から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

永遠の僕たち 【感想】

2012-02-04 02:57:27 | 映画
ガス・ヴァン・サントの新作「永遠の僕たち」を
劇場公開終了ギリギリで観た。

本作は、死にとりつかれた青年と、
余命3ヵ月の少女とのラブストーリーである。

まず、青年イーノックを演じたヘンリー・ホッパーが、
おととし逝去した実父、デニス・ホッパーと顔が瓜2つなのにビビッた。
アゴのライン、鼻の形など、これほどまで親のDNAを受け継ぐ2世俳優も稀有だ。

イーノックは過去の交通事故で経験した臨死体験から、
加瀬亮演じる日本の特攻隊員の幽霊(ヒロシ)と友達になる、
というトンデモない設定なのだが、加瀬亮の存在感からか、
監督の演出によるものかわからないが、すごいフィット感。
そこには不自然なのに自然という不思議な空気感がある。

少女アナベルを演じたのは、ミア・ワシコウスカ。
ミア・ワシコウスカ、ミア・ワシコウスカ、ミア、わし、こうスか。。。
なぜか何度も言いたくなる名前だ。
昨年彼女は、ジェシカ・チャステインと並び、
アルバート・ノッブスやジェーン・エア等の良作に出演し、
大きなキャリアップを果たした女優として知られている。

自分はまだ、キッズ・オールライトでのむっつりスケベな印象しかないが、
本作でも、彼女が監督たちに好かれそうな存在感をもっているなーと思った。

しかし、個人的に本作の彼女はダメだった。

チャーミングとは言い切れない、ちょっとキツめの顔立ちが、
本作のエキセントリックな雰囲気がありつつ、
全てを肯定するような柔らかいオーラを纏うアナベルのキャラに合わず。

また「死の喪失感」というものが本作の最大のテーマだと思われるのだが、
余命3ヵ月なのに、体型も変わらず基本元気で、死にそうな感じもない。

「ヒロシ」という幽霊が存在するように、ある意味メルヘンな映画なので
あえてそうしてるのかもしれないけど、自分は賛成できず。「死」は「死」なのだ。
よって「死の喪失感」→「からの希望」という最終的なメッセージも弱い。

ガス・ヴァン・サントっぽい若さをみずみずしく描くタッチは健在。

センスのない邦題が多い中、本作の「永遠の僕たち」はドンピシャ。
本作を一言で言い表す素晴らしい邦題だと思うが、内容がちと残念。

【55点】


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする