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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

売れそな気がします

2009-04-10 21:52:13 | CM

昨日NHK『つばさ』のことを書きついでに前番組『だんだん』にも触れようと思い、公式サイトを参照すべく、登録してあったブックマークをクリックしたら、URLがまったく同じ“…asadora”のまま、そっくり『つばさ』公式になっていてびっくり。女房と思ってべッド入ったら愛人がいた、ぐらいの驚きです。

なんだこの喩え。

…とにかくこの枠のドラマ、新しくなると、URLはそのまま中身が入れ替わっているらしい。枠ごと無くする、移動するなんてことは想定に入れていないんですね。NHK教育や、総合でも深夜なんかは続々番組編成が変わっているのですが、さすがNHKと言うべきか、さすが朝ドラというべきか。

で、せっかくなので『つばさ』のキャストページを見たら…こりゃどう考えても高齢家族が興味を持ち直しそうなドラマじゃないなと改めて思いました。あまりにネタ寄り過ぎ。

1週頻出した、つばさの舞い戻り母さん(高畑淳子さん)とお祖母ちゃん(吉行和子さん)との卓袱台はさんだ言い合い、立ち回り、止めるつばさに逃げる弟、オロオロ父さん、家族の周りに出入りする漫画チックな裏社会風一味…という情景、空気感は、ある年代前後の人なら『寺内貫太郎一家』もしくは『ムー一族』辺りの昭和家族・ご近所コメディを想起するはずです。おそらく脚本の戸田山雅司さんを含め、制作陣の主流もその年代なのだと思う。

ただ惜しむらくは、家族の中でのいちばんの強力磁場の持ち主が、頑固一徹親父ではなく母親、それも、女性視聴者には最も受け容れられにくい人物像パターンのひとつである“子を捨て家庭を捨てた母親”に設定されているところがきついですね。2009年の日本ではこうなってしまうのも仕方のないところでしょうが、数少ない女性の“怪優”候補である高畑淳子さんの熱演で、どれだけ取り返せるか。つばさ弟・知秋役の冨浦智嗣さんの、声変わり完了してるのかしてないのか微妙なハイトーンヴォイスが、“すべてにおいて女性重心にならざるを得ない”ドラマ界への圧力をはしなくも表しているようです。

 『エゴイスト』はタイトルの音声ロゴ「…えごいすと。」からして、やはり鑑賞の主眼は川島なお美さんでいいんでしょうね。劇中何度か画面に大写しになった、“西条玲子”名義の母子手帳の交付が昭和599月、子の誕生が605月で、母・玲子“(17歳)”と表紙に記載されていますから、玲子は昭和42年か43年生まれ、ドラマの現在時制がリアル2009年なら41歳か42歳です(ちなみに川島さんは1960年=昭和35年生まれ、今年49歳です)。

 こんなところからも01年の『女優・杏子』からの年月を感じますね。あの頃は“アラフォー”なんて流行語は存在せず、まだ設定36歳と、玲子よりは56歳は若かった香月杏子(荻野目慶子さん)が「いちばん中途半端な年」「老け役ってわけにもいかないし、子持ちの役はイヤだって(杏子さん本人が)言うし」「(TV)局は世代交代で、少しでも若い子を使いたがるし、いまはまだ不倫モノでウケているけれど、主役一本じゃもうきつい」と事務所社長兼マネージャーの孝枝さん(茅島成美さん)に愚痴られていました。

 一方『エゴイスト』の、川島さん扮する玲子はと言えば、マネージャー(蘭香レアさん)にも事務所社長(藤堂新二さん)にも無断で作家に体当たり(←たぶん)売り込みかけて開局記念ドラマの主役取ったり、杏子を髣髴とさせる営業努力は日々怠りないようですが、プライド満々アタクシ上等な現場での振る舞いも、Pも監督も受け入れて言うなりになってくれていて、杏子のように“陰で鼻つまみ”とか、若手に押され気味といった下り坂描写はいまのところありません。

要するに『杏子』からの8年間で、現実のドラマ界が高齢化したのだと思います。『杏子』の01年、“女優36歳、スターの座からの忍び寄る凋落”というのは結構、現実味がありましたが、09年現在、“アラフォー女優がメイン時間帯のドラマで主役オファー”というのも満更ウソっぽくはありません。

小劇団“イノセント・スフィア”の、そのまた若輩の香里(宮地真緒さん)が、見たところ30歳前後の設定と思われる先輩女優・トモ美(一青妙さん)について「もうオバさんなのに、演出家とデキてるからって主役」とブーたれるのも、ちゃんと“ゴマメの歯ぎしり”に見えています。

深読みすればなんとなく、over40が貪欲でパワフルで地位を手放さないために、アタマ数と絶対力量で凌駕しあぐねている20代”という、当節の労働・雇用市場を反映しているととれなくもない。本当に、TVドラマに限った話ではなく、どのジャンルにおいてもマーケティング、商品作り、“本当は若者に興味持ってほしいんだけど、実際おカネ落とす米の飯になるのは4050代”という乖離に悩んでいますからね。

久しぶりにこの枠を毎話録画視聴していると、当方まだアナログVTR視聴だもので、編集できないCMがちょこちょこ目に入ってしまうんですが、お昼仕様のCMまたまた独特なことになっていますな。“タンスにゴン”の新製品“ゴンゴンフレンズ”の♪ウ~サギさんクマさんネコさんよ~ ってあやしげなフレーズ、かなり脳内にループでミゾを刻みますよ。字幕では「カワイクなった」ってあるんだけど、だったら着ぐるみ向きのカワイイ映像カワイイアクション、カワイイBGMにすりゃいいのに、あえてぜんぶアヤシクしてしまったと。向かって左端のピンクのウサギさんが、腰グラインドさせてるつもりで腹グラインドになって、ヨロッてつんのめるところがいいんですよね。

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労咳(ろうがい)

2009-04-08 20:28:48 | CM

春ともなるとTVCMもニューヴァージョンを見かけるようになりましたね。最近おもしろいなと思ったのはMINTIACM。会社の採用面接会場、うすらハゲのおっさんが新卒くんに「志望動機は?」新卒「御社の社風にひかれまして…」おっさん「わかったようなことを言いますね?」…ここでMINTIAを食べると!…新卒「動機なんかネエよ!オマエこそ入るときあったのかよ!」おっさん「たーしかにオレもなんとなく入ったんだっけ!」、2人面接デスク越しに手を取り合い「あーースッキリした!」

…わはは、もし本当にこんなんなるんだったら、逆に危なくてうっかり食べられませんぞMINTIA。こういうご時勢ですから、面接志願者くんに食べさせでもしたらそこらじゅうで「カネのためだよカネ!」言い出しますぜ。

 面接官は面接官で「オマエみたいなゆとりに給料なんか払いたくねえよ!オレの給料が減るんだよ!入りたかったらタダで働け!」か何か言い出すだろうしね。スッキリしないで、腹芸腹芸で固めていったほうがいいこともあるのだ世の中。

ニュースで驚いたのはハリセンボンの細いほう、箕輪はるかさんの肺結核。実は月河の実家母、実家父ともに結核経験者で、特に母は独身時代、まだ結核が国民病として国費で治療できる制度が無かったころに発症したため、治療はかなり困難をきわめたと聞きます。たまたま田舎で、地元一番のお医者さんと母の実家が私的に懇意にしていた縁で、当時は高価で一般的でなかった抗生物質が手に入り、母も若く体力があったことも幸いしてどうにか完治にこぎつけたとのこと。同じ学校の出身者や近隣でも、近い年頃の人が貧しく栄養状態が悪く薬が買えないために、少なくない人数、同じ発病時期で命を落としたそうで、母から「医者にコネがあるばかりに私だけ治って、治らない人の命を踏み台にしたようでつらかった」との述懐も聞きました。

一方、父はもっと年がいって社会人になってからの発病で、すでに保険にも加入していたし結核予防法の対象にはなったものの、とにかく抗生物質の副作用がひどくて参ったらしいです。所謂“ストマイつんぼ”の一歩手前ですね。結核そのものより副作用の視覚聴覚障害のリハビリに時間がかかって短からぬ休職を余儀なくされました。

