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キャリー 【感想】

2013-11-13 02:28:19 | 映画


1976年に公開されたホラー映画のリメイク「キャリー」を観る。

先日観た「死霊館」。その上映前、隣の席に座っていた女子2人組がしきりに、
「あぁ『キャリー』の方が絶対面白いよー(まだ公開してないんですけど・・)」と言っていたが、
「死霊館」の方がホラー映画としては格段に面白い。

本作はオリジナルのストーリーとほぼ同じ。
なので、オリジナルとの比較は避けられない。
現代に置き換えた本作リメイクを「これはこれでOK」と肯定することができなかった。

公開前から気になっていたクロエ・グレース・モレッツのキャリー役の起用。
客寄せとして人気絶頂の女優をキャスティングすることに意義があったのだろうか。

健康的な体格で、顔立ちも可愛いモレッツがどうにも苛められっ子に見えない。

そこはモレッツの演技力で、陰鬱な「キャリー像」をカバーできている部分もあるが、
油断すると、やっぱり可愛いのだ。これが感情移入を邪魔してくれる。

「500日のサマー」や「キックアス」から数年しか未だ経っていない。
16歳とは思えぬほど大人びて綺麗になっているが、
ヒットガールでも印象的だったトンガった上唇はそのまま。
自分でも気持ち悪いと思うが「あー可愛い!」と何度も心中でつぶやく。

オリジナルでは根暗感たっぷりのシシー・スペイセクだったからこそ、
プロムでの儚い輝きが一際まぶしく映り、その後の惨劇が常軌を逸したものに映る。
夢の世界から地獄へ転げ落ちる落差とスピードこそが恐怖となった。

リメイク版の本作では、ずっとイケてる女子に見えてしまうキャリーであるため、
そのムーブメントが起きづらい。キャリーによって観客を怖がらせることに失敗している。

恐怖を感じたのは、オリジナルにはなかったキャリーの母親の狂信ぶりだろうか。
このアレンジは結構効いた。ドアを血まみれになりながら壊すシーンの怖いこと。笑
ジュリアン・ムーアをその役に配したのが成功。リアル魔女。さすがの演技派である。

本作は、キャリーをいじめた悪女に復讐するアクションスリラーとして捉えたほうが自然か。
イジメをした女子の悲惨過ぎる末路含め、非常に痛快だ。

期待が大きくなかったぶん、落胆も少ないが、満足度は低い。
本作に関わらず傑作映画のリメイクはオリジナルをなぞるよりも、
大きくアレンジを加えた方が良いのではないかと改めて思う。
今年公開された『死霊のはらわた』が良い例だろう。
逆に、オリジナルの設定を置き換えただけのリメイク映画で
面白い映画に当たったことがない。。。

【60点】
コメント
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