そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

『ノマドと社畜』 谷本真由美

2013-02-11 15:28:47 | Books
ノマドと社畜 ~ポスト3.11の働き方を真剣に考える
谷本真由美(@May_Roma)
朝日出版社


著者の@May_RomaさんのTwitterやコラムはよく読ませてもらっているので、個人的にはこの著作(Kindleのみでの発刊)によって新たな知見を得られたことはあまりなかったというのが正直なところ。
が、主張されていることはよく理解できるし、改めて自分自身の生き方について考えさせられるというか危機感を憶えてしまう。

現在が本当に「ノマド・ブーム」なのかどうかはよく判りませんが、世に流布されている「ノマド」と「社畜」を対立概念として捉え、前者にポジティブな、後者にネガティブなイメージと結びつける風潮に著者は一石を投じます。
英国での実例を基に本当の「ノマド」が如何にプロフェッショナリティを要求される厳しい働き方であるか、また「社畜」で居られることが現代のグローバル経済社会において如何に恵まれた甘やかされた立ち位置にあるかが示されます。

いずれにしても問われるのは、所属や肩書から離れて、自分自身が「何を成果物として提供できる」能力があるかを説明できるかどうか。
それができる人は食いっぱぐれることが無く、世界中のどこでも職を得ることができる。
それができない人は居場所が無くなっていく。

この本は基本的にはこれからキャリアを形成していく若い世代に向けた書かれたものだと思いますが、自分のように「社畜」生活を続ける中でいつの間にか中年に差し掛かってしまった人間にとっても、まさに切実さをもって直面している課題であります。
自分はいったい「何ができる」のか、自分の強みが何であるのか、具体的な自分の言葉ですらすらと語ること出来ないことに危機感を感じています。

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