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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

好きになっちゃうよ

2009-09-21 22:53:31 | CM

 秋の新ジャンル戦線、KIRINホップの真実に遅れること1週、Asahi麦搾り(むぎしぼり)が9月15日発売。

 ホプ真同様、公式リリースの2~3日前に大手では出てないかなと先週はアタマから網張っていたのですが、結局地元のチェーン店頭で見つけたのは16日でした。

 かつ、お披露目特価、ホプ真350ml缶108円に対しこちらは110円。

 Asahiの営業さんはもう少し頑張ったほうがいいかも。

 比較対象として、既発経験済みのホプ真、コクの時間のほか同じAsahi新ジャンル・クリアアサヒも1缶ずつ買って帰宅。

 缶パケデザインがクリアアサヒと似た、金黄色(←“黄金色“ではなくて)が白地を下から埋めて行く“尿検査系”なのが、ちょっと工夫のないチープさで残念ですが、味は・・・悪くないじゃないですか。木梨憲武さんのTVCMキャッチ「麦搾“リッチ”」ってのは若干語感でゲタ履かせ過ぎな気もするけど、少なくとも同社の先行新ジャンル・クリアアサヒよりは、“甘みに頼らないふくよかさ”や、良き複雑さ、重層作り込み感が伝わるクチあたりで、月河は好きですね。

 alc.5.5%以上6.5%未満という“ちょっと高め”設定も、なんちゃって辛口、なんちゃって本格の方向に傾かず、飽くまで“リッチ”という名の、“お酒としての飲みごたえ”に貢献しているのは好感持てます。クリアアサヒよりも長命してほしいと思える内容ですが、さて年明け辺りが分水嶺か。

 ホップの真実はピリッ、カキッとエッジが立った味を欲するとき向き、麦搾りはほんわか鍋系の料理でも囲むとき向きでしょうかね。結構、くっきり対極的な味の新製品が1週挟みで出た感じ。これもまた(ささやかな)醍醐味であり一興です。

 それにしても、イオングループのチェーンだったにもかかわらず、トップバリュ&SUNTORYのタイアップで“100円新ジャンル”として鳴り物入りで7月末にリリースされたはずの麦の薫りはまったく店頭に並んでいませんでしたね。地方中の地方店、田舎中の田舎店だから回って来ないのかしら。それとも人知れず出荷終了したのかな。

 代わりに韓国製のPRIME DRAFT88円ナリを随伴視聴ならぬ、随伴“ついで”購入。こちらは試飲済みのオリオンリッチに近い味。ちょっと清涼飲料水っぽいけど、お値段に見合った素軽さ、爽快感はあって悪くはありません。KIRINスパークリングホップ辺りが好みだった人、特に女性には向きそうです。

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5倍くらいかなぁ

2009-09-14 16:50:00 | CM

リアルタイムでのオンエアを観る機会がなかなか無いのですが、KIRINホップの真実CMの桃井かおりさんが美しいですね。

缶パケデザインに合わせた?光沢あり群青色のベルベットの、オフショルダーのドレス。スチールの撮られ方もあるのでしょうけど、1951年生まれ、今年満58歳であのウエストの締まり具合、腕や喉首のたるまなさ、アップに耐える肌の(SKⅡメイドの?)みずみずしさは感嘆、憧れモノですね。

そしてあのシャギーでショートでミニマムで、“固めました”じゃない動感あるヘアスタイル。あんな風にカットして似合う顔立ち、骨格に生まれつけるものなら、月河、何度でも死んで生まれ直すね。

桃井かおりさんという顔と名前が一致したのは1973年頃、映画『赤い鳥逃げた?』のグラビアで、共演は原田芳雄さん、掲載誌はいまは無きアイドル誌の老舗・集英社『月刊明星』だったと思います。もともとバレリーナ志願で、ロンドンの名門ロイヤルアカデミーに留学していたものの、女優への思いがつのり帰国後文学座研究生に。きっとヨーロッパ流の、貴族的で階級志向なクラシックバレエ教育に、彼女の、闊達で、ある意味頑固な個性が合わなかったのでしょうね。

ここ最近~いまの桃井さんのイメージからすると140%ぐらいふっくら、ぽっちゃりしていた22歳頃の当該グラビアには「バストの大きさが96センチ、名前が“桃井かおり”、しかも本名。なんとなく、うれしい」「自由に生き愛したい!」とキャプションがついていた記憶があります。

バスト96センチの桃井さんも懐かしいところですが、30数年を経て“20代初頭当時より美しい”と言い切れるアラシク(←around 60)女優さんはさらに数段貴重だと思うのです。

