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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

護星者

2010-02-17 21:53:39 | 特撮・ヒーロー

やっぱり新戦隊は、どんな新番組よりも第1回の視聴、ワクワクしますね。なんたってメンバーのキャストがほぼ“初モノ”の新人さんだし、造形、武器、必殺技ギミックに敵キャラ、すべてが真っさらのさらさらなので、自然と前のめりになります。

14日バレンタインスタートの『天装戦隊ゴセイジャー』、スーツ姿のスチールは紙媒体や公式プレサイトでチェック済みでしたが、放送を見て改めて発見。近年なかった、立体クチビル付きマスクなんですね。ゴーグルの下の、アゴまでのシルバー部分にくっきり。後半の名乗り変身決めポーズ後、横顔からキラッとカメラ目線(?)になるカットで、思わず「…い、色っぽい」と生唾のんでしまいましたよ。でも、変身バトル中に台詞を言ってもクチビルが動くわけではないのね。天使ですからね。人の顔カタチに似せて作ったということなんでしょうね。

戦隊の初回は概ねどの作品も“レッド回”ですが、ゴセイレッド=アラタ役の千葉雄大さんはまったく新しいタイプのレッド像を作り上げてくれそうです。名前は“雄大”ですが、ルックスは“繊細”そのもの。色白でスレンダーで、パルミジアニーノの『聖母』ばりの首長さん、おまけに小沢健二さんみたいなストレートショートで、ヴィジュアル的には“たくましさ”とか“頼り甲斐”とは対極にあるんだけど、でもキャラとしてはしっかりレッドでリーダーしている。

ここのところのレッドは、ハート、ソウルだけは誰より正義漢だけれど、人間的には未熟で成長途上で、その成長の勢いでメンバーを引っ張るようなところがあり、その上に“癒し系”や“やんちゃ”“人見知り”などの味付けが施されることが多かった。千葉さんのアラタは“ピュア”“天然”で、自分も他人をも疑うことを知らない、その無鉄砲さがいちばんの武器という感じ。「天使で戦士」設定なればこそのレッド像ですね。塊のミゾーグの瓦礫団子にメンバーが取り込まれてしまってから、チェンジカードもないのに生身で「オレは絶対にあきらめない!」と向かって行く場面は、しっかり強そうに見え“レッドは別格”感がありましたから。

レッドがひたすらピュアな分、男子メンバー他2人は、ブルー=ハイド(小野健斗さん)がクソ真面目まっしぐらでときどき融通が利かず、ブラック=アグリ(浜尾京介さん)が熱っつくて直情径行、ときどき独断専行という、かつてのレッドたちがおもに備えていた要素をうまいこと肩代わりしてくれていますね。ハイドには『超星艦隊セイザーXのアドさんに通ずるところもあって、こなれてきたらアラタ以上に天然ボケ炸裂しそう。ひとりだけ茶髪のアグリは微量オレ様入っていて『マジレンジャー』の翼も『ボウケンジャー』の真墨をも思い出させる。クールではない“ホットなオレ様”と言えば、『デカレンジャー』のバンも序盤それっぽかったか。

無理やり捜して欲を言えばですが、女の子ふたりが、epic 1(←“第1話”ではなくこう言うんですよ)段階ではちょっとまだキャラ分けが不分明かな。ピンク=エリ(さとう里香さん)は楽天家ながら結構ちゃっかりさんで、イエロー=モネ(にわみきほさん)はお兄ちゃんのアグリ同様強気な熱血さんのようですが、どちらもおおらかさや、バトルに行っての豪胆さが共通しているし、設定年齢も近そうで、近年の“女子2名戦隊”に比べると色分けが弱いと思う。まぁここらへんは、早晩来るであろう“ガールズ回”までのお楽しみでしょうね。

「全員、地球人類ではない」設定でスタートする戦隊というのもしばらく無かったと思います。ここのところの戦隊シリーズ、SFメカニック系とファンタジーお伽噺系が交互に来ていましたが、順番としては今年はメカニック年に当たるんですよね。変身して等身大サシで戦ってる分にはいいんですが、巨大ロボ戦になると、どうもメカニック系に比べてファンタジー系は分が悪かった。お話の地合いになじませるのにひと工夫要るんですよ。『マジレンジャー』は“勇気で獲得する魔法”で貫き、先々週終了した先輩戦隊は“先祖秘伝のツールと、使いこなすための特殊能力の鍛錬”で辛くも押し切った。『ゲキレンジャー』は基本、徒手格闘技のヒーローなので、巨大化ロボに乗り込んで、換装強化しつつ戦うということと相性がよくなく、物語は良かったのに巨大化戦になるたびにテンションが下がりました。

今般のゴセイジャー、“天使”でメカニック路線というのもちょっとなじみにくいかなと思いますが、epic 1でのハイドによると、人間界で人間に護星天使と知られると、その人間の記憶を消さなければならないという不文律があるらしく、そういう意味でのSFチックな“気配”はあります。天使ゆえのいい意味の浮き世離れ感みたいなものが醸成できれば、新鮮かつ楽しい戦隊になりそうです。

さて、そんな案配で記憶を消されそうになった人間少年の望役・中村咲哉さんはNHK朝ドラ『瞳』の将太くんでした。毛布の切れ端落としてびぇーびぇー泣いてたあの子と同一人物とは到底思えな………いというほどではありませんが、1998年生まれ11歳、背が伸びて顔も小さくなったし、滑舌もいちだんと上達。子役さんはこれが怖い。

いまのところゴセイジャーと接触し認識したのは望くんだけで、ひょっとしたら望くんは天界とチューニングする特殊能力を持っている設定か。でもアラタたちゴセイジャーは人間ではないので、望くんと仲良しになっても最終epicでは悲しいお別れが待っていたりするのかしら。

悪の組織“ウォースター”、母艦“インデベーダー”幹部“ブレドラン”“デレプタ”の名前は映画タイトル由来のようです。epic 1登場の“ベラスカ星人・塊のミゾーグ”は、スカラベ(フンコロガシ)由来まではわかりやすいけど、下は何だろう。ついカイリー・ミノーグを思い出してしまいましたが、んなわけないよね。


質問をするな

2010-02-11 20:28:09 | 特撮・ヒーロー

いままでなんとなくここで触れずに来ましたけど、『仮面ライダーW(ダブル)』はますます快調ですね。『ディケイド』のがっかり最終回の後だけに、昨年9月の第1話当時はあまりテンション上がらずに視聴始めたのですが、テレビ朝日が水曜夜の警察ドラマで味をしめたアレの影響か?対照的なダブルヒーローの“バディもの”としてしっかり機能しているし、ガイアメモリ“二つで一体”という設定が、コレもういろんな意味でたまらない。

敵対するドーパント・チームの園咲家は、ほのかに『富豪刑事』神戸家の香りも。

19話から本格参入のアクセル、いきなりバイクに変形しちゃいますしね。有機体が乗り物系に変形するのは、月河は『龍騎』のドラグランザーとダークレイダーが初見。その後555のオートバジンを経て、『ディケイド』の各話「ちょっとくすぐったいぞ。」を賞味できるようになったわけです。

個人的には『龍騎』以来、“赤”の正義ライダーが登場すると「行くべきところまで行った」と安心するところはある。前枠の戦隊シリーズと込みで録画視聴しているせいもあるのでしょうね。

アクセルに変身する照井竜警視殿役・木ノ本嶺浩さんは、撮られる角度や表情によってびっくりするほどオルタナティヴゼロ香川教授役・神保悟志さんに似ていますな。顎でしょうかね。あと目ヂカラね。『相棒』に大河内監察官の息子役で出ても違和感なさそう。

『龍騎』の東條悟(高槻純さん)が嫉妬してクリスタルブレイクかますかもな。込み入ってきたな。

フィリップの菅田将暉さんは序盤から「男の子なのにずいぶん藤吉久美子さんに似ているな」と思ったものですが、先般全国のファンから号泣惜しまれつつ退場した園咲尻…じゃなくて霧彦さんの君沢ユウキさんは、これも撮られ角度と場面によりますけれども『侍戦隊シンケンジャー』の腑破十臓にして『ウルトラギャラクシー』キール星人グランデの唐橋充さんに、谷原章介さんを粉々に砕いたコロモをまぶして低温で揚げたようでした。

キャラもキャストも新鮮多彩なスーパーヒーロータイム。夜のドラマではとって代われないこれも醍醐味。『天装戦隊ゴセイジャー』も加わって、来週からまた一段と録画が忙しくなります。


あのアホどもが

2009-05-10 17:46:08 | 特撮・ヒーロー

『仮面ライダーディケイド』、今週第16話から『カブト』篇に入りました。

カブト世界と、カブト以下ザビー、ドレイク、サソード、ガタックに両ホッパーなどのキャラがどう料理されるかなという興味もさることながら、『炎神戦隊ゴーオンジャー』のアンテナ蛮機回(GP11)、デタラメデス・ウラメシメデス回(GP2324)を書かれた古怒田健志さんの脚本ということで期待して再生したところ、Gacktさんのテーマ曲に乗せたOPの後半が、劇場版『超・電王&ディケイド 鬼ヶ島の戦艦』のCMに“乗っ取られ”ていていささか鼻白みました。『電王』ってもう“前の前の”ライダーなのに、まだスピンオフやるんですね。それに予告の映像だと、もはや変身ヒーロードラマというより、戦艦ものCGアニメのよう。

スーパー戦隊では例年vs.シネマがあってDVDリリースされ、、直近の『ゴーオンジャーvs.ゲキレンジャー』はお正月第2弾として劇場封切公開もされましたが、地球人類ならぬ不況の映画界を救うべく、今後は毎シリーズ先輩・後輩ライダーとタッグを組むスピンオフが製作されるようになるのでしょうか。

後発ライダーにぜんぶ『電王』がからんだら、ちょっとイヤですけどね。よほど玩具・物販の稼ぎがよかったのかな。こういう“ガッチャンコ・スピンオフ”連打をかますなら、龍騎剣(ブレイド)の“カードバトルタッグ”や、カブトと555アクセルフォームの“加速バトル”など、見たかった組合せはもっとあります(後者は今日Bパートでちょっと披露)。

『カブト』篇本編も、ゼクトにワームという構図は引き継ぎつつ、“兄と妹”“料理と味覚”など、オリジナルの生地部分を彩った要素を巧みに取り入れて愉快な仕上がり。名ゼリフ「おばあちゃんは言っていた」のおばあちゃんを、本当に実写で出してしまったところはすごいのひと言ですね。勇気があると思う。しかも名優・佐々木すみ江さんとくれば“文句ないにもほどがある”

Aパートから、ホンモノ士(つかさ)とワーム擬態(ぎたい)士の2ショット腕相撲・にらめっこ・あっちゃ向いてホイ対決、マユ(菅野莉央さん)のコスプレ撮影会とサービス全開。マユの着ぐるみウサぴょんこたん姿に「…萌え」なユウスケ(村井良大さん)に萌え~となった大きめ女子のお友達も多いかと思います。

後半のディケイドの、電王イマジンカード使ってのスベり連発は、ちょっとやりすぎじゃないかってぐらいおもしろ過ぎどんな世界観にせよ、一応、石ノ森章太郎ブランドの仮面ライダーってば孤高のヒーローなんだからさ、いいのかこんなにおもしろくて。「アタックライドゥ、オレ、サンジョー」って来た瞬間に、「それ絶対アタックになんないから!」とツッコミを入れてしまいましたが、「じゃあコレだ」と「コタエワ、キイテナァイ」までやるとは。

マスクドフォームで顔を見合せて「何だそれ?」「どういう意味だ?」とあっけにとられているザビーとガタックも“キュートにもほどがある”

