イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

すばらしき世界

2009-06-21 20:27:03 | CM

日頃、気に入って、もしくは気になってレギュラーチェックしているTV番組、特にドラマは99.9999…%録画再生視聴」という習慣が身について20年近くになるわけですが、これでいいのかなぁ?と思うこともあります。

単純に「TV観過ぎだ」とは考えません。いくら月河とても地球で暮らす以上一日は平等に24時間しかありませんし、その間に睡眠も取らなきゃならない、食事作って食べて食べさせて片付けて入浴もして、その上、困ったことに仕事もしなければなりませんから、TVの録画視聴に割ける時間は限られていて、一定以上の時間・タイトル数は、時空が歪みでもしない限り物理的に観られません。

このブログを始めてからは特にPCと向き合う時間も割り込み式に増えて来ましたし、在宅時間の長いウチの高齢組なんかと比べると、全然TVと疎遠な人間です。特に各種スポーツ中継やニュース報道、最近は少ないのかもしれませんがワイドショー的な情報バラエティ番組などは、週に1回か2回、それも片手間に背中で音声だけ聴くのみです。“TV漬けの人”ではまったくない。

これでいいのかなぁと思うのは、選んで観る放送番組が“放送されてそれっきり”の一期一会でなく、もう一度あの場面を見たい、あそこで誰某が言った台詞をもう一度聴きたいと思ったとき何度でもリピートできるのが当たり前の環境だと、“一度っきり”を捉えて反応し記憶する“視聴瞬発力”みたいなものが減衰するんじゃないかという危惧なんです。

先日、TVBros誌上の広告で見かけて気になっていたちょうどその折り、「絶対役に立つから」と知人にすすめられて『ザ・テレビ欄 19751990』(テレビ欄研究会編著、TOブックス刊)という本を入手しました。

表題の16ヶ年分、4月期と10月期の各一週間(改編SPが多くイレギュラーになりがちな第1週を避け、第2週を収録するという細かい配慮もあり)合計224日分の、新聞TV欄番組表を縮刷して時系列で並べ、各ページの柱に1番組だけ解説コメントをつけたのみの、シンプルと言えばシンプルな書物です。

オビで大槻ケンヂさんが「ここにあの頃のすべてがある!/ここ以外のどこにある?」ともろ手を上げて賞賛しておられる通り、この本から読めること、わかってくること、わかったら言わず書かずにいられないことどもは十や二十ではすまないので、後日時間をかけてゆっくり付き合っていくとしまして、ことTVに関して“19751990”で個人的に大きな転機だったと思う年は1984年(=昭和59年)。それもたぶん6月のボーナス期だったと思います。

このとき自宅にビデオデッキがやって来ました。おぉ憧れのビデオ。夢のビデオ。

V社製の、“8時間留守録プログラムセットできる”が売りのVHSで音声はモノラル、それも学生時代に生協で買った14インチのTVにつないだものですから、デジタルハイビジョン放送&デジタル録画が当たり前になったいまからすると笑っちゃうくらいうすらぼやけた画質でしたが、とにかくTVが、放送されている時間帯に在宅して、TVの前に座っていなくても視聴できるものになった”ということは大きな、とてつもなく大きな意味があったと思います。

「とにかく試運転を兼ねて、何か留守録してみよう」と、初めてプログラムセットした“処女作”は、当時当地ローカル日本テレビ系で平日午後400台に再放送していた『太陽にほえろ!』で、本放送ではすでに殉職済みのロッキー(木之元亮さん)たちの活躍を土曜の夜再生して「あぁ(録画)できてる、できてる」と喜んだものです。

しかし、“TVは録画で観るもの”が定着したいま、『ザ・テレビ欄』の、844月期以前の“一度っきり時代”の番組表をめくると、結構鮮明に覚えている番組タイトル、ドラマならキャスト名、場面、台詞、主題歌やOPテーマ曲のメロディがあったりするんですよね。

「いま見逃すと、もう二度と見られない、会えない」という緊張感をもってTVと接し、観たい番組、見たいアイドルや俳優さんのためだけに万障繰り合わせてTVの前に座っていたあの頃には、TVというもの自体にいまはない輝き、有り難味があったと思うんです。これは、もう取り返せない輝きかもしれない。

ビデオ以前の、たとえば1982410日(土)午後900、そうだこの頃はテレ朝系『土曜ワイド劇場』に対抗してTBS系『ザ・サスペンス』って枠もあったんだっけ。『陽のあたる場所 ~野望の階段をかけあがる青年の愛と殺意~』主演沢田研二に夏目雅子・森下愛子・世良公則・北村和夫・平田昭彦・佐々木すみ江・杉田かおる……コレ観たくてダッシュで帰宅したのに、実家父母が『松本清張の風の息・事故か!謀略か!三原山もく星号墜落の謎』主演栗原小巻・根津甚八に関根恵子(現・高橋惠子)、中谷一郎・中野誠也…を観てて、ついついこっちに流れたんだっけ。いまなら何のためらいもなく“片方録画”だけどなぁ。

ひょっとしたら、一方をリビングでHDD録画、もう一方を寝室でVTR録画して、カラダは残業か、ビール飲みに行ってるかも(爆)。

月河個人では846月ですが、TVが“観られるときに、何度でも観ればいい”モノになる前と、なった後。

たぶん個々人で、TVの有り難味、視聴印象の鮮明度、そして視聴時の“反応・記憶瞬発力”。かなり違ってきているのではないでしょうか。

…ところで『太陽にほえろ!』と言えば、最近缶コーヒーBOSS”レインボーマウンテンブレンドCMで、ゴリさん(竜雷太さん)、殿下(小野寺昭さん)、テキサス(勝野洋さん)、ロッキーが勢揃いしていますね。主役?のトミー・リー・ジョーンズは相変わらず“宇宙人”で“新米”のようですが。

でもって、“ボス”=亡き石原裕次郎さんに代わりモノマネの石原ゆうたろうさんがブラインドびろーんしているのが何とも。テキサス勝野さんはまだどうにかブリーチジーンズの上下がサマになってますが、お父さん役やお爺ちゃま役でおなじみになってきた皆さんは、特に頭髪の造作が色、形ともに若干大変だったかもね。

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