両親ともそうしたトラウマがあるものだから、月河も幼い時からちょっと風邪が長引いた、咳が続いただけで即病院に連れて行かれX線を撮られていた記憶が。いまは噂の新型肺炎やインフルエンザに比べると、特効薬が確立している分、くみしやすい病気でしょうが、それにしてもあのハリセンはるかちゃんがねぇ。お笑いの人だからってわけじゃなく、深刻な病状じゃないみたいだから安心して書いちゃいますが、体型といい、風貌といい、絵に描いたように肺結核チックな人に、ピンポイントで来てしまったものだよなぁ。続報によると相方のおっきいほう・近藤春菜さんは、“もちろん”と言っていいものかどうか、これまた絵に描いたように非感染だったそうです。

そう言えば先般、東京マラソンに勇躍参加した松村邦洋さんが心筋梗塞で一時心肺停止、って心配なニュースもありましたね。こちらも危機は脱して元気に退院されたようですが、そういうことになりそうな体型、ヴィジュアルの人が、案の定そうなってしまった感はありました。

人並みはずれて細いとか太いとかもセールスポイントのうちというあの業界ですが、考えてみれば本当に皆さんカラダを張って商売しているのですね。度を越した肥満巨体は誰が見ても「デブタレっつったって大丈夫なんか、生活習慣病」と思うけれど、細いほうは、直接生死にかかわると思わないじゃないですか。うちの高齢家族かかりつけの消化器科の先生も「人並みの食欲と、規則的なお通じがあれば、標準より痩せめでも心配はない」「むしろ長生きする」と言ってるし、どうも飽食日本の昨今“太り過ぎ”に比べて“痩せ過ぎ”は危機感を持たれにくい傾向にあると思う。

すごくもりもり食べてバリバリ鍛えてそうだし、もうそう若くもない(35歳)のに肥らないねぇ、さすが体質が骨の髄までアスリートなのかなと思っていたイチロー選手が実は胃潰瘍だった…ってのもありました。細い話をすれば真っ先に思い浮かぶアンガールズ2人、NON STYLE石田、さくらんぼブービー鍛冶くん、こないだ『爆笑トライアウト』で初めて見たキャラメルマシーンのアシスタントのほうなんか、大丈夫だろうな。

相方との比較で折れそうなのに、土壇場で逆切れするのが持ち芸だったカンニング中島も残念な最期になりましたし……って引き合いに出す例が不謹慎過ぎるな。

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僕たちの失敗

2009-01-10 17:41:55 | CM

わはは、ショートバージョン見るにつけても興趣尽きませんなP&G“ボールド”CM。アレ絶対狙ってるだろう。

寺脇康文さんにいま言わせるかな「まだってる~~」。確信犯だろう。

ガオシルバー玉山鉄二さんからカイ石黒英雄さんに引き継がれたボールド“イケメン洗濯係”の相手役は、“ガチ汗くさ体育会系”か“存在感暑苦し系”がお約束。“スポーツ的高体温感”という点で、寺脇さんは適任なのですが、もうひとつり”って接点があった。寺脇さん起用版の企画書書いた人も、字ヅラ見て思わず膝打ったろうね。これはツボ。

でも「寝ちゃダメー!」ってガシャガシャ揺さぶり起こすのは、やっぱり亀子もとい美和子さん(鈴木砂羽さん)か、さもなきゃ捜一ヤング芹沢くん(山中崇史さん)の役回りじゃないかと思うんですが「せんぱいーー!」。

昨夜は帰宅すると、高齢家族が『いじわるばあさん』(フジテレビ系2100~)を視聴中。市原悦子さんをフィーチャーしたことで、長谷川町子さんの原作漫画とも、青島幸男さんらが女装して演じた昭和版とも違った、独特のワールドになってましたな。おばさんデカ・桜乙女も、大沢家政婦紹介所の石崎秋子さんもブレンドされていて、“意地悪”と言うより“怪”“変”“妙”の要素のほうが前面に出ている。

2時間ドラマ界でロングラン人気だった両シリーズが終了して、市原さんにしか表現できない独特の怪オバキャラを「また観たい」と惜しむ視聴者は多そうです。月河はオムニバスの2話途中から覗き見はじめたのですが、開業医の次男役は小日向文世さん。3話に登場の四男は荒川良々さん。高齢家族の話では、3人の子持ちの長男役は内藤剛志さんだったとのこと。ゲストに蟹江敬三さん、石橋蓮司さん。結構豪華というか、幅広い。

