苦肉の策
今、沖縄県と国が激しく対立しています。
世界で一番危険と言われている米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設する問題で、移設に反対を表明して知事になった現在の翁長知事は工事を中止させる方法が見つからず、「苦肉の策」として、「知事の許可を得ずに岩礁破壊がされた蓋然性が高いと思量されることから、県の調査が終了するまで海底面の現状を変更する行為のすべてを停止するよう指示し、沖縄防衛局が指示に従わない場合は、2014年8月に仲井真前知事が出した「埋め立て工事で岩礁を破壊する許可」を来週にも取り消すと申し立てました。
これに対して沖縄防衛局は、行政不服審判法に基づき、指示の取り消しを求める審査請求と、審査結果が出るまで指示の執行停止を林芳正農相に申し立て、農相は「沖縄県知事の指示には正当性がない」とする判断に傾き、30日にも発表する予定と、昨日の新聞は報じていました。
今回の辺野古移設を始め、沖縄をめぐる各種の対立問題について、沖縄問題に詳しい某評論家は、将来沖縄を自国領としたい中国が沖縄県の反対勢力に大量の活動資金をばら撒いて支援していると語っており、既に沖縄には中国の手があちらこちらに伸びてきているのだそうです。
国の安全保障は県に判断を委ねるべき問題ではなく、国が主体的に決めていくべき問題である筈です。
沖縄県知事はポピュリズムを煽るのではなく、沖縄県は日本の国土の一部であること、中国の脅威に対するには辺野古へ移設が最善の方法であることなどを冷静に判断し、国と連携をしながら日本の安全保障に積極的に取り組んでほしいものです。
さて、時事問題はこのくらいにして、今日は「苦肉の策」の語源を調べました。
「苦肉の策」という言葉は、『三国志演義』の「赤壁の戦い」で、劉備・孫権連合軍が曹操軍の艦隊を焼き払うためにとった奇策「苦肉計」が語源だと言われています。
「赤壁の戦い」で赤壁に布陣した連合軍に対し、曹操軍は3倍という兵数でした。
周瑜(しゅうゆ)配下の黄蓋(こうがい)は、この劣勢を前に有力な対抗案を出せないとして司令官である周瑜を罵倒します。
これを咎めた周瑜は兵卒の面前で黄蓋を鞭打ちの刑に処し、これにより重傷を負った黄蓋は、敵である曹操軍に投降を申し出たのです。
一連の出来事は間者が報告していたため、曹操はこれを受け入れて一旦自軍へ招きますが、黄蓋の書面を見て策を看破し、「私を苦肉の計で騙そうというのか」と詰問します。
しかし、孫権軍の使者である闞沢(かんたく)が曹操を丸め込んで黄蓋の投降を成功させたのですが、実はこれは周瑜と黄蓋が曹操を欺くために仕組んだ策略でした。
首尾よく曹操軍に潜り込むことに成功した黄蓋は、艦隊や軍営に放火し、曹操軍を壊滅に追い込んだと言われています。
この故事から、「苦肉の計」とは、自らの体(肉)や味方を苦しめることによって敵を欺く計略のことですが、そこから生まれたと言われる日本語の「苦肉の策」は、「苦」という語からの連想で、「苦し紛れに考え出した手段」、「切羽詰まった状態から逃れるために取る手段」の意味で用いられるようになったと言うことです。
しかも、この言葉が三国志から出ているとは面白いです。
東京タワーの廻りの変化が著しく、スカイツリー周辺はこれからでしょうから、東京タワーからの眺望は結構たのしめます。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/f13f20b4b917e556980d4fd8529884b9