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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

あのガキ面白かヤツばい

2007-11-28 20:25:14 | アニメ・コミック・ゲーム

テレビ朝日系スペシャルドラマ『点と線』(112425日二夜連続)。第一部2時間21分、後編2時間24分、合計…えーっと…5時間弱か。ふぅー。

通して見られるわけはないと初めからわかっていたので、ぎっちり録画しておきましたが、途中CM早送りしても、これだけのヴォリュームを再生して最後まで観るのはえらい体力が要ります。

しかも、普通の長時間ドラマのように、家で何かやりながらBGMのように流しておけるたぐいの作品ではない。

たとえば『何野誰兵衛の事件簿』というタイトルだったら、その何野誰兵衛さん役の次に重い役と言ったら犯人役しかありませんから、何野役の次か同等の有名どころ俳優さんが出ていれば、序盤でどんなに善良そうに描かれたキャラでも、たいていそれが犯人です。

ところがこの『点と線』では、それクラスの俳優さんが何でもなさげなワンシーンに続々出てくる。

心中とみられた現場検証に駆けつける検死医が金田明夫さんだったり、女のほうが働く小料理屋同僚女中が筒井真理子さんだったり、男のほうの兄が中島久之さんだったり、あと、ビートたけしさん扮する所轄署の老刑事と、高橋克典さんの本庁捜査二課から来た若手刑事がいろんなところを聞きこみに回るのですが、男の泊まった旅館の番頭、部屋付きの女中、目撃した八百屋のオヤジ、通行人、国鉄の車掌…みんな“二時間ドラマ犯人役相当”クラスの俳優さんばかりです。

そもそも冒頭でいきなり死体になっている男女が大浦龍宇一さんと原沙知絵さんですから、原作をまったく知らずに、単なる豪華な事件もの長時間ドラマとして観はじめた人なら、そこらじゅう犯人っぽい人物だらけで目が回ったかもしれません。

『点と線』と言えば、小学校時代実家父の本棚から勝手に持ち出して読んだ松本清張さんのカッパ・ブックスの中にありました。

“東京駅13番→15番ホームの4分間”や航空機移動によるアリバイ偽装などの謎解きの眼目は、うろ覚えながらもう古典なのでさしたるスリルはなく、清張的社会派推理の例に漏れず“小悪は滅びても巨悪はビクともしない”後味悪い転結のストーリーとあって、痛快さやカタルシスにも欠けるのですが、TVドラマ久々のビートたけしさんを主演に担ぎ出しただけのことはあり、全体が鳥飼重太郎という老刑事を“宿命の女型ヒロイン”、もしくはジェラール・フィリップ辺りの演じる“女蕩しの天才”的な位置に想定した一種の恋愛ドラマのようにも読めるのが愉快でした。

鳥飼の発する強烈なオーラがまず本庁から来た三原の琴線に触れ、東京では汚職捜査に行き詰まりかけていた二課係長(橋爪功さん)以下の捜査員たちを、最初は戸惑わせ振り回しながらみるみるうちに火を点け、次々“陥落”させ、課長(名高達郎さん)までも味方にし、聞き込みに歩く先々で市井の人々に「この人には本当のことを言ったほうがよさそう、言わなければ」という気持ちにさせていく。

帰京する三原を見送りに同行と見せかけて、ちゃっかり上司の田中係長(小林稔侍さん)をホームに残し、上り列車に同乗して去ってしまう場面は、なんだか“駆け落ち”のようで、30年近く前芸能マスコミを騒がせたアイドル・木之内みどりさんと作曲家後藤次利さんの恋の逃避行騒動を思い出しました(奇しくも木之内さんの現在のご主人竹中直人さんも高級官僚役でご出演)。

署を無断欠勤のまま連絡も寄越さない鳥飼に業を煮やして上京、二課まで田中が“身柄引き取り”に駆けつける場面は“本妻登場”みたい。

しかも鳥飼の“陥落させた戦果”である二課員たちが口々に「鳥飼さんお世話になりました」「ご苦労様でした」「また飲みましょう」と最敬礼する。“本妻”上司の稔侍さん、たじたじやら怪訝やら。

中でいちばん鳥飼との協働時間が長く、いちばん深く彼に心服してもいる三原だけが敬礼せず、一堂にひとり直立不動のまま。これは恋愛ドラマにおきかえたら鳥肌が立つ別離シーンでしょう。