演技者としては如何ともし難いクセがある(モノマネ顔マネの清水ミチコさんが“桃井料理”の達人ですね)し、どんな作品のどんな役柄にも似合う柔軟性や透明感があるタイプとは言いにくく、キャリア的にギャラも安くないだろうし広くいろんな製作者・監督からオファーがかかりやすいタイプとは思えず、「あの人が出ているなら観てみよう」という客引きのきっかけにもなりにくい役者さんかもしれませんが、万難差し引いても“ぜひ末長く美しく輝き続けて欲しい”人ではあるのです。女優としても、女性としても。

ただ、TVCMで桃井さんの顔が見えると、どうも“後から竹中直人さんがもれなくついてくる”のではないかと一瞬危惧してしまう。コレはどうにかなりませんかね。

オンエア回数とかは比じゃないと思うんだけど、あの顔の濃さ訴求力の強さが問題なんだね。

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選挙が占拠

2009-08-26 23:47:35 | CM

総選挙の告示後、投票日まであと1週の先週末辺りから、一気に選挙関係のTVCMが増えたような気がします。まずは恒例「投票日は○月○日、必ず投票に行きましょうね」の、棄権減らし投票率アップキャンペーン。

当地では、地元出身の、チームNACS俳優兼脚本演出家の森崎博之さんと、ヘキサゴンおバカキャラでおなじみハロー!プロジェクトの里田まいさんが、モリあがってマイりました。」と、脱力し過ぎて投票所まで歩けなくなりそうなキャッチコピーを笑顔で連呼しています。

老若男女、富める者も貧しき者も、それぞれの立場で考えられるだけ考えて、考えたなりに投票するなら普通選挙の本義にかなっているけれど、「TVで有名人が何度も言ってるからとにかく行って誰かかれか書いて入れよう」みたいな適当な人が大勢で投票率を押し上げたって、国がいい方向に向かうのかなぁ?と思わないでもない。「選挙の洗礼を受けない総理大臣交代なんて国民の意思を置き去りにして怪しからん」云々の論調が3年も4年も続いていて、それでさぁ待望の解散総選挙、民意を国政に反映させるチャンス!となった段で投票率が低調のまんまだったとしたら、それはそれで国民のひとつの意思表示とみてもいいと思う。

もうひと路線、露骨に目立ってきたのはもちろん各政党、与党野党のCMですね。TVだけではなく、このブログを書くために先日も某行きつけのエンタメ媒体サイトを開けたら、いきなりトップの上のほうに「日本を考える夏にしてください。自民党」という帯広告があって鼻白みました。特に政治色の媒体ではないんですけどね。

しかし、TVで、党首・党代表が顔出し声出しでアピールするタイプのCMとなると、歴然とセンスが悪くてかつ流れる頻度が過剰だと、“逆宣伝・逆効果”のリスクのほうが圧倒的に高いということ、当事者の皆さん本当に気がついているのでしょうかね。

少なくとも麻生太郎さんが、濁声で、スマイルなのか自虐なのか軽侮なのかはなはだ判然としない角度のついたおクチで、額に妙なシワ寄せて駄目押しのようにバストアップになるたび、「いま何十票」「また何十票」と票の減って行く“音”が聞こえるような気がするのですが。

がしかし、こなた鳩山由紀夫さんも、ツヤツヤ栄養の行き届いたお顔に宇宙人目玉、中途半端なおばさんウェーブヘアでじんわり汗ばみながら声を張り上げていると、スーパー夏向きでないヴィジュアルなので、「政権交代と聞こえはフレッシュだけど、成ったらアレか、アノ顔が総理か」と、上がった気勢に濡れ毛布をかぶせるような案配になって、差し引き結局マスコミが言ってるほど圧勝にも惨敗にもならないような気もします。

「期日前投票が前回総選挙の同時点の1.5倍」なんて報道も、「モリあがってマイりました」と同根の宣伝に感じられて、ちょっとイヤらしい。月河はできる限り「二世三世候補には入れない」「中央官僚や自治体公務員、公立学校教員や公的労組など、税金で食ってる仕事以外の職業でしっかり社会経験のある候補を選ぶ」「なるべく年齢の若い候補を選ぶ」ぐらいを基準にここのところ投票行動していますが、新型インフルエンザによる休校学級閉鎖の報があっちからもこっちからも飛び込んでくる状況で、学校の体育館の投票所は気が進みません。高齢家族は「60歳以上は免疫があるらしい」なんてほざいていますが、一緒にしないでほしいのだ。

いよいよとなったら“世間の良識に俟つ”という選択もあっていいと思いますが。あと4日。

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五月蝿い

2009-08-18 23:31:13 | CM

先週ぐらいから、当地だけでしょうか、1330~の『夏の秘密』CMスポンサーにエバーライフ皇潤(こうじゅん)が加わりました。

昼間のTVではNHK以外チャンネルを問わずCM出稿し倒している皇潤、ついに東海テレビ昼帯枠にまで侵…進出か。どこか既存のスポンサーが降りたのかしら。SKⅡもドモホルンリンクルもファブリーズも、ジョイくんもアリエールもボールドもヘッドスパも依然流れているけれど、そう言えば虫コナーズや、一度で二度効くコンバットや、便器のベンちゃんサンポールの金鳥を最近見かけないかな。夏真っ盛り、虫さんのシーズンなのにね。♪イッチロレニロきくコンバット~ と、舞闘冠の歌踊りが気に入って毎日ママとやっていると言っていた幼稚園坊主、夏休みだけど寂しがっているんじゃないかな。

それはそうと三國連太郎さん。「ボクは、まだまだやりますよ。」の86歳スマイルが不気味に色っぽいですね。「…まだまだやりますヨン?」と語尾、微量粘っこい半疑問形になってませんか。

しかもアナタ、皇潤パッケにチュッ!ですよ。何度も悪いけど御年86歳ですぞ。チュッ。反則にもほどがありすぎて、もう脱帽平伏です。。

失礼ながらこのご高齢、かつ数々の大役クセ役をこなしてこられた赫赫たる演技キャリアで、これだけ危うい、敢えて言わせていただければ妖しい色っぽさに満ちておられるのはまことにもって稀有な俳優さんだと言うしかない。

映像作品を見ていて、みくにれんたろうさんという個性的なベテラン俳優さんがいるんだなぁと顔と名前が一致したのは、従兄か叔父かに連れられて観た1975年の石川達三原作『金環蝕』だったかしら。政界の爆弾男。その前後TVで放送された65年の『飢餓海峡』だったかな。いちばん長く、台詞も場面も多くお顔を拝見したのは76年の大映ドラマ『赤い運命』ですね。満蒙開拓少年団。ずっと後で知ったのですがご自身の苦い戦争体験も相俟ってか、少女漫画チックなドラマの中で峻然と屹立するが如きお芝居だったと記憶しています。

もっと後の8090年代前半、個人的にレンタルビデオ盛りの頃、レオス・カラックス監督『汚れた血』やジャック・リヴェット監督『美しき諍い女』辺りでぽつぽつ見知った名優ミシェル・ピコリを、「これはフランスの三國連太郎さんだな」と自己流翻訳納得したりもしました。知的ではあるんだけど、いかがわしい油断ならない色気とでも言うか、何か相互に思い出させるところがあるんですよね。三國さんをカフェオレ煮にして地中海の風に当ててオペラ聴かせて育てればピコリさんになるし、ピコリさんを高温多湿日本の瓦屋根と畳の家で、蝉時雨の中梅干煮干しご飯と豆腐の味噌汁で年経させれば三國さんが出来上がる感じ。

どちらも末永く一線でご活躍いただきたいもの。『任侠ヘルパー』にゲストインなんかないかな。いやどちらでも。フランスから来た要介護老人なんていいじゃないですか。ハートフルバードなら会社的に広告塔にしそう。彦一より六車の出番かシルヴプレ。

それにしても皇潤のCMは最近めっきりくどいですね。オンエア頻度も、語り口も。特に島田洋七さん婆…じゃなくヴァージョンがね。

本編『夏の秘密』のほうは第57話。昨日からオーラスひとつ前の週に突入しました。ヒロイン紀保(山田麻衣子さん)と伊織(瀬川亮さん)の間に、せからしい説明描写はなくてもしっかり“相思”の通い合う地合いを作ってから、じんわり龍一(内浦純一さん)の怪しさをこぼれ出させる、このタイミングとテンポがなかなかいいですよ。龍一がフィアンセとしてあらかじめ問題ありな人物では、紀保が伊織に静かに惹かれて行く動機も過程も形骸化してしまう。

龍一を演じる内浦さんの演技も、演出も、非の打ちどころない誠実で優しい敏腕弁護士が突然手のうらを返す様に豹変するのではなく、「確かにこういうしつこいところ、わざとらしいところ、前からあった」と納得させる絶妙の匙加減です。恋愛から謎究明へ、謎にいったん答えが出るとまた恋愛へ、恋愛が一服すると同時にふたたび謎再燃と、うねるストーリー起伏も手堅い。

今日57話では紀保のアトリエに、フランスでの交通事故で急ぎ予定の特注レース生地が納品不能になるアクシデントが降りかかりましたが、それで思い出したわけじゃないけれど先日当地で再放送されていた渡辺謙さん主演の火曜サスペンス劇場『指名手配2』で、アトリエスタッフのチーフ格・マリ子役の赤間麻里子さんのお顔が見えました。

偽名で逃走し造船所工員となっていた凶悪犯(松澤一之さん)と、正体を知らず結婚した妻の役。渡辺さん扮する本庁刑事の覆面捜査(実は狙いは他の情報、他の人物だったのですが)で、買い物かごを提げて帰宅した目の前で夫がまさかの手錠連行され、「そんなはずはない、何かの間違いです」と長崎の坂道を延々パトカーを追って走る姿が、1話の紀保そっくりでした。『夏秘』では髪をワンテールに結んで白シャツブラウスのキリッとした感じですが、当時(本放送998月)はもう少しふっくらされて素朴なイメージだったかな。内浦さんと同じ無名塾出身で、結構芸歴も長く、脚本演出もこなされる才女のようですね。思いがけないところで会えてちょっと嬉しかった。

今日は杏子(松田沙紀さん)も傷心休暇?から戦列復帰しましたが、どうなるアトリエK

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マツはいないのか

2009-07-28 00:39:53 | CM

昨日(27日)の記事タイトルは、KIRIN“コクの時間”ファンとしては若干毒が過ぎたでしょうかね。いやホント、製品は美味しいんですよ。嗜好品ですから、あくまで好みですけどね。ここ1年ほどで試飲の機会があった発泡酒・新ジャンルの中では、バックスクリーン直撃の満塁ホームランというわけではないけど、“走者一・二塁で右中間抜いて打点1、なお一・三塁”ぐらいの適時性、カタルシスはある作品だと思います。少なくとも、他社の競合品SUNTORY金麦Asahiあじわい(ともに07年発売、現行販売中)くらいには“越冬”サバイバルしてほしいラベルです。

製品“本体”はまったく問題ないのですが、TVCMキャラの内田恭子さんの、全体的に美人さんでお洒落さんではあるのだけれど、ホレ、睫毛マスカラ限定で、どげんかせんといか…いや、あり得な…いや、トゥーマッチにドラスティックであるな、ということを言わんとして、あのタイトルになったのでした。悪気はないかんね。“ホップの真実”も期待してますんで。

 …そこでまぁ全体的にフォローというわけではありませんが、今日は“復刻してほしい、お気にだったビール系飲料”を思い出して挙げてみました。

 ①:まずはKIRIN“ハニーブラウン”2003年春、近場のローソンで初見。結局量販店やドラッグストアでの展開には(少なくとも当地では)なりませんでしたね。純ビールよりナチュラルに“甘”が勝つのが発泡酒の美点でもあり泣きどころでもあるのですが、このラベルは、原料にオレンジの花の蜂蜜を使うという“逆マジック”で、そこをまるっと“フレッシュ”という魅力にしました。純ビールを飲むとどうしてもつまみに塩辛いもの、味の濃いものが欲しくなるのですが、これはそういうことがなく、単体で飲んでも、天ぷらや寿司でない、煮物中心の和食の前に飲んでも美味しいと思えました。パステルというかクレパスで描いたようなパッケージデザインも大好き。ぜひあのデザインのまま復刻を。

 ②:同じくKIRIN“やわらか”。小岩井乳業と提携の乳酸菌を発酵に使い、alc.4.5%とソフトな口あたりを実現したという触れ込みで、こちらは04年の晩秋ぐらいにやはりローソンで初見。この年末はどすんと発熱を伴う風邪を引いて、M1アンタッチャブル優勝や紅白のマツケンサンバを臥せって視聴するような状況だったため、年明け“リハビリ”のようなノリで飲み始めたのですが、いま思えば“発泡酒入門”としてビギナーに勧めたかった。

発泡酒と言えば悪くすれば“ビールまがい”で、風味や芳香に関しては「ビールより薄くて当たり前」と思われがちですが、“ビールにはない、発泡酒だからこそ”の芳香も実は存在するのであって、「ビールは好きだけど、発泡酒なら、たとえ少々安価でもノーサンキュー」という人は、“薄さ”を嫌うのではなく、むしろこの“発泡酒独特の芳香”が、「ビールと似て非なる」がゆえに嫌っていることが多いのですね。

ビールにはない発泡酒独特の芳香とはどんなものかというと、良くも悪しくも“青臭い”んですね、発泡酒って。ホップ由来の香ばしさ単体とは、ちょっと違う。ビールの古典的なホップ香が“果実っぽい”としたら、“草っぽい”香りなんですよ。