ただねぇ、市原さんを筆頭にこれだけのキャストを揃えて、やっぱり漫画原作、それも昭和前半期の週刊誌4コマ古典引っ張り出してこなきゃ、単発とは言えゴールデン2時間枠、作れないのかなあ?という歯がゆさも残ります。

確か、昭和40年代の中盤頃まで、週刊サンデー毎日に連載されていたのかな。月河は当時小学生でしたが、45年生まで実家父に連れられて大人男性の理髪店、床屋さんで髪を切ってもらっていた刈り上げちゃんだったのと、親類に(田舎によくある)日用雑貨のついでに雑誌も売る店やってる家があったのとで、おじさん・お兄さん向けの雑誌は、結構読んでました。

『いじわるばあさん』の連載の中でいまも覚えてる一本は、1コマ目で下クチビルの突き出た、肉付きのいい和服の男性が書斎机に向かっていて、そこに“←”と矢印引っ張って“松本清張”って書いてあるのね。

2コマ目:外からナベカマ、カナダライ叩くようなドガチャカ音がして、顔をしかめ耳をふさぐ清張さん。

3コマ目:清張さん(←庭の石灯籠かなんかの上にのって土塀の上を覗き)「なんで執筆のジャマすんの?」

いじわるばあさん(←土塀外の路上で、ナベカマ叩く手を止めて)「女にセンキョ権があって悪い!?」

4コマ目:清張さん(←やれやれ…と石灯籠から飛び降りて背中越しに)「それは石川達三だ」

  発汗赤面して踵を返し退散するいじわるばあさん。

…松本清張さんの近影は実家父の書棚で見てなんとなく知っていましたが、初見ではさすがに小学生坊主には何のことやらさっぱりわからなかった。1971年、石川達三さんがサン毎に『婦人参政権亡国論』を発表した頃だったんですね。

ドラマのいじわるばあさんは、高齢者に冷たい社会への諷刺も織り交ぜ家族コメディ風に仕上げていますが、同じ長谷川町子さん作でも、朝日新聞連載だった『サザエさん』とは色合いが異なり、結構社会派寄りの漫画でした。週刊サンデー毎日の本誌記事のほうは読んだ記憶がないけれど、当時の芸能人スターがどうしたこうしたと、婦女子好みの見出しを見た記憶もないから、やはりサラリーマンお父さん、おじさま向けの雑誌だったはず。

そう考えると、読者は、主人公いじわるばあさんのキャラより、ばあさんのいじわるに振り回され、「お義母さんとはやってけないわアタクシ」と不満たらたらの嫁には突き上げられる息子たちのほうに、自分を重ねていたのかな…とも思いますね。「そうだよな、やってらんねぇよな」「オレもばあさんになって、こんだけ思うさまやってみたいよ」とか。

息子たちはそれぞれ、ミニスカ女子社員もいるかなりの大会社部長職、個人病院の院長、売れっ子漫画家と、当時の勝ち組職業に設定されているので、「出世したつもりでもオフクロと女房にはアタマ上がんないだろうよ、針のムシロだろうよ、ザマ見ろ」という気分もあったかも。

いまTVドラマは完全に、客層が“元・嫁だった”年代の、子育て終了か終了間近の女性たち主体ですから、漫画原作とは言っても完全に原作とは別ものと言っていいでしょうね。強いてジャンル付けするなら“市原悦子ドラマ”かな。

そう言えば、当時、おバアちゃんと言えばネコを飼って縁側とかでじゃれさせてるイメージが強かったけど、漫画のいじわるばあさんは確か、垂れ耳の結構大型犬を可愛がっていましたね。名前が“クッキー”だったかな。何となく、原作長谷川町子さんも、いじわるばあさんを描くときには体内“男指数”が高かったのかなという気もします。

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寝たら死ぬぞ!

