から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

ヤング≒アダルト 【感想】

2012-02-26 08:37:51 | 映画
ジェイソン・ライトマンの新作「ヤング≒アダルト」を観た。

本作はバツイチのアラフォー女子が、かつて(花の高校時代)の栄光を
取り戻すために、子どもが生まれたばかりで家庭円満の元カレを奪いに行く話だ。

まだ34歳というハリウッドの若き名匠、ライトマンの映画、
本作もやっぱり面白い。

この人の映画のプロットはいつもユニークで巧妙である。
そして描かれるキャラクターは皆魅力的だ。

長編デビュー作となった「サンキュー・スモーキング」では
喫煙を推奨するために奔走するタバコ研究者の広報部長の話。
次作で初のオスカーノミニーにもなった「ジュノ」では
予期せぬ妊娠をしてしまった16歳の少女の話。
3作目となった「マイレージ、マイライフ」では
1年のうち300日以上を解雇宣告人として全米各地を飛び回り、マイルを貯め続ける男の話。

4作目となる今回の主人公はヤングアダルトという小説ジャンルのゴーストライターという設定。
大人になりきれない(ヤング≒アダルト)アラフォー女子という、2つの意味が掛かっている。

本作の主人公の暴走ぶりは甚だしいので、はたから見れば単なる迷惑女なのだが、
悲哀の情が湧く、愛すべきキャラクターになっているのが印象的。

主演を演じたのはシャーリーズ・セロン。
「彼女が本作のオファーを断ったら、この映画は撮らなかった」という
ライトマンの期待に見事応えた好演だ。

コーラをガブ飲みしてゲップをしまくるような、
珍しいシャーリーズ・セロンを本作で見ることができる。

また、「ジュノ」で当時、オスカー脚本賞をとったディアブロ・コーディが
再び本作の脚本を描いた。

「初めてあなたにフェラをした時に、この音楽が流れていたの、覚えてる~」

みたいな、下ネタ、毒ッケ満載のセリフ回しが本作でも炸裂するが、
一貫してキャラに対する温い視点がその根底にあるため、
単なるお下劣映画ではなく、楽しくも、
実は深い人間ドラマになっている。

様々な対比を散りばめて、映画のテーマを浮き彫りにする、
ライトマンの演出も見事。

ラスト、主人公の女子が見出したゴールが
個人的には物足りず、もう少し描いてほしかったが
上映時間が足らないくらい楽しめた映画だった。

【65点】


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2011年下半期 DVD(旧作)映画 私的ベスト5

2012-02-26 01:40:25 | 勝手に映画ランキング
日付変わって、アカデミー賞を明日に控え、
2011年に観た映画の振り返りをしようと、
TSUTAYAログで自分がレンタルしたDVDを確認してみた。

で、2012年の2月末という今更ながら、
2011年レンタルしたDVDの中で好きになった映画をランキングしてみる。

ホントは2011年で見たDVDすべてを対象にしたかったのだが
過去半年以内しかストックされておらず、
上半期のタイトルを確認できないため「下半期」とした。

対象は2011年以前に公開された映画、
準新作、旧作DVDのタイトルで
自分が見た61タイトル(邦画・洋画問わず)


 1.『扉をたたく人』 
   (監督トム・マッカーシー 主演リチャード・ジェンキンス)
 
 2.『愛する人』 
   (監督ロドリゴ・ガルシア 主演ナオミ・ワッツ)

 3.『あの日、欲望の大地で』 
   (監督ギジェルモ・アリアガ 主演シャーリーズ・セロン)
 
 4.『ラスト3デイズ すべて彼女のために』 
   (監督フレッド・カヴァイエ 主演ヴァンサン・ランドン)

 5.(該当なし)


1位の「扉をたたく人」と2位の「愛する人」は甲乙付け難しな素晴らしい映画。

ブログ感想に残していなかった3位と4位の2作品の以下寸評。

「あの日、欲望の大地で」(80点)
 愛し、愛されることをやめない人間の性を描いた傑作。
 イニャリトゥ映画で馴染みの脚本家、アリアガの初監督作で、
 人間の本性を丸裸にした彼らしい世界観がとても好きだ。
 主演のシャーリーズ・セロンは勿論のこと、彼女の若き日を演じた
 ジェニファー・ローレンスがひたすら素晴らしい。

「ラスト3デイズ すべて彼女のために」(75点)
 フランス映画には珍しい、スリリングな本格サスペンス映画。
 愛する妻を守るため、国語教師のナリフリ構わぬ突進ぶりが痛快。
 トリリンガルのダイアン・クルーガーはフランス語も堪能。
 やっぱ綺麗で惚れ直した。。。

 
ちなみに2011年DVDで見たワースト映画は

『シルビアのいる街で』(30点)
 これほどまでに観る側の想像力に委ねる映画も稀。
 想像力の足らない浅はかな自分にとっては甚だ退屈な映画。
 「これで商用映画が成り立つんだったら、
  自分でも映画撮れるわ」と普通に思ってしまった。 














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