら惚れ込んで尊敬してるっつっても、しげるの本の宣伝に奔走してる暇があったら、売れる作品の1本も自分で描きゃいいのにねえ。「質より量を求められて、乱作がたたって」なんて言っていたこともあるけど、出てくるたびしげるよりよほどこざっぱりした格好だし、ギリ何か金づるはあるのかな。実家とかかな。

ところで、先週の放送回で布美枝が音松親方(上條恒彦さん)から「結婚してどれくらい?」と訊かれ「まだ1年になりません」と答えていましたから、劇中はまだ結婚した年、昭和36年のはず。

んでもって、17日(月)の回でチヨちゃん(平岩紙さん)の電報“二十二ヒ トウキョウユク”に「明日だ…!」と布美枝があせっていて、何とか髪巻いて一張羅のワンピ(←フレアースカートが長身にお似合い)で見栄張って喫茶店で対応、帰ってきたその今日=22日は暁子お姉ちゃんが「視察旅行の明々後日に寄るってお母さんから電話は来とった」と言っていて、22日から数えての“明々後日”が、土曜半ドンの太一くんが来やすいようにとの美智子さん懇願をいれて戌井がつどいを企画した“土曜日”なら、“?月25日(土)”というカレンダーが想定できます。

そこで昭和36年=1961年のカレンダーを、“万年カレンダー”サイトで調べてみると、25日が土曜日に来る月はひとつだけ。11です。

夏の猛暑の中、しげるが布美枝をアシスタントに、汗を滴らせながら描き通した『墓場鬼太郎』の23巻が店頭に並んだのが秋。富田書房との国交断絶で原稿料未入のまま、音松親方への餞別は布美枝がキツネの小判でひねり出し、しげるは斜陽の貸本出版界を手当たり次第に売り込みに歩いて、やっと深沢(村上弘明さん)に出会い前金をはずんでもらってひと息。「紙もいままでよりいい、ページ数も多い」とご満悦の新刊も出たいま、物語は、結婚した年の11月下旬に入っているのです。

プラス、チヨちゃんと再会→源兵衛来襲→各々の実家への対応のことで“しげふみ”プチ喧嘩→……明けの翌日23日は、勤労感謝の日=戦前の新嘗祭で国民の祝日です。昭和36年当時はいまの半分くらいの日数しか無かった国民の祝日。美智子さんのこみち書房は、「朝10時から夜10時まで、正月以外休みなし」だそうだから、シャッターが下りてることは無かったと思いますが。いや、シャッターなんちゅうもの自体、あの商店街にはまだ無いか。

125日に見合い、良ければ30日に挙式」と、イカルこと絹代お義母さん(竹下景子さん)が日めくりをバンバン叩いて強調していたこのドラマ、今に至るまでちゃんとカレンダー整合性保って進行していますな。よしよし。

…だからどうってこともないですけど、今日はヒマがあったのでちょっこし検証してみました。

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