ジェイソン・ライトマンの新作「ヤング≒アダルト」を観た。
本作はバツイチのアラフォー女子が、かつて(花の高校時代)の栄光を
取り戻すために、子どもが生まれたばかりで家庭円満の元カレを奪いに行く話だ。
まだ34歳というハリウッドの若き名匠、ライトマンの映画、
本作もやっぱり面白い。
この人の映画のプロットはいつもユニークで巧妙である。
そして描かれるキャラクターは皆魅力的だ。
長編デビュー作となった「サンキュー・スモーキング」では
喫煙を推奨するために奔走するタバコ研究者の広報部長の話。
次作で初のオスカーノミニーにもなった「ジュノ」では
予期せぬ妊娠をしてしまった16歳の少女の話。
3作目となった「マイレージ、マイライフ」では
1年のうち300日以上を解雇宣告人として全米各地を飛び回り、マイルを貯め続ける男の話。
4作目となる今回の主人公はヤングアダルトという小説ジャンルのゴーストライターという設定。
大人になりきれない(ヤング≒アダルト)アラフォー女子という、2つの意味が掛かっている。
本作の主人公の暴走ぶりは甚だしいので、はたから見れば単なる迷惑女なのだが、
悲哀の情が湧く、愛すべきキャラクターになっているのが印象的。
主演を演じたのはシャーリーズ・セロン。
「彼女が本作のオファーを断ったら、この映画は撮らなかった」という
ライトマンの期待に見事応えた好演だ。
コーラをガブ飲みしてゲップをしまくるような、
珍しいシャーリーズ・セロンを本作で見ることができる。
また、「ジュノ」で当時、オスカー脚本賞をとったディアブロ・コーディが
再び本作の脚本を描いた。
「初めてあなたにフェラをした時に、この音楽が流れていたの、覚えてる~」
みたいな、下ネタ、毒ッケ満載のセリフ回しが本作でも炸裂するが、
一貫してキャラに対する温い視点がその根底にあるため、
単なるお下劣映画ではなく、楽しくも、
実は深い人間ドラマになっている。
様々な対比を散りばめて、映画のテーマを浮き彫りにする、
ライトマンの演出も見事。
ラスト、主人公の女子が見出したゴールが
個人的には物足りず、もう少し描いてほしかったが
上映時間が足らないくらい楽しめた映画だった。
【65点】
本作はバツイチのアラフォー女子が、かつて(花の高校時代)の栄光を
取り戻すために、子どもが生まれたばかりで家庭円満の元カレを奪いに行く話だ。
まだ34歳というハリウッドの若き名匠、ライトマンの映画、
本作もやっぱり面白い。
この人の映画のプロットはいつもユニークで巧妙である。
そして描かれるキャラクターは皆魅力的だ。
長編デビュー作となった「サンキュー・スモーキング」では
喫煙を推奨するために奔走するタバコ研究者の広報部長の話。
次作で初のオスカーノミニーにもなった「ジュノ」では
予期せぬ妊娠をしてしまった16歳の少女の話。
3作目となった「マイレージ、マイライフ」では
1年のうち300日以上を解雇宣告人として全米各地を飛び回り、マイルを貯め続ける男の話。
4作目となる今回の主人公はヤングアダルトという小説ジャンルのゴーストライターという設定。
大人になりきれない(ヤング≒アダルト)アラフォー女子という、2つの意味が掛かっている。
本作の主人公の暴走ぶりは甚だしいので、はたから見れば単なる迷惑女なのだが、
悲哀の情が湧く、愛すべきキャラクターになっているのが印象的。
主演を演じたのはシャーリーズ・セロン。
「彼女が本作のオファーを断ったら、この映画は撮らなかった」という
ライトマンの期待に見事応えた好演だ。
コーラをガブ飲みしてゲップをしまくるような、
珍しいシャーリーズ・セロンを本作で見ることができる。
また、「ジュノ」で当時、オスカー脚本賞をとったディアブロ・コーディが
再び本作の脚本を描いた。
「初めてあなたにフェラをした時に、この音楽が流れていたの、覚えてる~」
みたいな、下ネタ、毒ッケ満載のセリフ回しが本作でも炸裂するが、
一貫してキャラに対する温い視点がその根底にあるため、
単なるお下劣映画ではなく、楽しくも、
実は深い人間ドラマになっている。
様々な対比を散りばめて、映画のテーマを浮き彫りにする、
ライトマンの演出も見事。
ラスト、主人公の女子が見出したゴールが
個人的には物足りず、もう少し描いてほしかったが
上映時間が足らないくらい楽しめた映画だった。
【65点】