2009-01-06 16:53:20 | CM

気がつくと、P&G洗濯洗剤“ボールド”のTVCM“吹雪の山小屋篇”に寺脇康文さん、出てますね。「ささっ寒い…」「寝ちゃダメですよー!」という台詞が、卒業された某ドラマへのオマージュというかアテツケというか(自爆)。

…いやね、ふざけてるわけじゃなく、亀去りし後の『相棒』にあまりに精彩がないと、せめて卒業後の寺脇さんに、いい劇場作品や大作ドラマの当たり役がドーンと来てほしいなと思いますね。もともと演劇畑の俳優さんで、舞台ではさっそく大きな仕事が目白押しのようですが、地方在住者にはお芝居となるとなかなか観る機会がないですし。

寺脇さんがいろんな仕事で、亀山役に拘束されていては出せなかった引き出しからどんどん花咲いていってくれれば、「これも『相棒』を卒業したからできたこと」と諦めもつこうというもの。

『仮面ライダー電王』のカイ役だった石黒英雄さんを先頭に三角形“ボールドフォーメーション”の最後の瞬間、寺脇さんだけ目がいっちゃってるのが何とも。このカット、よく見ると最後列に、おおひなたごうさんの『特殊能力アビル』の冬野村みたいな雪男もいるので、「気づいてるのオレだけ(怯)…?」という演技のうちなのかな。

カイとの「気持ちいー!」2ショットが見られついでじゃないですけど、『カブト』での山口祥行さんや、『キバ』での金山一彦さんみたいな“大人の、人間の、組織力担当”ポジションで仮面ライダーシリーズに出てくれないかしら。ライダーは基本“非成人(≒非社会人)で、間で、孤独”ですからね。パートナーシップ、チームワークと人情の人というイメージが『相棒』でしっかりついた寺脇さんなら、立場が対極だからこそサポートできる、ライダーの味方側役が似合いそう。近年モデル風イケメンキャストが定番になっているライダー世界に、長身の寺脇さんなら見劣りもなし。

「この俳優さんをもっと見たい」と思うと、つい特撮か、昼ドラに…と考え及んでしまうのは月河の悪い(のか?)癖ですが。

さて、このP&GCM、最初に録画にひっかかったのはテレビ東京の1150Lドラ枠。実は、レギュラーにしている1330~フジテレビ東海テレビ枠以上に、1月クールはLドラ『サギ師リリ子』を楽しみにしていたんです。詐欺師、ペテン師、盗賊、逃がし屋など“ウラお仕事もの”大好きだし、何より“騙すか騙されるか”というお話が好きなんですな。かつて『偽りの花園』や『美しい罠』『金色の翼』といった長尺の昼ドラを完走したのも、“偽者、なりすまし、入れ替わり”“ウラオモテ二つの顔”という側面があったからこそ。

手専門のモデルとして副収入も得る主婦リリ子(雛形あきこさん)、夫はエリート商社マンで敏腕株トレーダー、仕事柄水仕事忌避の妻の代わり炊事洗濯も喜んで引き受けてくれ、かわいいひとり娘にも恵まれていますが、モデル事務所の助平社長から全身の仕事をエサにセクハラに遭い、大事な商売道具の手に傷をつけられてしまい、しかも優しい理想の夫のはずが、実はちゃっかり不倫中、相手はリリ子の女友達。一気に逆風のリリ子に、昔失跡した父親の仲間と名乗る色っぽい女サギ師(東てる美さん)と、一味らしいとっぽい情報屋(大浦龍宇一さん)とベテランスリ(鶴田忍さん)が接近…というところで1話終了。

雛形さんにコミカルな非日常感のハジケが足りない気もしますが、今後“父譲りの詐欺の天性”開花に期待ですね。昼ドラ汁の滲み込んだ、東さん鶴田さん大浦さんチームの良きケレン味も楽しみ。

あまりお昼の子役さんには釣られないんですが、リリ子愛嬢のかりんちゃん(大和田萌さん)は、家事担当のパパが不在の日中、お客様があると、水仕事封印のママの代わりにちゃんとお茶をサービスするのがかわいい。公式の人物紹介によると、この子も先々、DNA由来のクチのうまさを発揮する模様。

 『非婚同盟』も同日5日から放送開始していますが、1話は小学6年生の由起子役・林愛夏さんが、台詞いっぱいおしゃまさんテンションで頑張ってるなで終わった感じ。あと、ママ役いとうまい子さんのふんわか浮き世離れ感がいいですね。

パパスキーで宝塚スキー、メンスマダーがひそかなコンプレックス。いかにも“中島丈博さん世界の昭和の思春期少女”。今後パパの愛人の、前の男(←アメリカ兵)との間にできた連れ子・小百合(近藤エマさん)と「男は汚い、横暴、要らない」で、例によって“女同志”の絆を結んでいくんでしょうな。

個人的には、由起子の兄で学業優秀だけどロックスキーでもあり世間知にも長けてそうな俊彦くん(本間春男さん)、小百合の異父弟で、実は由起子俊彦の異母弟でもある震五郎ちゃん(林遼威さん)の行く末が楽しみです。女たちは天下御免の強烈キャラなのに、兄や弟は常識人、癒し担当、ってことが中島脚本、多いですからね。

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相棒吸ったな

2008-11-08 00:43:29 | CM

高齢家族にデジタル放送番組表予約録画の優秀さ(野球後ズレによる延長キャッチ)を初めて思い知らせた『相棒season73話『沈黙のカナリア』。

12話が、1話で2週使った、SPの良くも悪しくも遊びの多いゆったり叙述だったせいもあり、再生一度めではえらく駆け足で詰め込んだ話という印象でした。

右京さんも亀ちゃんも、二世議員・後藤(大沢健さん)の血筋や最近のマスコミ人気ぶりに関してなど、いつになく説明台詞が饒舌だったような。さほど高テンションとも思えない場面で、これだけクチカズの多い右京さんもあまり見ない気がする。脚本・徳永富彦さんが『相棒』シリーズ初参戦なので、右京&亀の関係性、角田課長(山西惇さん)の「ヒマか?」、捜一伊丹(川原和久さん)の「トクメイガカリの亀山ァ~」などのお約束をこなすのに若干忙しかったかも。

それにしても前週、旧友の妻に悲報を伝えるつらい役目を買って出て、遠くサルウィン(地図ではバングラデシュとミャンマーの間ぐらい)まで飛んだ亀ちゃん、あっさり帰国してお土産も見当たりませんが。確かにそんなお気楽な渡航じゃなかったけどね。

炭鉱事故で父を失い、坑内禁止の煙草で事故の原因を作ったとカネで汚名を買わされ、炭住近隣のバッシングに苦しんだ母は自殺。その遺児である松岡京介(眞島秀和さん)は父議員の右腕たる秘書として会社の保安責任もみ消しに奔走していた中村(ウルザード/ブレイジェル磯部勉さん)への復讐を誓って、二世の大学の後輩だった縁で公設秘書に。自分がそうなるかもしれなかったワーキングプアたちを偽装派遣求人サイトで募り、議員会館内事務所に爆弾を持ち込ませて、仇と狙う中村殺害に成功、二世議員に容疑をかけさせるところまではうまくいったけれど、雇った実行犯に渡した事務所の平面図がずばり二世議員事務所の間取りと同じものだったことから「彼を雇った主犯は、この事務所の平面図を議員会館の標準と思っている=事務所内部に主犯」と右京さんに目星をつけられて結局逃げ切れなかった。

「復讐のための人生はあなたにとって満足のいくものでしたか?」と右京さんは松岡に問いましたが、「そのエネルギーを復讐に費やすより、政治家のブレーンとして、貧しさの痛みを知る者として活かしたら」とは言わなかった。学校から帰宅すると炭住の梁に首を吊ってこと切れていた母親に、泣きながら縋ったときの重さや冷たさを肌で味わった少年に、“復讐心よりもっと有意義な前向きな方向に生きるべきだった”とは右京さんならずともとても言えるものではないでしょう。松岡が大学まで進学し、政治サークルでかつて父の死を買わせた議員の二世と知己になるまでの資金も、実は中村が母親に「ご主人の死にざまをこれで売って下さい」と土下座して提供していた金だったはず。

「(煙草失火の汚名を着せられ坑内爆発事故の原因にされた)親父も、この男(=雇われ実行犯のワーキングプア種田)も、弱いから利用されたんです、弱い人間は生きてても死んでも同じです」「僕は(中村及び雇った実行犯種田謀殺を)後悔してませんよ、僕の人生は、復讐のためだけにありましたから」と松岡。しかし公設秘書として中村への復讐の機会を窺って5年、当の中村は思いのほか穏やかで器の大きい人物で、気がつけば中村に評価されれば誇らしく思い、中村に師事したのは復讐のためだという目的を忘れそうになる自分がいた。

復讐とは、1人の人間の一面、一時期の一行動・一言動だけをとことん見つめ、他の明るい面や温かい部分に目を瞑って憎悪を維持することであって、ある意味自分という人間の感性・他人への共感性を“少しずつ死なせて行く”過程でもある。まだ若い松岡にとって、どれだけの人生のエネルギーが復讐の名のもとに無に、負に費やされたことでしょう。だから右京さんは、疑問は呈しても詰問はしなかったのです。

