から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

囚われた少女たち 【感想】

2016-10-06 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
メキシコのティファナを舞台に少女売春の実態を描いたドラマ。本作で描かれるのはギャングによる犯罪。卑劣な悪行に言葉を失う。街中の少女たちに声をかけ、恋愛関係に持ち込み、洗脳の末、売春婦として働かせようとする。しかし、簡単に洗脳される女子は一握りのようで、そのほとんどが拉致監禁にて仕事を強要し希望を奪っていく。「諦めて仕事をしなさい」と悪びれることなく、少女たちを説き伏せる売春宿の女将に激しい怒りを覚える。19歳で「年を取り過ぎ」と言われ、被害に遭う主人公も14歳であり、そのほとんどが「少女」のようだ。学生時代にカンボジアで泊まった宿で自分が外出時に、現地の小さな女の子を連れた日本人のデブおやじが「休憩」しにきたという話を聞いたのを思い出す。まずは供給側が絶対的な悪だが、不法と知りながら買春する男たちにも大きな問題がある。舞台となるティファナはメキシコでも有名な観光地で、本作の舞台となる町はずれの売春宿にもツアーに組み込まれているように多くの外国人観光客が訪れる。このパターンはおそらく世界中にありそうで、自分がベトナムで泊まった日本人宿のメモ帳に、売春宿に行った日本人が「男たちよ、大和魂を見せてやれ!」と興奮気味にメッセージを残していた。同じ日本人として恥ずかしかった。
いろいろと過去の出来事を思い出させたが、本作は少女売春というテーマに対して、過剰な演出を抑え、ドキュメンタリーのような作りにしている。監督の強いメッセージが伝わる。また、被害にあった少女の悲劇を追うだけでなく、少女を騙した加害者である少年の葛藤や、同じ売春宿で働く少女同士の友情も丁寧に描きこまれる。少女に好意を抱き、少女を救おうとする少年がとる行動がさらなる展開を生み、サスペンスとしても楽しめる映画だった。レンタルの「エロス」コーナーにあるのがひどい。
【65点】
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする