そもそも論者の放言

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車いすと「飲酒運転」

2007-05-23 23:00:39 | Society

CNN.co.jpで、こんな記事を見つけた。

車いす「飲酒運転」で男性逮捕 ドイツ

ベルリン──ドイツ北東部シュヴェリーン市の警察は22日、酒に酔っ払って車いすを「運転」していた男性を逮捕した、と発表した。車道の真ん中を通行しており、ほかの車両に危険を及ぼす状態だったという。

アルコール検査を実施したところ、規定の10倍量が検出された。

この記事だけだと、ドイツの法律にどんな規定があるのかよくわからないけど、

警察は、車いすが歩道を通っていれば逮捕もせず、道路交通法にも違反しなかっただろうと話している。

とあるので、単に飲酒して車いすに乗ることが違法というわけではないみたい。
車いすで車道の真ん中を通行すること自体が法律違反ということなのでしょう。
ということは、この記事の見出しはミスリーディングなのでは。

ちなみに日本ではどうなんだろうと道路交通法をちょっと調べてみると、第65条に「酒気帯び運転等の禁止」との規定がある。

第65条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
 何人も、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
んで、「車両等」とは具体的に何かというと、第2条に定義規定があって、
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
17.運転
道路において、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)をその本来の用い方に従つて用いることをいう。
ということで、「車両等」とは「車両」と「路面電車」のこと。
じゃ、「車両」の定義はというと、
8.車両
自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。
とあって、さらに、
9.自動車
原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、原動機付自転車、自転車及び身体障害者用の車いす並びに歩行補助車その他の小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外のものをいう。
10.原動機付自転車
内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車等以外のものをいう。
11.軽車両
自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。
12.トロリーバス
架線から供給される電力により、かつ、レールによらないで運転する車をいう。
長くなったけど、要は、日本の法律でも、車いすは「車両」には含まれず、酒気帯び運転規制の対象外ということのようだ。
考えてみればこれを禁止しちゃったら車いす生活をしている人は一切飲めなくなってしまうので、当然といえば当然。
でも、泥酔しての車いす通行はやっぱり危険だろうけど。

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