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死霊館 【感想】

2013-11-07 23:40:25 | 映画


1800円で映画を観たのは何年ぶりだろうか。。。。

今年全米で大絶賛され、興行的にも大ヒットしたホラー映画「死霊館」。

近場の映画館では上映されておらず、
やむなく値引きサービスに乏しい新宿ピカデリーで観た。

面白い。そしてハンパなく怖い。ホント怖かった。
このジャンルにさほど明るくないが、ホラー映画の新たな傑作と言いたい。

本作は1971年に実際に起きた心霊事件の映画化だ。
当時実在した超常現象研究家のウォーレン夫妻が、
片田舎に越してきた7人家族にとりついた悪霊と対峙する話である。

「悪霊は人間の恐怖を好物にしている」

登場人物とともに観客も、その恐怖を体感することとなる。
物語のプロットに真新しさはない。そのシーンの多くはどこかで観たことがあるものだ。
しかし、恐怖へのアプローチがこれまでのホラー映画と一線を画す。
ホラー映画の古典的な手法を忠実に抑えながら、
見えてしまう恐怖と見えない恐怖を自在に操って魅せる。

本作では特に見えない恐怖が効果的に描き出される。これが怖い。。。
恐怖が生まれ出るタイミングがわかってても怖い。何度も戦慄が走る。

本作の魅力の1つは主人公のウォーレン夫妻だろう。
彼らは研究家であるが、オカルト好きではない。
全米で起きる数々の心霊事件をロジカルに科学的に解決しようとする。
悪魔祓いを行うためには教会側への事務手続きが必要であるなど、
リアリティたっぷりで、彼らの言動にはひとつひとつ説得力が伴う。
なので、彼らを見守るこちら側の感情移入もスムーズに行く。
ユーモアは排除され、決死の覚悟で事件に立ち向かう彼らの姿に緊張感が帯びる。

ウォーレン夫妻の妻「ロレイン」は透視能力を持っているので、見えないものが見える。
ロレイン演じるヴェラ・ファーミガの、その時のリアクションがリアルだ。さすがである。
彼女のミステリアスな表情とホラーとの相性は想定以上だった。
1人の妻として、1人の娘を持つ母として、強く心優しい女性を好演している。

自分が本作を観て印象的だったのは、その怖さもさることながら、
血の通った人間ドラマとしての側面だ。実在の人物を描く製作側の誠意ともとれる。

悪霊に翻弄される家族は、父母と5人の可愛い娘を持つ明るく穏やかな一家だ。

自らの危険を顧みず「彼らを何とか助けてあげたい」という
ウォーレン夫妻の決意に胸を打たれる。

恐怖とスリルの波状攻撃となるクライマックスには、
まさかのエモーショナルなラストが待っていた。

監督はジェームズ・ワン。「ソウ」から始まり、演出手腕のキレが増しているようだ。

会社帰りの夜に観たが、水曜日のレディースデーであったため、
ホラー映画にも関わらず女性層が結構多かった。
恐怖のあまり泣き出す声が聞こえたと思えば、
終盤、感動のあまりすすり泣く声が漏れたり、女子たちは忙しい。。。

そのリアクションの数々に映画に集中できない場面もあったが、
久しく感じてなかった映画館で映画を観るという感覚を味わう。
だけど、1800円はやっぱ高すぎるなー。映画の善し悪しに関係なく。

【75点】
コメント
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