弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【恒例】流行語大賞で学ぶ商標2021(第2回)

2021年11月17日 07時10分00秒 | 名作シリーズ(笑)
おはようございます!
気持ちの良い青空広がる@湘南地方です。

さて、今日はこんなネタ。。。

(2)なんて罰当たりな…「親ガチャ」

子供は親を選べない。なんなら生まれてくるかどうかだって選べない。
そこまではそうだし、「生まれながらにして皆平等」なわけがない。
生育環境も遺伝子だって違う。
世の中にはおよそ常識外れな親もいるとも伝え聞くところなので、
回復不能な程度までに不遇な子供というのもいる、とは思う。
そのあたりは、本当に“何とかならんのか?”と思う。

でもねぇ。
たぶんだけど、身の上の不遇、不幸をこんなカジュアルな表現できちゃうくらいなんだったら、
きっと原因はそこだけではないよ。

…なんて、本ブログの本筋を離れて微妙にアツくなってしまいましたが。
ソーシャルゲームにありがちなキャラクター入手方法、いわゆる“ガチャ”に例えて
生まれ落ちた境遇を表す言葉、「親ガチャ」。

親目線からすりゃ全く逆のことを思うんだろうなー、というのはさておき。
この「ガチャ」という語。実は登録商標。


おもちゃ関係(9類、28類)、プログラムの提供(42類)についてはタカラトミーさんが取っている。

ちなみにこれが「ガチャガチャ」だと、バンダイさんが取っている(第2031315号)。

ただまあ、そうはいいつつも「○○ガチャ」だと併存登録されている例も散見されるので、
そこまで“独り占め”な雰囲気ではなさそう。逆に「○○ガチャ」はグリーさんが多数取得している。


まあ「ガチャ」自体が造語だとしても、擬音からくる比較的想起しやすい造語である、ということが下敷きになっていて、
これに別の言葉を接続することで新たな造語が作られて、それはもとの「ガチャ」とは区別がつく=非類似、という構図。
それでもやっぱり、出願して登録していない状態で「○○ガチャ」を使うのはちょっと怖いよな、というところでグリーさんはきっちり保護をしたのかな、と。

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さてさて、話は「親ガチャ」に戻るわけですが、
この言葉を聞いたときに、中学だったか高校だったかの国語の授業で取り上げていた吉野弘の散文詩
「I was born」を思い出した。
「生まれる」という日本語は、受け身。
“I was born”という文も、受動態。

“I was bornさ。受身形だよ。正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね”

そんな邪気の無い言葉を聞いた父の思いと、その後に続く父のモノローグ。
こちらに掲載されているので、読んだことの無い方はご一読を。
「親ガチャ」なんて言葉より、ずっとずっと深く尊い。






コメント
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