らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

世間ずれ

2021-01-16 | 雑学

文化庁が行っている事業に「国語に関する世論調査」があります。
以前の調査で、「彼は世間ずれしているから、この仕事には合わないだろう。」 などと使われる「世間ずれ」の意味について尋ねたところ、世代によって違う意味で用いられている傾向があることが分かったそうです。
そこで、今日はこの調査結果についてご紹介します。

「調査結果」
この調査で、「世間ずれ」の意味について尋ねた結果は次のようになっています。
(ア) 世の中の考えから外れている・・・・・・・・32.4%
(イ) 世間を渡ってきて、ずる賢くなっている・・・51.4%

皆さんは(ア)と(イ)のどちらの意味だと思われますか?
「世間ずれ」を広辞苑で調べてみると、『世間にあって苦労し、悪賢くなっていること。』と説明しています。
辞書が示すように、本来の意味は(イ)の「 世間を渡ってきて、ずる賢くなっている」なのです。

・年代別の結果です。(青の線が本来の意味です)


調査結果をみてみると、全体では本来の使い方である(イ)の「世間を渡ってずる賢くなっている」と回答した人の割合が5割強で、本来の使い方ではない(ア)の「世の中の考えから外れている」と回答した人の割合は3割強になっています。
これを年代別でみると、10代は60%、20代は53%以上の人が本来の意味でない(ア)を選んでいます。
この傾向は40代を境にして逆転し、60歳以上では(ア)が18%、本来の意味である(イ)と回答した人は66.3%となっており、年代が高くなるほど本来の意味を選んだ割合が高い結果となっています。

「誤解の原因」
「世の中の考えから外れている」という意味での用法が広がっている要因は、「世間ずれ」の「ずれ」を「擦れる」の「ずれ」ではなく、物事が食い違う、外れるという意味の「ずれ」として受け取っていることや、「世間離れ」などの言葉から影響を受けていることが考えられるということ。
更に、冒頭の「彼は世間ずれしているから、この仕事には合わないだろう」というような文では、発言者とそれを受け止める聞き手とのそれぞれが別の意味に捉えていても、文脈による違和感がないため、話がスムーズに進んでしまうところがあるのではないか、とも言われています。

「世間ずれ」の
「ずれ」を漢字で書くと「擦れ」であり、「世間からずれている」という意味ではありません。
間違って使用しないように気をつけたいですね。


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2 コメント

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いまはむかし  (もののはじめのiina)
2021-01-16 10:27:45
言葉は、時代とともに解釈がずれていくのだなぁと思わされました。

「世間ずれ」の意味が、表グラフのように「世の中の考えから外れている」と若者に印象されがちな傾向がみてとれます。
「世間を渡ってずる賢くなっている」と正しく理解したいものです。


幼いころは、明治生まれのお爺さん、お婆さんがいました。
令和の世のiinaは、平成をはさんだ三時代前の昭和生まれですから、幼いころの明治に匹敵するお爺ちゃんです。

いまや随分と生活の利器を、それが当たり前のように便利に使っています。
ふと、幼いころの生活を思い出して、便利になったものだとつくづく実感します。


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ずれている (hide-san)
2021-01-16 17:18:38
意味合いがずれている言葉は、だんだん増えてきていますが、
現代多く使われている意味合いのものが、
その内正しいということになるのでしょうね。
つまり、本来の意味は、頭が古い、と言うことになりそうです。
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