先月、弊ブログに松浦佐用姫伝説を取り上げました。
この伝説は「羽衣伝説」「浦島伝説」と共に「日本三大悲恋物語」に数えられるということですが、一説には浦島伝説に代わって「竹取伝説」が入るという説もあるようです。
そこで、今日はその「竹取伝説」から、かぐや姫が昇天の時に詠んだ歌をご紹介します。
竹取物語は平安初期にできた最古の作り物語です。
物語では、竹取の翁(おきな)が竹の中から得て育てた美女・かぐや姫が貴公子の熱心な求婚を難題を出して退け、時の帝のお召しにも応じず、ついに八月の十五夜に月の世界に帰っていく物語です。
この竹取物語は現在放送されているNHKの朝の連ドラ「エール」の中にも挿入されていました。
ドラマでは、主演の古山裕一にとって運命の人となる、二階堂ふみ演じる関内音が小学生の時、学芸会で主役のかぐや姫を演じたことや、古山裕一が国際作曲コンクールのための曲作りに行き詰っていた時、文学好きの盟友・村野鉄男が満月を見て何気なく口にした詩歌を聞いて、瞬く間にメロディを書き上げたのが交響曲「竹取物語」でした。
この時、鉄男が口にしたのが「竹取物語」の終盤に登場する次の歌です。
「今とて 天の羽衣 着る折りぞ きみを哀れと 思い知りぬる」
意訳:今はもうこれでお別れと、天の羽衣を着る時になって貴方(帝)のことをしみじみと慕わしく思い出します。
・かぐや姫昇天の一コマです(ネットより)
この歌は、いよいよ月に帰らなければいけなくなったかぐや姫が熱烈な求婚者・帝に対して贈った歌なのです。
迎えに来た月からの使者により「天の羽衣」を着せられそうになったかぐや姫は、「天の羽衣」を着ると天人となり、地上で感じていた物思いや人情が消えてしまうため、その直前に帝に対し敬意や感謝を歌に込めたのでした。
かぐや姫は使者が持ってきた「不死の薬」を少し舐め、残りを形見として帝に贈りました。
そして使者に天の羽衣を着せられると、竹取の翁への恩や帝へ思いは消え去り、月へと昇っていったのでした。
「地上に来た理由」
でも、かぐや姫は何故地上に降りてきたのでしょうか?
竹取物語には、次のように記されています。
「いささかなる功徳を、翁作りけるによりて、汝が助けにとて、片時のほどとて下ししを、そこらの年ごろ、そこらの黄金賜ひて、身を変へたるがごとなりにたり。かぐや姫は罪を作りたまへりければ、かく賤しきおのれがもとに、しばしおはしつるなり。罪の限り果てぬれば、かく迎ふる。」
現代語訳では次のようになります。
「わずかばかりの善行を翁が成したことによって、おまえの助けにしようと、ほんのしばらくの間ということで下したのだが、長い年月の間に、多くの黄金を賜って、生まれ変わったようになってしまっている。
かぐや姫は、罪をお作りになったので、こんなに賤しいおまえのところに、しばらくいらっしゃったのだ。罪の償いのために下界に下った期間が終わったからこうして迎えに来たのだ。」
迎えにきた天上界の王は、「月の都で罪を犯したので」と言っただけで、どのような罪なのかは言っていません。
それにしても天の羽衣を着ると、地上で感じていた感謝や人情などの感情が消えてしまい、翁や帝の愛情を袖にして天上へと昇っていく。
かぐや姫はなんと無慈悲で謎の多い姫なのでしょう。
翁が不憫(ふびん)でなりません。
最近では、アニメ「かぐや姫」が面白かったです。^^
http://www.ghibli.jp/kaguyahime/
かぐや姫は、結婚を求める相手に無理な注文をして逃げますが、絶世の美女・小野小町も百夜通うなら結婚に応じると言い訳します。
深草少将は、九十九夜通いつめ、あと一夜のその日に・・・。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/00ecaa99ad719deadba0dbb480de7cf4
遊びは、子供同士の肝だめしというより、暗闇に人魂を燃やしてヒトを驚かそうとたくらんだものでした・・・。
昔は土葬していたため、死体からリンという科学物質が出てきて、雨水と反応して光るという説がありました。
あるいは、左様カナ ❔
実際には全文を読まないと・・・・。