月河が生まれた頃のマイトガイ小林旭さんの映画で、5人も10人もの敵に取り囲まれた小林さんが、ピンチなのにいきなりギター弾いて歌い出し、しかも歌ってる間、敵がファイティングポーズ構えたまま歌が終わるのを待ってる(歌が終わると素手アクションで倒されて、倒し終わるとまた歌う)のがおもしろくてしょうがなかったものですが、今回の弟切(川岡大次郎さん)ザビー、アラタ(牧田哲也さん)ガタック、「何か質問されたか?」「何も訊かれてないぞ?」と首傾げ合うゼクトルーパーたちもそんな昭和な愛嬌がありました。スーツアクターさんナイス芝居。

先週・先々週の『電王』篇はHDDに残したままなのですが、士ディケイド、デンライナー住み込みイマジン連中とどんなやりとりで電王世界をあとにしたのか、ゆっくりリプレイしてみましょう。みんないいヤツだったしね。なんだか戦隊みたいなライダーになってるなぁ。『侍戦隊シンケンジャー』もこういう“軽いノリ”でキャラに沿えるところが、もっとあると楽しめるのですが。

0314ヶ月 ~妻が子供に還っていく~』で高岡早紀さん扮するヒロイン9歳版を演じた菅野莉央さんが、実年齢15歳に成長して、なんとなーくザブングル“カッチカチやぞ”加藤の“「(あまり)似ないでよかった」と言われる妹”みたいになってたのが微妙。

それより、「残る世界はたった2つ、だが今度こそ、この世界でディケイド、オマエの旅は終わる」と、余裕かましてんだか引き攣ってんだかわからない金井助教授…じゃなくて鳴滝(奥田達士さん)の帽子とコートが、5月に入ってめきめき暑苦しく見えてきましたな。もう東京は皆半袖でしょう。『剣(ブレイド)』のカリス相川始がああいう“人でない(=人の五感がなく、暑さ寒さがわからない)ことの記号”のコートをまとっていましたが、鳴滝の最終フォームはどんなのかな。


その気 何の木 気になる木

2009-04-19 20:33:40 | 特撮・ヒーロー

世の中、年度替りでお引っ越しシーズン。昨日は近くにリフォーム転居してきた知人の引っ越しの陣中見舞い、ついでに子猫の手ほどのお手伝い。

ところが、もう大物は片付いたしそろそろビールにすっか!というところまでこぎつけたところ、突然PCにトラブル発生。土曜だし夜だし、PC設定接続に詳しいアイツに連絡してみよう、ということになり、電話したらまたソイツが「メシ食ったら行く」と言うんですね。

家主と一緒に当然電話口で「メシならこっちにあるから速攻カモン!」のユニゾン(←月河の一存で「酒もあるから」を付加)。

よって深夜のPCトラブルシューティング作業。もちろん、自宅で順調稼動中なPCすらともすればいっぱいいっぱいな月河は、人のPCになんか何のヘルプもアドヴァイスもできないので、後ろでこっそり据えつけたばかりの薄型TV勝手に操作して、片平なぎささんとナンチャンの土ワイとかSmaステーションとかケータイ大喜利など観ながら、キッチンも勝手に使って煮卵作ったりしてただけ。

おかげで一夜明け早朝、家主のご令息お2人と“スーパーヒーロータイム”のナマTV前かぶりつき視聴という、生涯未体験ゾーンへ突入。いつもは、起床在宅していても高齢家族の『サンデーモーニング』を背中で聞きながら台所作業で、裏で回るレコーダーとビデオデッキが楽しみ…という時間帯なんですよね。

先週第9幕終了段階で「これ以上11話摩擦係数高まっていくと視聴意欲失いそうなので、向こう34話はHDD録り貯め」と決めた『侍戦隊シンケンジャー』も、家主令息弟君のほうが「チアキ、ブブカーーー!!(←お父君が大学陸上部OB)」とか大喜びなのに釣られて、アラ不思議、結構スムーズに視聴できてしまいました。

侍としての力不足を自覚する千明(鈴木勝吾さん)がひと皮むけるだけではなく、指導者、親代わりとしての日下部彦馬ジイ(伊吹吾郎さん)の「殿(丈瑠・松坂桃李さん)とは違う個性の千明を伸ばすためにはどうハッパかけるのがいいか」という気づき、開眼物語にもなっているのが良かったですね。TVの前の小さなお友達の、後ろのパパさんママさんを、より意識したお話だったかな。

千明がヤケ酒ならぬヤケゲーセンを出たところに、思いがけず和服でonバイクのジイが待ち受けていて不意をつかれた千明「…え゛?」の素っぷり。人間、あんまり意外なものを目にすると、かえってわかりやすい驚愕仰天のリアクションって出ないもんです。

1幕で流ノ介(相葉弘樹さん)に「親がいい加減だったんだな」と言われ「当たってるだけにムカつくー!」と目をむいていた千明、想像するに千明のご両親はいい加減だったわけではなく、“この時代に侍として育てるということの難儀さにエポケーしていた”のではないでしょうかね。千明としては爺との語らいから、「厳しいけど人生経験の厚みを感じるお祖父さんに会った」気持ちになったかもしれない。

ここぞというときの「オレのモヂカラ(=木)…デカくて、強くて、すんげー広がってる、自由な感じ!」というイメージ表現の語彙が、いかにもゆとり教育世代っぽいのも微笑ましかったし、その“すんげー広がってる自由な感じ”がウッドスピアを棒高跳びのポールにしてしまったのも、千明らしいと言えばらしい。

いろいろあってめでたく“オレも兜折神を任せてもらえるモヂカラ一人前の侍になれた”と気をよくした結果、千明がいい子ちゃんに生まれ変わるのではなく、オフバトルに戻ると依然落書き悪戯坊主のまま、という締め方も後味が良かった

今回の敵アヤカシ・オカクラゲのヒラメキメデス(@『ゴーオンジャー』)風な慇懃無礼くすぐり口調、「空中戦なら負けませんヨー!」と言った途端にビルのカドに背中から衝突してドワー!となり、絶望の雨を降らせる傘を吹っ飛ばされて「わー!!ワタシに絶望がぁー!!」という間抜けさも、戦隊の敵怪人はこうでなくっちゃというヌケのよさ。いままでのアヤカシでいちばん好きかも。

続く『仮面ライダーディケイド』も、思い入れある『龍騎』『剣(ブレイド)』『555』各篇が終了したらもう個人的に卒業でいいかなとも思っていたのですが、なんとなんと、『アギト』完結篇の今日13話が最終回でもいいくらいの感動フィニッシュだったではありませんか。オリジナル『アギト』のアンコの部分があらかた未知なので、この世界の八代あねさん(佐藤寛子さん)が誰に当たるのか、小沢澄子捜査官(藤田瞳子さん)とはちょっと違うような気もするけど…と、先週の前篇から終始半信半疑視聴だったものの、「もうあねさんの悲しむ顔は見たくない」「笑顔でいてほしい」というユウスケ(村井良大さん)の願いがかなって本当によかった。

士(井上正大さん)が伝えた八代の熱意にこたえてショウイチ(山中聡さん)が帰還、「この世界は、この世界のライダーが守る」という着地。士役の井上さんは、世界をひとつめぐるごとにどんどん面構えが良くなってきていますね。そもそも「通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ」という名乗りは、まさに西部劇のさすらいのガンマンのそれでした。

村人を苦しめる悪を退治し、賞賛されてカッコよく去っていくだけではなく、村にずっと定住し家族とともに生業を持って生きるお父さんお兄さんたちを勇気づけ前向きにさせて、子供たちに“悪に苦しめられずにすむ現在”だけではなく、“未来への展望”をも置き土産に、自分は流浪の宿命に戻って行くのが、『シェーン』『荒野の七人』のような、本当のヒーロー。

人物におなじみ感が出来てきたところで、次週・次々週の『電王』篇は憑依にことよせたコスプレ回かな。『アギト』以上にオリジナル未知なので気楽に楽しもうと思います。ユウスケの村井さんに続き、士の井上さんもそれくらい余裕で鑑賞できる安定感が出てきました。