50年後の後日談として鳥飼の義娘つや子(池内淳子さん)から語られる、三原の後を追って雨の中を探し回る鳥飼の姿も悲恋ドラマチックでした。事件捜査と犯人逮捕という目標に向かってひととき熱く心を重ね合わせながら宿望果たせず(実行犯は逮捕前に自殺、政官界背後関係への手がかり途絶)、その志の高さと失意の大きさゆえについに胸襟を開ききれないまま別れた二人の男。

このドラマは、推理ドラマ、警察ドラマである以前に、超人的な戦闘能力や必殺兵器は持たない代わり人間の精神を動かす内的エネルギーを湛えた、鳥飼刑事という特異な男が主人公の“孤高のヒーロー”ものでもあるのです。

そのエネルギーの源泉は、日中戦争勃発からずっと大陸で旧日本軍の一兵卒として戦い、何度も死線を彷徨い戦友の屍を乗り越えて来た世代独特の、暗くたくましい雑草魂、地を這う虫の魂です。彼を衝き動かすのは劇的に輝かしくカッコいい社会正義感などではなく、どんな時代、どんな境遇でも生きたい、死にたくないと熱望する人間の性への悲しい共感でしょう。ここらは清張の昭和30年代作品、その内包する世界観をうまく翻案したと言える。

ビートたけしさんのぶっきらぼうで抑揚の乏しい台詞回し、例の事故以降幸か不幸か固着してしまった顔パーツの不均衡と無表情が、そういう時代を生き延びた男のキャラにナイスマッチ。

押しかけて泊まり込んだ本庁の仮眠部屋で洗濯物を干しつつ、三原相手に大陸での亡き妻とのなれそめを語りながら、照れてだんだんカン高かすれ声になっていく場面は、かつての『オールナイトニッポン』や『北野ファンクラブ』での露悪トークそのもの。妻が元は上海のダンサーでタンゴが得意で、一緒に踊るといつも足を踏み「バカ!」と怒られた…なんて昔話のくだりでは、「カミさんがフラメンコ習い出しちゃってヨ」と高田文夫さんにぼやいていた頃を思い出させました。

その妻の連れ子で、妻子持ち男と恋愛するなど情熱的な面もしっかり受け継いでいるという設定のつや子娘時代・内山理名さんも、決して上品ではないが実(じつ)のある、生活力に満ちた庶民の娘らしく魅力的でした。職業は地元の百貨店のエレベーターガール。当時は少女たちの憧れのお仕事だったはず。一日前に放送されたNHK『海峡』の長谷川京子さんとは別の意味で、内山さんも畳・縁側・卓袱台の昭和ワールドのほうが味が出る女優さんで、この時代背景だからこそ百貨店の花という設定に違和感がないのだと思う。

最近はもっぱら『只野仁』で永井大さんを子分にアニキ気取りを極めている高橋克典さんも、意外に昭和前期の七三オールバックが似合うし、思い返せば97年の『沙粧妙子 帰還の挨拶』が嵌まっていたように“強烈はみ出し主人公を補佐し、ときにブレーキかける、青臭いが常識と忠誠心ある後輩・手下格”の似合う人だと思う。

第二部で鳥飼と三原が、主犯と思われる安田(柳葉敏郎さん)の鉄壁のアリバイを崩しあぐね思案する海岸で、下校の子供たちの遊ぶ紙飛行機を見てどちらからともなく「…?」「…!」とアイコンタクト、航空会社目指して走り出す場面が最高でした。砂に足をとられてよろめきそうになる鳥飼を気遣って振り向きながら足は駆けやめない三原。

なんだか二日違いで見たせいか、『海峡』最終回ラストシーンの朋子と俊仁「もう夢に出てこないで」「わかりました」の阿吽を思い出しました。

“闘う男同士、志の方向性が噛み合い琴瑟相和した極致は(結婚や性関係などの実利を求めない分)純愛に似る”という図式。日曜朝の東映ヒーロータイムとどこか似ています。

そう言えば三原と鳥飼の“喧嘩するほど仲がいい”的突発乱闘を止めに入って殴られる二課のメンバー役で、かつてのシャンゼリオン王蛇・萩野崇さんの顔も見えましたね。


人をパンみたいに

2007-11-19 15:51:03 | アニメ・コミック・ゲーム

大幅に出遅れてしまいましたが、119日放送の『爆笑オンエアバトル』ももう一度振り返っておきましょう。

月河が同番組レギュラー視聴復帰して以来、いちばんオンエア回数観ているんじゃないかと思う、ここのところ抜群の安定感を誇るハマカーン509kbを筆頭に、25位はすべて400台。一応、粒揃いだったと言えるかもしれない。

ハマカーンの好調は、ネタ質のアベレージはそこそこでも、何より浜谷・神田2人いることで、その関係性が醸し出す空気”が客にわかってきていることが大きいと思う。

流れ星や三拍子同様“悪友コンビ”っぽいんだけど、たとえば神田は教室で、ウケよう面白がられようと思って、前日からいろいろ考えてネタ仕込んで来ちゃうようなタイプ。なんなら視力いいのにダテメガネかけてきたりして(実生活はどうかわかりませんが、“ダテ感”の強いメガネだと思う)。

ところが休み時間に自身満々でそれを繰り出すと、なぜか食いつきいまいちで、大したことやってなくてへらへらしてるだけの浜谷のほうが持って行っちゃうんだな。「あれーなんでだろう?オレのが面白いはずなのに…そっか、アイツと組んじゃえばいいんだ」と、神田から「なーオマエさぁ」と持ちかけて、浜谷は「コンビ?いっけど?」と半笑いでそれに乗ってるみたいな空気がどんなネタやっても漂っている。

神田は微量ひそかに必死、浜谷は半分へらへら。お客さんが、彼らのネタの背景にある関係性のパラダイムをわかってきてくれているので、笑い所がつかみやすい。

この回の修学旅行ネタも、得意の“男子校→女子校”をしっかり入れ、「日本人の礼儀」を「京都の流儀」へエスカレートさせ、“清水寺”を1回振って回収するなど実に遺漏なくまとめてあった。チャンピオン大会への勢力図とは別に、現時点でのアベレージ上位組の中で、2人の(観客から見ての)関係性が鮮明な分、オンバトを出てバラエティのコーナーMCやクイズ、パネラーなどで、特に東京発の番組ではいちばん使いでのある組でしょう。

神田愛花アナとのネタ後トークのオンエア率が高いのにもよく表れている。ネタ演らなくても、2人いるだけでなんかおもしろいことになりそうな予感がある。ピンではないコンビの芸人として、これは貴重です。

よく学校ネタ、子供時代ネタやるけど、2人とも三拍子やトータルテンボス、流れ星ら、ほかの“悪友調”コンビとは明らかに毛色の違う“坊ちゃん学校出”っぽいのも強みです。

2481kb超新塾は、今回初めてタイガー以外の3人がグラサンを外しました。コブラの嘆きに他メンバーが乗る、いつもの振りでいつもの流れなんだけど、最初の医者ネタから次のセコンドネタに入る流れが近来になくスムーズだったのと、クロージング寸前の椅子取りゲームでガツンと上げることができた分の高得点だと思う。それこそデカレンジャーじゃないけど、まさに“5人”というアタマカズをまるごと強みに変換した見事な締めでした。

しかし月河はネタ本編より、冒頭のオンエア名乗りで、さくらんぼブービーの後ろでテレ笑顔ガッツポーズで見切れていたドラゴンに笑ったな。グラサンオフの件も含め、なんとなく“俺らの定番”からもぞもぞ蠢いて弾け出す胎動感も今回はそこはかとなくあり、次オンエアへの期待をつないでくれました。

3449kbBコースも、マンネリっちゃマンネリの昭和ドタバタ。もうカマネタもあんまり何とも感じなくなった自分が怖い。クチ三味線の『クシコスの郵便馬車』が懐かしかった。確かに運動会なんかではあの曲定番でしたね。アクションや黄のハブの顔芸・奇声に頼らない、台詞で積み上げ盛り上げる系のネタも見てみたい。

久々挑戦さくらんぼブービー405kb4位。「カジくーん」で始まり「カジくーん」で締めるショートコントつなぎで、ラフ&ワイルドな芸風をきれいにまとめましたが、一部にとても高評価なわりに、この人たち“汲めども尽きぬ才気と着想”よりは、その場その場の“焼き畑農法”に見えるんだなぁ。

「こんなのがいつまで(飽きられずに)続くか」つながりで言えば、「カッキーン」武勇伝を引っさげて『笑いの金メダル』『エンタの神様』辺りに来た頃のオリエンタルラジオのほうが、調子に乗りまくった勢いの分、まだしも“底つき感”が少なかった。

405kb。オンバトでよくここまで取ったなとさえ思える。こういう芸風の笑いは、ワイルドだシュールだ型に嵌まらないのが魅力だって言われてる山だし骨太のうちに、ある程度型に嵌めとく努力も必要かもしれない。ここまで底が割れてからやおら洗練の方向に向かっても痩せるだけのような気も。難しいところに来てしまいました。

ギリ400台で5ななめ45°401kb。設定はとてもユニークだったのに、“マラソン優勝者より先に完走ゴールしちゃった追っかけと警備員”といういちばんの笑わせ眼目が中盤で明らかになってしまう構成で、あらかた損した感。出だしで設定を呑み込ませるまでにだいぶ時間を消費したし、「オマエらのせいでオリンピック怪しいんだかんな」「オマエらどんだけ元気あんですかー!?」などのくすぐりがぜんぶ“理由のわかった後なぞり”になってしまった。そこんとこが最後にわかるような書き方にできなかったものかな。

この回はオフエアの6エンジョイワ→クス349kbだけが300台で、710位は全組200台。エンジョイはホスト風セミショートだったツッコミが刈り上げに野球帽で、ネタ順抽籤時も敗者コメントでも明らかに本調子でない顔色。「本物ではないな」オーラを会場審査員も感じたのでしょう。

今回に限って特に惜しい、もったいない、是が非でも見たかったと思われる組はオフの中にはいませんでした。ある意味後味のいい回でもあった。

チャンピオン大会目標の組はそろそろ追い込み。頑張ってください。


早く人間になりたぁい

2007-11-15 17:11:16 | アニメ・コミック・ゲーム

先日来、自分も含め家族が交代で寝込んだり、それぞれ家から別方向の病院に駆け込んだり付き添ったりで頭がトチ狂っているところへ、前任者がしくじったため締め切りが切迫した仕事を「騙されたと思ってやってみてくれる?」とゆるーく持ち込まれて、トチ狂いついでに「あは(脱力)」と引き受けてしまったため、ここ数日入浴はおろか(まぁ熱が37℃台後半からビクともしないのでそもそも無理だという噂もありますが)、洗顔も髪のしばき上げもままならず“女捨ててる”を通り越して、すでに人間としてさえどうなんだという領域に踏み込みつつあります。

そんな中でも毎日のようにドサドサ届く郵便物の中に海外コスメ個人輸入カタログなんかを見つけると、「ジャン=ポール・ゴルチエの“フラジャイル”のキンキララメラメボトルがいいな、宅配便みたいなロゴもいいかも」「いややっぱりエルメスオレンジのボックスにスカーフ柄の24フォーブル”は風格あるし」「エルメスと言えばオーデメルヴェイユのプラネタリウム型ボトルも一個は欲しいな」等と買えもしないのに妄想する妄想する。

人間じゃなくなってるくせにな。

ささやかな楽しみは再放送『真夏の薔薇』の録画。

OPはこちらは主演俳優さんらキャスト顔出しなしタイプですが、タイトルにもなっているオレンジピンクの薔薇の花のアップから、『ジゼル』風のロマンティック・チュチュで踊るバレリーナさんの背格好、お顔立ちが、一瞬ヒロイン役の安永亜衣さん?とも見えるナイスフィーチャー。

月河の小学生坊主時代の『少女フレンド』や『なかよし』『りぼん』などには、よくこういうチュチュを着てポーズをとった森下洋子さんらのグラビアが載っていたものです。薔薇にバレリーナ。月河もこのOPで、低レベルなりにちょっとは血中オンナノコ濃度上がって本編へ。

安永さん(本放送96年当時27歳)扮するヒロイン川嶋碧は総合病院に勤める薬剤師で、清らか、清純というより“優等生”“正論ちゃん”

同じ病院の東大卒エリート医師と結婚前提で交際が続いていながら、ともすれば「靖顕さん(入江達也さん)のご実家は老舗の百貨店を経営している資産家なのよ」「若い娘らしく綺麗にして愛想をつかされないようにしなくちゃ」と“条件”“玉の輿”を強調する母親に反発、神社の境内で偶然出会った別の若手医師とこれまた偶然職場で再会すると、内線電話で堂々と「2人きりでお話したい」、相手が元・婚約者を自分の車運転ミスで死なせてしまった過去を打ち明けると自分からキスに誘うなど、「おいおい」という危なっかしいヒロインではありますが、水商売を営む母が自分の幼い頃父と離婚、長く“オンナ”を商売道具に、日陰の泥水をいとわず飲んで自分を育ててきた母や家庭環境への、通奏低音のような重荷感・嫌悪感からそういう行動をとるのだな、という説得力がちゃんとある。

「自分のやっていることは間違いではない」「お母さんのような打算がないんだから汚れていない、恥ずかしくない」という彼女なりの自信と誇りがそうさせるのでしょう。

「もうちょっと“汚し”入れて生きないと、自他ともに傷つけるよ?どうなのよミドリちゃん」と視聴者を無理なく“人生のお姉さん”気分にさせます。

碧の母親・郁子は碧が3歳のときに離婚していますが、俳優・火室とかつて愛人関係にあり、子を身ごもって、認知や入籍を求めるでもなく、「私たちの愛の結晶がこのお腹の中にいる、そのことだけは忘れないで」と言い置いて大人の別れをしています。

すでに妻子のあった火室は、ゴシップを避けて郁子をあきらめ、慰謝料や、かつては貧乏くさい小料理屋だった郁子の店をお座敷つきの割烹にする資金援助だけをひそかにしてきた様子。いまやシェイクスピア劇の座長もつとめる大御所。萌子との間の息子・稲彦は外科医になっていますが、実は稲彦こそが碧の“運命の人”なのです。

碧は稲彦に「小学校の頃、家にあった古い手紙の住所を頼りに父を訪ねて行ったら、優しくしてはくれたけど、“私はおまえの本当の父親じゃないんだ”と言われた」という打ち明け話もしており、中島丈博さん脚本作だけに、碧と稲彦は異母兄妹?禁断の恋?疑惑も4話にして立っています。

郁子役・姿晴香さんの、はかなげな中にも時に鉄面皮なくらいしたたかな愛人体質っぷりとか、火室役・小野寺昭さんの、微調整すっ飛ばしたあけすけ過ぎる増毛っぷり(もともと小さくはない顔幅と、前髪の厚みがほぼ等しい)に、設定二十数年前の郁子妊娠告白シーンでのレイバングラス+ケミカルGジャン爆笑もんの若手二枚目俳優姿、もちろんワンシーン濡れ場のサービスなんかもあり。

このお2人はこの作品から9年後の05年『危険な関係』でも、“昔いわくあり”な大人の男女を演じておられました。

火室との事情を知る郁子母・巴役鳳八千代さんの、色街の汁なら娘よりたっぷり吸ってますよという空気をまといながら、堅気に潔癖に生きる孫娘・碧を「おまえは(郁子がしつこくすすめる化粧や結髪をしなくても)素直でまじめな、とっても素敵な娘だよ」と敬意をこめて褒めてやる懐の深さもいい感じ。郁子役の姿さんとタカラジェンヌOGコンビというハーモニーも好結果を生んでいますが、やはり鳳さんは『風の行方』の熟年離婚主婦や『レッド』の貧乏家お祖母ちゃんより、こういう婀娜っぽいクロウトっぽい役で昼ドラワールドを彩って欲しいなぁ。

稲彦役の池田政典さんと、恋敵となる冒頭時点での婚約者・靖顕役入江さんが、男前度において“中程度”でバランスしているのも実に何というか。これ、どっちかが超美男でもう一方がわかりやすいブサだったり、いっそ両方高水準で甲乙つけがたかったりしたら、むしろ成立し辛い物語なのです。

碧たちの働く病院の、詮索好きで意地悪な看護婦(←ドラマでのこういうキャラには、やっぱ“師”より“婦”でしょう)役で『女優・杏子』のライバル女優マネージャー役でもあった野村ちこさんの顔も見えます。

病院が舞台、ヒロインが薬剤師、相手役が外科医、しかも脚本が『牡丹と薔薇』の中島丈博さん…と揃うと、やはり臓器移植の話が今後からんでくるのかな。

出生の問題をめぐって、当然血液型やDNA判定も話題に出そう。

…あれ?こないだあきらめたばかりの『愛の迷宮』とあんまり変わらんじゃないか。


ジャッジメント決めるぜ

2007-11-12 20:14:03 | アニメ・コミック・ゲーム

TV放送の全面デジタル移行も近いことだし、もう場所をとるVTRは撮り貯めしない方向でいこうと決め、ここ2年ほどは新品のテープを買っていません。

だから録画して後から観たい番組は、古いテープの“空き部分”“上書き消去可部分”をサーチして、録りたい番組に足りるか時間を測ってセットしています。

昨日そのサーチ作業をやっていたら、05年の『特捜戦隊デカレンジャー』最終話に突き当たり、サーチをしばし忘れて見入ってしまいました。

こうなると、押入れの整理していてアルバム開いちゃったようなもの。当初の作業なんか秒速で忘れます。

CM前の「頼んだぞ、相棒!」「…?…この野郎!相棒って言うな!」……何度観てもここで泣けてしまう。

“このコたち”を1年間見てきて本当によかった…と心から思えて、CMの間ウルウル目を家族に見られるのが恥ずかしかったあの日が、昨日のことのよう。

戦隊ヒーローものであると同時にれっきとした刑事ドラマ、警察ドラマでもあった作品。ラスト2~3週は、最終話で誰かが殉職して、苦いハッピーエンドになるんじゃないかしら…と考え出すといろんなことが手につかなくもなりました。

やっぱり魅力あるTVドラマの要諦は“次回が待ち遠しい”“最終話どうなるか、どうなってほしいか、考え出すと止まらない”、これに尽きますね。

これさえ備えていれば、あとリアリティがどうのメッセージ性がどうの、贔屓の役者さんが出ているとか、原作・原作者の知名度や好き嫌い、セットやロケや衣装にカネがかかっているかかっていないなんてのはゴミクズの様な問題だと思う。

『デカレン』を久々観て決心がつきました。『愛の迷宮』はもう録画やめた。

テープの空きが惜しいからじゃなく、自分はもうこのドラマに“次回が待ち遠しい”と思える要素を見つけられません。

夜、OPCM込みで26分ならよっしゃ!いま巻き戻して観れるな、という細切れの自由時間ができても、いそいそとリモコンに手が伸びない。巻き戻すのも観るのも面倒くさいのです。

そう思わせてしまう主因が、筋立ての古くささ重ったるさなのか、演出やキャラ立ての粗さなのか、俳優さんたちの演技の味の無さなのかはわかりません。

煎じ詰めればひと言“次回が待ち遠しく思えない”これが脚本、演出、キャスト、すべてをどうでもよくし、吹っ飛ばす破壊力でした。

月河がすべて留守録再生“わざわざ”視聴だからそう思えるのかもしれない。リアルタイムで連続観られる環境だったら、特に惹き付けられもしないまま惰性でゆるーく嵌まれたかもしれません。専らそういう視聴者向けに作られているなら、むしろ成功作かも。

というわけで目下録画続行中はめでたく再放送『真夏の薔薇』だけになりました。

これはいいです。汁気たっぷりです。今日第2話。汁が滴る滴る。ここで書く機会も相当ありそうです。


バナナチェアーに西瓜テーブル

2007-10-29 20:58:56 | アニメ・コミック・ゲーム

5週に入った『愛の迷宮』、先週18話から子供たちが20代に成長した第三部に入って、2人の成人息子の母となった可奈子(高橋かおりさん)が髪型から何から一・二部の昭和40年代篇より若く見えるとか、光男(保阪尚希さん)に至っては眼鏡で無理矢理老けさしてるだけで依然アタマ茶髪でツンツンで、息子2人(阿部進之介さん・河合龍之介さん)と会議室で3ショットになった19話の会議室シーンなど、ほとんど『新春スターかくし芸大会』のコントドラマみたいだとか、まぁいろいろ「つつつっ」と顔を被いたくなる難題は抱えています。

そういう視聴上の難題をエイッと跳び越える“想像力のエクササイズ”を含めて昼帯視聴の味なわけでね。この方面ではさほど心配はしていません。

脱線ですが、その伝で行くと、やはり光男父・光吉役の横内正さんは“老け”の見せ方に一日も二日もの長がありますね。第三部では会長に退いており、18話で光男の社長室に入ってくる1シーンしかまだ登場がありませんが、14年経過した老けをメイクや白髪ヅラのみに頼らない、歩き方や、話しかけるときの首の振り向け方の速度などでちゃんと表現されていました。

気がかりなのは、光男が祐子をレイプして孕ませた子(?)・ゆりあ(黒川芽以さん)中心に、“建築設計の才能”をめぐる話が派生していきそうなこと。

本当の父親は誰なのかという出生の問題にもかかわるだけに、飾り扱いで終わるモチーフにはなりそうもない。

しかしドラマで“芸術的才能”、特に絵心系“造形芸術”をモチーフにとると、大体すべることが多いのです。

案の定、19話でゆりあが“建築設計コンクール”(←なんちゅうアバウトなタイトル)に応募した邸宅と庭のパースも、光男が初見で「まるでシロウトだな」と切って捨てたのがむしろ当然に思える、映った途端「ぷっはーっ」と来る噴飯ものでした。

小学生拓真(石井千也くん)と小学生ゆりあ(兼尾瑞穂さん)が「絵が上手なのね」「できたっ」なんつって夢の家の絵を描いてプレゼントしたりしてるうちはまだよかった。才能ったって子供の話、子供の絵ですからね。

小学生ゆりあ担当の兼尾瑞穂ちゃんは、台詞言いは硬めだったけど、スケッチブックを抱えて歩く姿が絵になっていた。スケッチブックって、意外に似合う/似合わないが分かれるアイテムです。

黒川さんの成人ゆりあは、元気いっぱいで健康的で前向きでかわいいけど、スケッチブックが似合うための条件である“はかなさ”“内省”の翳りがないのです。

もうひとつこのドラマで気になるのは“組織”“企業”の扱いが、悲しくなるほど杜撰なこと。

今日、ゆりあが意を決して小学生時代の王子様を求め本社を訪ねて行くシーンでビル前の看板“株式会社 鮎川コンツェルン”

いくらなんでもアバウト過ぎだろう。カルテル・トラスト・コンツェルンって、中学校の社会科ですら習ったよ。多業種の企業の複合体をコンツェルンって言うんでしょうが。中核は何より金融、銀行業のはず。

この“コンツェルン”、いままで“建物を建てる”以外の業務の話題が匂わされたことさえありません。

19話で、ゆりあがルームシェアの高校時代からの女友達・久美子(アラレちゃん眼鏡がお似合い菜葉菜さん)に「このコンクール、鮎川コンツェルンの主催なの」と言うと、久美子が「えッアユカワって、あの大企業の?」とリアクションしたのには、ほとんど崩れました。ダイキギョーって。

設定平成3年。“鮎川”を“松下”か“三井”に読み換えれば成立するか?それにしても“ダイキギョー”はないでしょう。もう、記号的を通り越して、放り投げてる感じ。この場面の流れなら久美子にせめて「あの大手建設会社のグループ?」ぐらい言わせられなかったものか。

“身分違い”“セレブ”感を出すためこその設定であるはず。ゆりあを建築家志望に描くなら、“大手ゼネコン”でよかったんじゃないかと思うんですが“コンツェルン”を冠することで、無理矢理感と漠然感だけがいや増しになってしまった。

いま考えると奥寺“インターナショナル”を名乗らせて、「元・奥寺“商会”だったのを通信事業、IT、ナノテクなど、“いま流行り”の業種に次々拡大している」というサイドストーリーを付け、三代目ボンボン社長のアホ感バブリー感を醸し出すことに成功していた『金色の翼』は言葉のセンス、ネーミングセンスにおいて格段の差があったなと思います。

ちょっと嬉しかったのは、その鮎川コンツェルンの本社ビル仰角全景が、03『仮面ライダー555のスマートブレイン社にも、同年『共犯者』(日本テレビ系、浅野温子さん・三上博史さん)のGSカード本社にも見えたこと。

撮影協力のクレジットで確認しようにも、両方とも録画保存してないんですよ。無念。

まぁ、確認したからどうかなるってもんでもないんですけどね。