イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

エビーナ

2011-01-23 14:23:17 | 昼ドラマ

『さくら心中』3週めの先週(第9話~)から、ストーリー・演出ともにちょっと活気が出てきた感じです。金貸しの息子雄一(シャカ大熊啓誉さん)への身売り同然嫁入りを強いられた妹・桜子(笛木優子さん)に「ウチにいまあるだけのカネを集めた、コレ持って比呂人くんと逃げろ」と押しつける勝(松田賢二さん)、100万円の札束、何ゆえ新聞紙に包むか。しかもわざとガサガサヘタクソに包むし。誘拐の身代金偽装受け渡しじゃないんだから、せめて茶封筒ぐらいないのかと。商家だろうに。

こういう、細けえところにツッコみの糸口乱れ打ちになってきたら、昼帯、ノッてきたなと思わせますね。

 血縁のない妹への、肉欲含みの思いを曝け出しながら隠してもいる矛盾だらけの勝のキャラもおもしろいし、ウブなようでどこか押し付けがましくしゃあしゃあと“善人のイヤらしさ”満開の桜子親友・沙也香(須藤温子さん)も時限爆弾キャラ。ここへ来て桜子自身の、打算とすら言えない無茶ゴリを押し通す、可哀想なんて到底思えない、食えない女ぶりもだんだん明らかになってきました。

 こうなると、ひたすらカネカネあるのみの櫛山夫妻(神保悟志さん大島蓉子さん)と、ひたすら桜子とやりたいひと筋の雄一、ドラマ的には“野卑で下品でエゴくて悪役”ポジションの人々のほうが、ずっと微笑ましく、見守ってて楽しい、ある意味わかりやすく善良な人物たちのように思われてくるから不思議です。

番組公式サイトトップは、ご覧のようにあえかにロマンティックな官能的なヴィジュになっていますが、とにもかくにも中島丈博さん作。胸かきむしられるような切ない悲恋純愛話なんか期待しても無駄なんで、今後も大っぴらあけすけガハハな、カリカチュールなやりとりの中から、人間存在、男女の本質的な可笑しさ滑稽さ、ペーソスが幾許か掬い取れればそれで良しでしょうね。このドラマで、トップ画像に似つかわしい、ロマンティストで儚く耽美的、パセティックな人間性の持ち主だったのは、2週め途中で退場した郁造さん(村井国夫さん)だけだったような気がします。

そう言えば、昼帯ウォッチャーとしては瞠目の芸能ニュースが、今日は飛び込んできましたなあ。2007『金色の翼』での、得体がしれないながらもどこか可憐でイタげなファムファタール役が印象的だった国分佐智子さん、落語家の林家三平さんとご結婚だそうです。三平さん、まだ“いっ平”さんと言いそうになってしまいますが、もう兄上がこぶ平改め正蔵さんですしね。

三平さんがうっかり八兵衛としてレギュラー出演中の『水戸黄門』に、国分さんがゲストインしたのが交際のきっかけだったとか。ツヤツヤ童顔でいまだにパシリキャラがお似合いの三平さんも気がつけば四十路、大勢のお弟子さんを抱える一門の重鎮です。月河はあまり斯界の状況は詳しくないのですが、真打になられる頃は「(比較的マジメで考え込み性な)(←つまり、笑えない)お兄ちゃんよりも芸風が明るく悠揚迫らざるところがあり、先代(=お父上)三平さんの個性を継いでいる」との評も耳にしました。

そんな三平さんを支えるべく、国分さんは結婚後は芸能活動を引退して噺家の妻に専念されるとのことです。あの美貌がもうドラマ映像作品で観られないのは惜しい気もしますが、今年のお誕生日を迎えて35歳、女優として、『金翼』での怪しい存在感、風のように香気のように滲み出るオーラを超える作品・役柄に、今後出会えるかどうかを考えると、賢明な選択のような気も。

戦争体験のヌシみたいなお姑さんのほか、微妙にコワい小姑お義姉さんたちが2人もいる、一筋縄でいかなそうな一族に嫁がれるわけだけど、まあ頑張って幸せ掴んじゃってください。披露宴には『金翼』監督スタッフさんや共演者の皆さんも出席されるかしら。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする