そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

初春に働き方改革を想う

2017-01-03 21:05:38 | Society
新年初投稿。

昨年は、個人的にも職場の異動、自宅の引越しなどいろいろと変化の多い年だったのだが、世界に目を向けても、世の中が変わっていくことを実感する年であった。
Brexitにしても、トランプ勝利にしても、エリート層の敗北、忘れられた人々の復讐という解釈は実に腹に落ちるし、内向き志向、右傾化というよりも、グローバル化疲れ、ポリティカル・コレクトネス疲れという表現の方がしっくりくる。

国内に目を向ければ、働き方の改革が本格的に注目された年と言えるのではないか。

安倍政権は、不十分とはいえ「同一労働同一賃金」に一歩を踏み出したし、電通の新人女子社員の痛ましい過重労働(というかパワハラ)自殺は社会に大きなインパクトをもたらした。
大手ファミレスが24時間営業をやめる方向に舵を切り、この正月にもコンビニも元旦くらい休業したらよいのではないかという言説がネットを賑わせ、どちらかというと好意的に受け止められていた。
AI(人工知能)がこれだけのブームになっているのも、人の働き方への影響という観点があってからこそだろう。

とにかく人口が減っているのである。
今まで通りの働き方で社会が持つはずがない。
まずは皆んな横並び、一斉に、というのを止めるところから始めたらよいのではないか。
元旦のコンビニも、営業している店もあれば休業している店もある、それでいい。

今朝、箱根駅伝の復路を視ていたら、7区でトップを走っていた青学のランナーが脱水症状気味になってペースダウン、ふらふらと左右に走路が揺れて明らかにおかしい。
ところが解説者はしたり顔で、足が止まる前に給水することはルール上禁止されていると言う。
実況も頑張れ、伝統の襷をつなげというばかり、沿道の観客も頑張れ頑張れ。
誰も止めようとしない光景を、おぞましさを感じながら眺めていた。

そりゃあ走っている本人は、死んでもいいから襷をつなげたいと思っているだろう。
だが、そう思わせているのは、滅私奉公を美徳とし、それを体現する英雄を美談として感動消費する一般大衆の古い昭和的価値観なのではないか。
過労死社会の縮図を見た思いがした。
そういえば箱根駅伝のCM、銀行の資産運用や相続相談がやたらと多かったな。
然もありなん。

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