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8月の家族たち 【感想】

2014-04-25 00:54:11 | 映画


映画「8月の家族たち」を観る。面白い。
演者たちの圧巻の演技合戦に酔いしれる。

オクラホマ州に実家がある家族の物語。
父親の突然の失踪を機に、離れて暮らす3人の娘(中年女子)と、その家族が集合。
衝突が発生する中で、隠された秘密が明らかになっていくという愛憎劇だ。

人は間違いを繰り返す生き物だ。わかっていても間違いを繰り返す。
自らの人生を意のままにコントロールできる人がどれだけいるだろう。

シンプルに夢を見られた子ども時代は良い思い出ばかり。
だけど、大人になって年を重ねるごとに物事は複雑になっていく。

家族、友人、知人、他人との人間関係の中で、
正直に自らをさらけ出すことが難しくなるのだ。

そんな人生の在り方みたいなものが、本作の家族を通して透けて見える。
本作に出てくる人たちは、皆、真実に抗う人たちばかりだ。

単純なハッピーエンドでは終わらない。
ビターな後味を残すドラマだが、作り手の視点に終始、愛がある。
「だから人生は面白い」と。

本作の原作は戯曲で、元々舞台劇だったらしい。
役者の演技力にフォーカスされる舞台劇だ。
その表現技法が映画に代わっても、その本筋は変わらないようだ。

揃いに揃った演技派たちの競演と、その演技合戦に引き込まれる。

一家の母親役にメリル・ストリープ。その妹役のマーゴ・マーティンデイル。
失踪する父親役はサム・シェパード。3人娘にジュリア・ロバーツ、
ジュリアン・ニコルソン、ジュリエット・ルイス。
その家族に、ユアン・マクレガー、アビゲイル・ブレスリン、
クリス・クーパー、ベネディクト・カンバーバッチらが名を連ねる。

どのキャストにも見せ場があり、「役者冥利に尽きる」と言わんばかりの、
見事なパフォーマンスで応えてみせる。

今年のオスカーで「またかー」と本作により主演女優賞にノミネートされた、
メリル・ストリープだが、文句なしに巧い。本作の牽引役として凄い存在感だ。

マーゴ・マーティンデイルのデブおばちゃんも相変わらず巧い。
ベネディクト・カンバーバッチも冴えない男役に説得力あり。
クリス・クーパーの抑えたノーマルキャラも良い。
本作で初めて見たジュリアン・ニコルソンも好演。一番印象深い。
アビゲイル・ブレスリンは相変わらず肌がツルンツルン。
一方、久々のジュリエット・ルイスはシワシワになってる。

軽快で、真理をグサリと突く会話劇の中で、
キャラクターたちが躍動する。息吹が生々しい。

人生は一筋縄では行かない。だけど人生は続いていく。

家族を持つことの意味は何か。。。

いろいろ想いを巡らすドラマだった。

【75点】

コメント
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