JTB[旅物語]が主催する台湾旅行、「たっぷり10都市 はじめての台湾 5日間」のツアーは、今回の「龍山寺」の見学を以って最終となります。
龍山寺は"台北最強のパワースポット”と言われている観光名所です。
その龍山寺をご紹介して「台湾旅行」シリーズを終わりたいと思います。
「龍山寺」
龍山寺は清時代に建てられた台北最古のお寺で、故宮博物館や中正紀念堂などと並ぶ台北の一大観光名所となっています。
この寺院は清時代の乾隆3年(1738年)、大陸福建省泉州から渡ってきた漢民族の移民たちによって創建され、福建普江安海龍山寺の分霊を勧請しました。
その背景には、漢民族が台湾北部へ移民してきた当時、余りにも地の環境が悪く、「三在六亡一回頭」といって、移民してきた10人のうち3人が残り、6人が死亡し、そして1人は帰国すると言うような状態だったことがあるようです。
このようなことから、龍山寺には、「神様に保護していただけるように」という移民たちの切実な想いが込められているのだそうです。
龍山寺は創建以来、約280年経つ台北で最も歴史のあるお寺で、願い事をすればご利益があるとして地元の人からも厚い信頼を受けています。
拜拜の日(旧暦の1日と15日)やお正月は参拝者で境内が埋め尽くされ、身動きもとれないほどの盛況だそうです。
龍山寺の正式名称は「艋舺龍山寺(もうこうりゅうざんじ)」で、艋舺は現在の萬華地区の意味で台北発祥の地と言われています。
伝統的な中国の 四合院宮殿式を採用し、北を背に前殿、本殿、後殿、左右の鐘樓、鼓樓と回廊で「回」の形に構成されています。
道教や儒教の影響を受けていますが基本的には仏教寺院で、本尊には観音菩薩を祀っています。
第二次世界大戦中には、米軍の空襲により本殿が全焼する大惨事だったにもかかわらず、この観音菩薩像だけはまったくの無傷だった為、当時、観音様のお膝元は絶対安心だと信じられ、空襲の度に人々は龍山寺に集まったと言われています。
現在の伽藍(がらん)は1953年に再建されたもので、今も昔と変わらず龍山寺は台灣の人々の心の寄りどころとなっています。
龍山寺は、芸術的価値も高く国の二級古跡に指定されています。
そり返った屋根の上の龍や鳳凰(ほうおう)は色鮮やかな瑠璃細工でできていて、その精巧さは目を見張るものがあります。
「銅雕龍柱」
本殿前方の左右に配された一対の「銅雕龍柱」。
1920年代の作品で、台湾では石製の柱が一般的ですが、台湾唯一の銅製の龍柱だそうです。
立体感溢れる龍が見事に表現されています
「おみくじ」
台灣のお寺でよく目にする赤い三日月型のおみくじ(筊杯)、正確な引き方はちょっと複雑です。
①筊杯(ジャオベイ)を1セット胸の前に持ち、氏名、住所、生年月日、お願い事を神様に伝えます。
②筊杯を手中から地面に落とします。
③落ちた筊杯の表(平面)裏(ふくらみ)の組み合わせを見て、神様の心意を読みます。
・聖杯(裏と表) > 願い事が聞き入れられました
・笑杯(両面とも表) > もう一度お願いしてください
・怒杯(両面とも裏) > もう一度お願いしてください
※聖杯(裏と表)が出るまで筊杯を落とし続けます。
⑤聖杯(裏と表)がでたらおみくじを引いて、番号を覚えます。
⑥その番号が正しい答えか確認するため、もう一度筊杯を落とします。
⑦聖杯(裏と表)が出たらそれが最終的な答えという意味です。横に設置してある木箱から同じ番号のおみくじを取ります。
⑧笑杯(両面とも表)、怒杯(両面とも裏)がでたら①からやり直します。
ファイナルアンサーを得るまでに、何度も神箸を落とす人もいれば、不思議とすんなりと番号をゲットできる人まで様々なのが面白い台湾版おみくじです。
「鐘鼓樓」
龍山寺の境内の総面積約は1800坪で、御本尊を祀った本殿を中心にして、周囲に前殿、東側の鐘楼、後殿、西側の鼓楼が配置されています。
「龍山寺の神様」
龍山寺には、100以上の様々な神様が祀られいますが、そのためご利益を求めて集まる人が多く、特に旧暦の毎月1日と15日そして正月は指定参拝日となっており大変混みあいます。
龍山寺に祀られている神様の中で女性に人気があるのが安産と恋愛の神様です。
特に恋愛の神様である「月下老人」のところではおみくじを買うと赤い糸がもらえます。この赤い糸を大事にもっていれば結婚相手に巡り合えると言われています。
本殿に祀られているのはすべで仏教の神様です。
そして後殿には主に道教の神様が祀られています。こちらは学問や商売、子宝、恋愛などそれぞれの分野によって分かれています。
学問の神様「文昌帝君」
「文昌帝君」は学業と試験の神様です。
台湾の受験シーズンの5~6月になると、たくさんの受験生やその保護者が詰めかけます。
合格祈願は神様に名前と住所、生年月日を告げて、「○○に受かりますように!」と願い事をし、神様の前にある「准考證影本放置處」に受験票のコピーを投函します。
「關聖帝君」
商売繁盛の神様です。
「中華民国総統府」
ガイドさんが中華民国総統府(ちゅうかみんこくそうとうふ)を示してくれたので撮影しました。
中華民国総統府は、中華民国の元首および首脳である中華民国総統が執務をおこなう官邸です。
この建物は日本統治時代の1919年3月31日に完成した建物(設計:長野宇平治)で、台湾総督府として利用されていました。
第二次世界大戦末期の1945年5月31日、アメリカ軍による空襲によって内部が全焼し中にいた職員の多くが死傷、建物も大きく破損しました。
大戦終結後に台湾へ進駐した中華民国政府が接収し、1948年に蒋介石総統の生誕60周年を記念して修復し、「介寿館」と名を改めたそうです。
1963年、室内の大理石を補充したのに続いて1978年と2001年にも庁舎を大規模に修理をおこなっています。
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