イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

マツはいないのか

2009-07-28 00:39:53 | CM

昨日(27日)の記事タイトルは、KIRIN“コクの時間”ファンとしては若干毒が過ぎたでしょうかね。いやホント、製品は美味しいんですよ。嗜好品ですから、あくまで好みですけどね。ここ1年ほどで試飲の機会があった発泡酒・新ジャンルの中では、バックスクリーン直撃の満塁ホームランというわけではないけど、“走者一・二塁で右中間抜いて打点1、なお一・三塁”ぐらいの適時性、カタルシスはある作品だと思います。少なくとも、他社の競合品SUNTORY金麦Asahiあじわい(ともに07年発売、現行販売中)くらいには“越冬”サバイバルしてほしいラベルです。

製品“本体”はまったく問題ないのですが、TVCMキャラの内田恭子さんの、全体的に美人さんでお洒落さんではあるのだけれど、ホレ、睫毛マスカラ限定で、どげんかせんといか…いや、あり得な…いや、トゥーマッチにドラスティックであるな、ということを言わんとして、あのタイトルになったのでした。悪気はないかんね。“ホップの真実”も期待してますんで。

 …そこでまぁ全体的にフォローというわけではありませんが、今日は“復刻してほしい、お気にだったビール系飲料”を思い出して挙げてみました。

 ①:まずはKIRIN“ハニーブラウン”2003年春、近場のローソンで初見。結局量販店やドラッグストアでの展開には(少なくとも当地では)なりませんでしたね。純ビールよりナチュラルに“甘”が勝つのが発泡酒の美点でもあり泣きどころでもあるのですが、このラベルは、原料にオレンジの花の蜂蜜を使うという“逆マジック”で、そこをまるっと“フレッシュ”という魅力にしました。純ビールを飲むとどうしてもつまみに塩辛いもの、味の濃いものが欲しくなるのですが、これはそういうことがなく、単体で飲んでも、天ぷらや寿司でない、煮物中心の和食の前に飲んでも美味しいと思えました。パステルというかクレパスで描いたようなパッケージデザインも大好き。ぜひあのデザインのまま復刻を。

 ②:同じくKIRIN“やわらか”。小岩井乳業と提携の乳酸菌を発酵に使い、alc.4.5%とソフトな口あたりを実現したという触れ込みで、こちらは04年の晩秋ぐらいにやはりローソンで初見。この年末はどすんと発熱を伴う風邪を引いて、M1アンタッチャブル優勝や紅白のマツケンサンバを臥せって視聴するような状況だったため、年明け“リハビリ”のようなノリで飲み始めたのですが、いま思えば“発泡酒入門”としてビギナーに勧めたかった。

発泡酒と言えば悪くすれば“ビールまがい”で、風味や芳香に関しては「ビールより薄くて当たり前」と思われがちですが、“ビールにはない、発泡酒だからこそ”の芳香も実は存在するのであって、「ビールは好きだけど、発泡酒なら、たとえ少々安価でもノーサンキュー」という人は、“薄さ”を嫌うのではなく、むしろこの“発泡酒独特の芳香”が、「ビールと似て非なる」がゆえに嫌っていることが多いのですね。

ビールにはない発泡酒独特の芳香とはどんなものかというと、良くも悪しくも“青臭い”んですね、発泡酒って。ホップ由来の香ばしさ単体とは、ちょっと違う。ビールの古典的なホップ香が“果実っぽい”としたら、“草っぽい”香りなんですよ。

これに慣れられないと、「だから所詮発泡酒は…」な人になるし、慣れて「これはこれでいけるね」と思えた向きは、「安くて美味しい、発泡酒ウェルカム」な人になるわけです。

KIRINやわらかは、この“発泡酒独特の草っぽさ”が、商品名通りやわらいでいる。乳酸菌発酵由来のほのかな酸味が青臭さを消す方向に働いているのか、もともと芳香の強くない原料配分なのかはわかりませんが、発泡酒“飲まず嫌い”の人のための“デビュー作”推奨として貴重なラベルだったと思います。09年夏、最近発泡酒市場もめっきり“コク”“本格”志向にシフトしてきているので、いま再発されてもトレンドではないかもしれないけれど、だからこそあえて。

③:SAPPORO WDRY(ダブルドライ)。新ジャンルの中では、いまでもいちばん好きですね。これを上回るラベルに、後にも先にも出会ったことがない。本州では最初からあまり展開されていなかったらしく、来訪した知人に軒並み珍しがられましたが、飲ませると全員好評でした。軽いんだけど、甘くないんですね。新ジャンルにつきものの“泡質”の粗さ、消えやすさもほとんど気にならなかった。出回っていたのは07年夏~冬の、正味半年ちょっとで、SAPPORO“麦とホップ”に新ジャンルの主力を移したため市場から消えてしまいました。このWDRYがひと夏で消えて、“麦とホップ”は2回目の夏を迎えている理由はまったくわかりません。やはりTVCMの出稿数、有名タレントを起用しなかったことが響いたのかしら。“やわらか”の項でも書いた通り、新ジャンルもさっぱりすっきりより、コクやコシや飲みごたえを重視する方向に、市場が08年から完全シフトしたということなんでしょうかね。

④:SAPPORO雫(しずく)〔生〕。これも、発泡酒持ち前の草っぽさおさえめなのが魅力でした。かつ“やわらか”と様変わって、マイルドでありつつほどほどふくよかなコクもありました。やはりなぜ廃番になったのかわからないシリーズですね。宮藤官九郎さんのTVCM起用も新鮮でしたが、せっかく起用するなら、「ただ旨そうに飲んでグラスをしげしげと見つめるだけ」じゃないヤツを脚本演出してもらえばよかったのに。

⑤:アサヒぐびなま。。(←“。”が重複しますが原文ママ、悪しからず)これは月河自身より、非高齢家族が気に入っていました。WDRYではさっぱりし過ぎで、同じ新ジャンル価格ならやや引っかかりのある味のこちらのほうが「買いでがある」と好ましかった様子。月河もWDRYが消えた08年春以降は新ジャンル内のネクストベストとして結構贔屓にしていました。マンガチックで脱力なデザインロゴが最後まで疑問だったけど、飽きない味であることは確かです。

ちなみにAsahiは発泡酒・新ジャンルで、どっかり重厚長大風味な“本生ゴールド”とか、ゲテモノとしか思えない“新生3(スリー)”など、ほとんど迷走に近い振り幅をさらしていましたが、爽快さ・さっぱり感こっくり飲みごたえ感、あと価格志向≒お手軽飲みやすさという三角関数を、いちばん深く考え抜いて(or考え過ぎて)いるメーカーさんなのかもしれません。

……ここらへんのラベルが復刻したら、6缶パックひとつずつ買って、一晩ずつ“ローテ飲み”してみたいですね。「なぜ廃番になったか」に思いめぐらしつつ。発泡酒新ジャンル、やはり流行りもの廃りものだから消長が激しいのは仕方がないか。

(商品によっては公式サイトが削除されているので、発売前の広報記事など、極力、商品概要とコンセプト、あとパッケージ画像のあるところを探してリンクを貼りましたがこれもご容赦を)

さてNHK『つばさ』に、紀菜子叔母さん(斉藤由貴さん)の夫として、長瀞川下り船漕手の富司(山下真司さん)登場。山下さんの“アナクロ暑苦し筋肉バカ男”キャラのセルフパロディは、もう堂に入っていますな。しかも“トミー”ってあなた。

こういう方向性の芝居って、志が高くない分、役者さんにはラクちんかしら。照れてやりにくいかな。でも自分の中に“得意キャラ”があるってのは役者として幸せだと思うのです。山下さん、だいぶ額が広くなった(よって顔面積が縦に長くなった)けどまだ向こう5年ぐらいはどこへ行っても「『スクール・ウォーズ』の泣き虫先生、好きでした」と言われ続けられそう。『太陽にほえろ!』のスニーカーは“殉職しなかった”分印象が薄くて終わったけど、それもかえって幸いしましたね。

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