楽しみにしていた「アメイジング・スパイダーマン2」を観る。
期待ハズレ。どうしたマーク・ウェブ!?
2012年の新生スパイダーマンの続編だ。サム・ライミ版からの刷新に成功した前作。
監督マーク・ウェブの色がしっかり出ていて、イケてるピーターが上手くハマった。
3D表現を最大限に活かしたダイナミックな空中アクション。
クモの糸(?)の可能性を突きつめたユーモアたっぷりの演出。
前作に引き続き、ピーターの軽快で楽しいポジティブな個性。
どれも前作を上回っている。
無敵過ぎるヒーロー像も気持ち良いくらいだ。
思い入れのない映画だったら普通に楽しめるレベルだ。
しかし、ストーリーの情報量を増やしたことが失敗。
情報量を増やしても、まとめきれなかったか。散漫な内容だ。
本作の話の柱は3つ。
①ピーターとグウェンの恋の行方
②今は亡きピーター父の失踪の真相
③新たな敵との対決
それぞれの濃度が濃くて、不味くなってる。
①ピーターとグウェンが、くっついたり離れたりを過度に繰り返す。
プライベートでも関係のある2人だけに、イチャイチャしているみたいだ。
それが馴れ合いに見えて、前作にあったキラキラ感がない。
グウェンが戦いに助太刀するあたりもシラける。
②は良い。
③エレクトロ、グリーンゴブリン。敵の2人の描き方がかなり駆け足。
スパイダーマンを敵対視する動機が「逆恨み」に近く、弱い。
演じたジェイミー・フォックス、デイン・デハーンは予想以上に良かった。
CMで流れる3人目の敵「ライノ」は予想通りおまけ映像。
演じたポール・ジアマッティの勿体なさ。
衝撃の結末も残念。結末の好き嫌いの問題じゃない。
「結局大丈夫なんでしょ?」というユーザー心理を計算できなかったか。
おかげで、こっちはモヤモヤした気分で終わった。
ケジメをつけるのであれば、もっとはっきりした描き方にしてほしかった。
スーパーマン同様、シンプルにヒーロー像が見えてくるスパイダーマン。
なぜ、スパイダーマンは市民の平和と安全を守るのか。
その答えの片鱗がラストで垣間見えるのだが、描き方がクサ過ぎである。
脚本の問題も大きいと思うが、監督マーク・ウェブの演出にキレがない。
娯楽大作を完成させようと、肩の力を入れ過ぎたのではないだろうか。
「3」もあるらしいが、正直あまり期待できなくなった。
前作同様、全米よりも早い日本公開だ。今週末公開の全米で
興行的に評判的に、どんなリアクションのなるのか気になる。
【60点】