「郵政」「政権」問い論戦 総選挙公示 (朝日新聞) - goo ニュース
今回の総選挙は、表面的には郵政民営化法案の賛否を争うものだ。
それは間違いないのだけれど、自分は「旧来型の古い政治手法、政治家たちの息の根を止める」という選挙であるという点にこそ歴史的意義があると思う。
自分が知る限り、この国の政治には理念が失われていた。
政治家は理念を語り、政策を語り、それに賛同する人々が支持者となる。
それが本来あるべき姿であるはずなのに。
この国の政治では、まず支持者ありき。支持者にとって都合の良い政策を実現することが政治家の役割。そんな本末転倒が長い間まかり通っていた。
そんな理念無き政治をしている間に、
本当に必要なのか疑問に思わざるを得ない高速道路や新幹線を全国に張り巡らせるために多額の金が遣われ、
財政赤字は破綻寸前に膨張し、
少子高齢化はどんどん進み、
外交では何をやろうとしてもうまくいかず、
学生の学力は低下し、
働かない若者は増加の一途、
そんな世の中になってしまった。
今回いわゆる「造反組」として自民党の公認を外された政治家たちは、そんな「旧来型の政治」の象徴だ。
もちろん上に書いた事象が起きてしまった責任を、彼らだけに負わせるのは酷な話だと思う。
だけど事実、彼らを、過去の悪政のシンボルとして見ている国民は少なくない。
だからこそ、小泉首相が彼らに与えたサンクションを支持しているのだと思う。
そして、郵政法案の決議の際、反対票を投じる彼らにやんやの喝采を浴びせた民主党に対しても厳しい視線を浴びせている。
選挙の結果がどうなるかはわからない。
小泉与党が今の勢いのまま勝つのか、
民主党が巻き返すのか。
「造反組」の中にも当選する人はいるだろうし、
自民党から出馬する候補者も、殆どは旧来型の利益誘導的な選挙運動を行なうのだろう。
その意味では、今回の選挙を経ても「旧来型の政治」が根絶されるわけではない。
だが、そんなやり方は最早通用しないことが明白になる、その流れはもう止められないのではないか。
小泉首相は脇の甘い政治家だから、彼のやり方を批判するのは難しくない。
「ぶっ壊すのはいいが、ぶっ壊した後に何を創るのか全くビジョンが無い」
そんな批判もよく耳にする。
だが、そういう批判をする人自身、薔薇色のビジョンを描けているというのか?
そんなビジョンなど誰も描けないのではないだろうか。
今まずやるべきことは、長年溜まった膿みを取り除くことではないか。
今回小泉首相がとった解散総選挙という選択は、やはり正しかったと思う。