人のために強く

2009-04-02 20:08:58 | 特撮・ヒーロー

いちいち首かしげているだけでは建設的でないので、月河なりにシンケンに考えてみましたよ。

こうすりゃよくなる『侍戦隊シンケンジャー』”。

…いや、いまが「悪い」というわけではないんですけどね。

①:アヤカシが出現しない志葉家での“平時”の衣装をメンバー、統一しましょう。アヤカシ現場に駆けつけて変身名乗りの際、黒子さんが合戦時の本陣風に、紋所入り白幕を張って幟を立て、全員白の単衣に、男子は鉄紺、女子は黄蘗色の袴で並び立ちますが、あれは“ここからはアンリーズナブル、ミスティカルの世界だぞ”という一種の結界を示しているわけですよね。

いま、平時のシンケンメンバーはそれぞれの“持ち色”基調とは言え、そこらの学生やフリーターの通勤時みたいな格好で、志葉家の座敷で食事をしたりしているので、現実世界となし崩し地続き感があり過ぎて、逆に嘘っぽい。

特に、主君=殿様たる丈瑠(松坂桃李さん)までが、他メンバーと同格のカジュアルスタイルというのはいただけません。殿様は他とは別格の聖性、スペリオリティを、まず平時の着物、履き物でも示さないと。

同じ年頃の若者たちなのに、出生、世襲により君/臣の格差が決まっていて動かせないという非現実的な、理不尽でさえある設定に説得力を持たせるべく、もっと“別世界感”醸出に細心になりましょうよ。

せっかくの久々の和もの戦隊、まさかスポーティなジャケに、女子の場合ミニスカというわけにはいかないでしょう(期待する向きは多そうですが)し、純和装では若い俳優さんたちの裾さばき立ち回りがむずかしい、また街中のシーンで道行く人々から歴然と浮き上がるようなのもいかがかということであれば、たとえば“原宿作務衣風”みたいなおシャレなデザインを考えていただきましょう。いやテレビ朝日だけに、原宿じゃなくギロッポン風でもいいですが。戦隊のデザイン担当さんには例年、こういう仕事の天才的に達者なスタッフが揃っているはずです。

②:お揃い衣装が決まったら、OP映像もマイナーチェンジ。モヂカラに覚醒した丈瑠に、流ノ介(相葉弘樹さん)以下ひとりずつ向き直ったら、一列横隊で控えるときは全員その衣装でいくべし。カジュアルな服装の若者たちが、ひとりは主君然と直立、ほかは家来然と膝をついているというのは“ごっこ遊び”みたいで、どうにも安っぽいしイビツ感がある。

ドラマや映画の時代劇を観ていて、同世代でも親代々の家柄で身分の上下や言葉遣いが決まっている前提にイビツ感が生じないのは、「封建時代が舞台だから」という了解がとりつけられているからです。『シンケン』は現代を舞台に、封建時代の身分制度に立脚したフィクションを作っているのだから、「現代は現代でも、ここは特殊なパラダイムに基づく特殊な世界ゆえ、親代々の“殿”に服従しかしずき、食事も殿は一段高い座でとるのが自然なのだ」という納得と了解を、何としてもとりつけてもらわなければ物語に入れません。

しかもお揃い衣装を決めれば、半襟や袖口のディテール、タスキの有無などで家臣間の家格や持ち場を暗示することもでき、ヴィジュアル情報伝達可能量がカジュアル私服の何倍増しにもなります。

③:では志葉家と殿が、どんなふうにどれだけ聖で偉でスペリオルかということを、本編とは別建てで小出しに説得納得させていくためのツールとして、CM前の“お楽しみコーナー”を復活させましょう。

十八代にわたる志葉家のアヤカシとの戦いの歴史を、シャイで偉ぶらずひけらかさずが魅力の殿に代わり、いちばん“主君への服従”関係に懐疑的で嫌悪感を露骨に示していた千明(鈴木勝吾さん)辺りを狂言回しに、志葉家の書庫にもぐり込んで史料を盗み読みするなどの形で、古来から如何にシンケンジャーが外道衆から人々の命を守るため活躍して来たか、志葉家がその統率者一族として代々尊崇を集めて来たかという、“世界観の外堀部分”を徐々に明らかにしていってもらいましょう。