そして中村は、松岡がかつて自分が死に様を買った労災坑夫の遺児であることを承知で「運命かもしれない」と秘書採用を二世議員に進言していた。知っていたなら松岡に「そうだったのか、キミとお母さんには本当に申し訳ない事をした、大学を出て立派な志高い青年に成長してくれて、こんなに嬉しい事はない」「政治の道を志してこうして同じ職場に来てくれたのも縁だ、罪滅ぼしと思って君を議員のパートナーに育ててあげたい、苦しい体験を糧に、いつか政治家を目指すならその力にもなろう」と中村のほうから打ち明け申し出てくれれば、松岡は復讐心から自由になれ、裕福に育った後藤二世どころではない、有能で人心を惹きつけ得る政治家も望めたかもしれない。

“復讐”という暗く孤独な心理、行為の重さ、裏返しの空しさ。1話でここまで鋭く描き切る脚本を見せつけられると、今日7日に29話を数えた『愛讐のロメラ』が如何に同じモチーフを物語として料理できず、コントロールできていないかがわかる。東海昼枠への愛着と期待から、何だかんだでウォッチし続けていましたが、これだけドラマ制作上の力量に歴然と差がつくと、こちらはそろそろ見切る潮時かも。

前述の通りやや駆け足ピッチなエピソードではありましたが、見せ場は惜しみなし。実行犯の足跡を追いネットカフェに到達した右京さんがティーバッグを上下させる場面は、軽いお宝映像でしょう。あれだけ紅茶にはこだわる右京さんが何ゆえティーバッグ?と思ったら、レーザープリンタのにじみ実験のためだった。それなら色の付かない別のドリンクのほうがいいのに、やっぱり、あれば紅茶頼んじゃうのが右京さん。

実行犯種田がネカフェにUSBメモリー残して行ったとわかれば、即端末につないで読み出しできるのはやっぱり捜一トリオではヤング芹沢くん(山中崇史さん)だけだったり。イタミンの亀ちゃんいたぶりフレーズの中でも「このスッポン山~!」はおニューではないかな。亀と言えばスッポンもありだけど、“吸いついたら離れない”ってちょっとリスペクトも入ってたような。

政策秘書中村に対し、公設秘書松岡が仕掛けた爆殺事件と知れれば、後藤二世の政治生命も風前の灯でしょう。政界入り前は大麻取引の交友があり、中村による論文原稿代筆なくしてははなからワープアへの共感や使命感も持たない、ただの頭空っぽアホぼん二世とバレた後藤。ここらの先行きを暗示して明示はせず終わるのも、アイロニカルでビターなCrime doesn’t pay.の後味をこそ得意とする『相棒』シリーズの魅力です。

いつも瞠目なゲスト俳優さんの中では、東海昼ドラ『紅の紋章』『花衣夢衣』も記憶に新しい眞島さんのほかにも、現放送中『ロメラ』に併行してまたも愛児を遺し自殺する役の立原麻衣さん。

ネットで雇われた実行犯その2・高本には大人計画の顔田顔彦さん、『仮面ライダー剣(ブレイド)』で竹財輝之助さんをどやしつけていた(劇場版『剣』では倍返しされていた)編集長。Season4の『殺人ヒーター』だったか村杉蝉之介さん、近藤公園さんも重要な役で出演していたし、大人計画との相性はいいですね『相棒』。

二世議員役大沢さんは、もう10年以上前になりますか、第一生命のCM“新鮮組”で、パロディ沖田総司に扮していましたな。「あの若者ひとりに寄ってたかって、多勢に無勢ではないか!」とサッカーのゴール前に突撃するヴァージョンは笑ったな。発足したばかりのJリーグがまだブームの頃でした。

欲を言えばエピソードタイトル『沈黙のカナリア』が若干こなれが悪かったか。所謂炭坑カナリア、“強者の利のため犠牲にされる弱者”の象徴でしょうが、ラストに右京さんの説明だけで引き合いに出され、なんだか取って付けた様。どこかで本物のカナリアがモチーフに出ていれば、比喩としてきれいだったのですが。

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