これに慣れられないと、「だから所詮発泡酒は…」な人になるし、慣れて「これはこれでいけるね」と思えた向きは、「安くて美味しい、発泡酒ウェルカム」な人になるわけです。

KIRINやわらかは、この“発泡酒独特の草っぽさ”が、商品名通りやわらいでいる。乳酸菌発酵由来のほのかな酸味が青臭さを消す方向に働いているのか、もともと芳香の強くない原料配分なのかはわかりませんが、発泡酒“飲まず嫌い”の人のための“デビュー作”推奨として貴重なラベルだったと思います。09年夏、最近発泡酒市場もめっきり“コク”“本格”志向にシフトしてきているので、いま再発されてもトレンドではないかもしれないけれど、だからこそあえて。

③:SAPPORO WDRY(ダブルドライ)。新ジャンルの中では、いまでもいちばん好きですね。これを上回るラベルに、後にも先にも出会ったことがない。本州では最初からあまり展開されていなかったらしく、来訪した知人に軒並み珍しがられましたが、飲ませると全員好評でした。軽いんだけど、甘くないんですね。新ジャンルにつきものの“泡質”の粗さ、消えやすさもほとんど気にならなかった。出回っていたのは07年夏~冬の、正味半年ちょっとで、SAPPORO“麦とホップ”に新ジャンルの主力を移したため市場から消えてしまいました。このWDRYがひと夏で消えて、“麦とホップ”は2回目の夏を迎えている理由はまったくわかりません。やはりTVCMの出稿数、有名タレントを起用しなかったことが響いたのかしら。“やわらか”の項でも書いた通り、新ジャンルもさっぱりすっきりより、コクやコシや飲みごたえを重視する方向に、市場が08年から完全シフトしたということなんでしょうかね。

④:SAPPORO雫(しずく)〔生〕。これも、発泡酒持ち前の草っぽさおさえめなのが魅力でした。かつ“やわらか”と様変わって、マイルドでありつつほどほどふくよかなコクもありました。やはりなぜ廃番になったのかわからないシリーズですね。宮藤官九郎さんのTVCM起用も新鮮でしたが、せっかく起用するなら、「ただ旨そうに飲んでグラスをしげしげと見つめるだけ」じゃないヤツを脚本演出してもらえばよかったのに。

⑤:アサヒぐびなま。。(←“。”が重複しますが原文ママ、悪しからず)これは月河自身より、非高齢家族が気に入っていました。WDRYではさっぱりし過ぎで、同じ新ジャンル価格ならやや引っかかりのある味のこちらのほうが「買いでがある」と好ましかった様子。月河もWDRYが消えた08年春以降は新ジャンル内のネクストベストとして結構贔屓にしていました。マンガチックで脱力なデザインロゴが最後まで疑問だったけど、飽きない味であることは確かです。

ちなみにAsahiは発泡酒・新ジャンルで、どっかり重厚長大風味な“本生ゴールド”とか、ゲテモノとしか思えない“新生3(スリー)”など、ほとんど迷走に近い振り幅をさらしていましたが、爽快さ・さっぱり感こっくり飲みごたえ感、あと価格志向≒お手軽飲みやすさという三角関数を、いちばん深く考え抜いて(or考え過ぎて)いるメーカーさんなのかもしれません。

……ここらへんのラベルが復刻したら、6缶パックひとつずつ買って、一晩ずつ“ローテ飲み”してみたいですね。「なぜ廃番になったか」に思いめぐらしつつ。発泡酒新ジャンル、やはり流行りもの廃りものだから消長が激しいのは仕方がないか。

(商品によっては公式サイトが削除されているので、発売前の広報記事など、極力、商品概要とコンセプト、あとパッケージ画像のあるところを探してリンクを貼りましたがこれもご容赦を)

さてNHK『つばさ』に、紀菜子叔母さん(斉藤由貴さん)の夫として、長瀞川下り船漕手の富司(山下真司さん)登場。山下さんの“アナクロ暑苦し筋肉バカ男”キャラのセルフパロディは、もう堂に入っていますな。しかも“トミー”ってあなた。

こういう方向性の芝居って、志が高くない分、役者さんにはラクちんかしら。照れてやりにくいかな。でも自分の中に“得意キャラ”があるってのは役者として幸せだと思うのです。山下さん、だいぶ額が広くなった(よって顔面積が縦に長くなった)けどまだ向こう5年ぐらいはどこへ行っても「『スクール・ウォーズ』の泣き虫先生、好きでした」と言われ続けられそう。『太陽にほえろ!』のスニーカーは“殉職しなかった”分印象が薄くて終わったけど、それもかえって幸いしましたね。

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