1幕では流ノ介に「シンケンジャーとしてこんなことも知らないとは、親がいい加減だったんだな」と指摘され「当たってるだけにムカつく!」とカッカきていた負けず嫌いの千明のこと、親で差のついた基礎知識を早く吸収して追いつきたい意欲は満々のはずです。この際視聴者もそれに便乗させてもらうとしましょう。

「家臣としての心得ならメンバーの誰にも負けない」つもりの流ノ介が「それはこう読むんだ」とカッコつけて教授しようとして、爺(伊吹吾郎さん)が見かねて後ろから忍び寄り「これこれ、知ったかぶりをするでない、それはそもそも…」と一席ぶつ場面もあっていい。天然キャラのことは(森田涼花さん)が、局アナ時代の有賀さつきさん級のトンデモ読みをかましたり、古文書の間から、幼かりし殿の恥ずかしい写真なんかもヒラヒラ落ちてきて「みんな、シンケンジャーの歴史に興味があるのか、頼もしいことだ」とおっとり構えていた殿が「そっそれは、それだけはダメだ門外不出だXファイルだ」と慌てて追いかけてくることもあるかも。

特撮、ヒーローものに限らず、リアルで日常的な題材の作品でも、ドラマは要するに“どれだけうまく嘘をつけるか”“どれだけ気持ちよく人がダマされてくれるか”の勝負です。

上手な嘘というのは二本立ての戦法があって、背後から不意をつきいきなりガンと草叢に押し倒し、悲鳴を上げる暇もなく両頬を往復ビンタ食らわして気絶寸前にして「ま、まいりました、おっしゃる通りです、なにとぞ命だけは」と言わせてしまうていの嘘がひとつ。

もうひとつは静かな、温かい部屋でくつろがせ茶菓でも出しつつ、「なんかヘンだけど、ま、なくもないか」と思わせる程度の小さーい、大勢に影響なげな無害そうな嘘をじわじわ積み上げて行き、茶を飲み終わってふと気がつけば蟻の這い出る隙間もない嘘の稠密な壁に四方を取り巻かれている…というたぐいの嘘です。

『シンケン』は第1幕からかなりいい感じで草叢に押し倒しはしたのですが、松坂さん扮する殿の孤高の貴種ぶりにすっかり了解取りつけられ済みの人には何の問題もなくても、そこまでは騙されきれないまま、ホコリはらって草叢から起き上がってしまった月河のような視聴者からすると、「いまの時代にあの状況で、殿だ家臣だってアリ?カッコいい?」という摩擦感が残ってしまう。そうなったときの、じわじわ積み上げていつの間にか逃げ場を塞いでおくほうの手法にどうも粗さが目立つ。

「殿カッコいい」「ことは可愛い」「流ノ介おもしろい」という“キャラ萌(燃)え”に頼り過ぎなような気がするのです。「これだけ嘘ついて種蒔いたんだから、食いついて萌(燃)えられる人、波長の噛み合う人だけ客にする」みたいな偏狭さ、作品としての器の小ささがある。いま少し、“良き騙し仕事”に徹する丁寧さ、親切さが欲しい。

親切さと言えば、たとえば前回第7幕でヤミオロロの吐く毒霧に倒れた一般市民たちにも、流ノ介が持ち帰ったカジキ折神の“海水の浄化作用”を示す雨が降りそそいで、高熱に苦しみ命を落としかかっていた人たちが元気になる描写があるとよかったですね。毎話、結構な数の一般人がアヤカシの被害に遭っているのに、“シンケンジャーのおかげで助かった、ありがとうシンケンジャー”という善意のフィードバックがない。“殿”“志葉家”の聖性、被尊崇性に説得力がいまひとつな原因にもなっています。

特に今回のヤミオロロ毒霧攻撃は、近代の流行り病いやスペイン風邪・新型肺炎などのアウトブレイクを指しているのかな?と思わせるリアリティもあっただけに、細部の描写でもう一歩踏み込んでほしかったところです。