フランス語の中の外来語(2) ドイツ語って

以前このエントリーで、フランス語の中で使われているマイナスイメージの英語単語を考えたことがありました。

pick-pocket すり
kidnapping 誘拐
sex-shop やらしいビデオとか売ってるところ
squatter 不法占拠者
overdose 麻薬過剰摂取

とかというやつですね。

 最近 Cles de l'actualite

journal people

というのを見つけました。「セレブの私生活のことばかり報道する大衆新聞」のことだそうです。もちろん「低級な」という侮蔑の気持ちが入ってるでしょうね・・・
(^_^;)

 ところで上のエントリーの中で「もし今でも、よその国よりもフランスで英語が通じにくい、ということが本当にあるなら、ふつうの日本の人には想像がつきにくい原因があるように思いますよ。これ、近いうちに書いてみます」と書いているのをみつけました。何を書くつもりだったか思い出してみました。


 他の国よりフランスで特に英語が通じにくい状況がもしあるとしたら、それはフランス人が英語よりドイツ語の方をよく勉強していたということじゃないでしょうか。

 これ、ジャン=イヴの奥さんのクロードさんが言ってたことです。
 英語が第一外国語になったのはここ数年のことにすぎなくて、それはまさにウェブとかITの時代には英語ができなきゃどうにもならん、ということがはっきりして学校でみな一斉に英語を選択するようになったからであって、それまではみんなドイツ語をとったものだった、って言うんですね。

 フランス人て、基本的にドイツ語好きなんですね。

 その理由は、わたしの考えですが、ドイツ語というのが「フランス語より出来のいいフランス語」みたいなところがあるから、ではないでしょうか。

 がっちり体系的なところが好かれるんだと思います。クロードさんは「あれは頭が良くなる」というような言い方をしてました(これはラテン語学習について言われることでもありますが)。

 だけど、これまたわたしの考えになりますが、ドイツ語はちょっと出来がよすぎちゃったところがあるように思います。印象ですけどね。
コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ドイツ語・・・ (trotteur)
2007-11-07 23:16:06
フランスにおいて、英語の次に習得されているのはスペイン語だそうです。36%のフランス人が英語を話すことができ、スペイン語は13%、ドイツ語は8%だそうです。最近はスペイン語学習がブームだという話も聞きました。それでも、フランス人は以前に比べてかなり英語を話すようになった気がします。
データの出典は下のリンクです。2006年の報告書です。
http://ec.europa.eu/public_opinion/archives/ebs/ebs_243_en.pdf
他に気になるデータを見ると、EU内部での外国語としては英語が断トツですが、長年、第2位だったと思われるフランス語がドイツ語に追いつかれたか、追いつかれつつある、ということを示していますね。たぶん、EUが東側に広がったからだとも思いますが。また、小国ほど外国語の習得に非常に熱心なのに比べると、大国はそれほどでもない、という傾向が見えます。当たり前と言えば当たり前ですけどね。
フランスでは51%の人が一つ以上の外国語ができるそうです。二つ以上が21%、三つ以上が4%、一つもできないが49%…。ルクセンブルクでは二つ以上の外国語ができる人92%、というのは驚異的ですね!

それにしても、ドイツ語のder des dem denのような冠詞の格変化には私はついていけません。私はあそこで挫折しましたので、ドイツ語で「頭が良くなる」かどうかは確認できませんでした(笑)。でも、ドイツ語を少し勉強すると、英語とかフランス語が簡単に見えるようになるかも?!
 
 
 
すみわけ? (raidaisuki)
2007-11-08 17:07:16
trotteurさま (^_^)y

 フランス語は東欧でも学習者は多いはずなんですが、どうも最近フランスはこっちの方に力を入れてないみたいですね。お得意の文化活動でもあんまりこっちの方に予算がいってない感じがします。
 フランスは地中海とかマグレブとかに関心を集中させて、ヨーロッパの東の方はドイツに任せるということで、住み分けができているのかもしれませんね。

 ところで、大国の国民に外国語をやらせよう、というのが欧州評議会の推進する言語教育政策の要点のひとつだと思います。これはあらためてエントリーしてみます。

 
 
 
ドイツ語・・・ (raidaisuki)
2007-11-08 17:10:06

 わたしもドイツ語は結局ものにならなかったです。
 パパ・バッハを除いて、ベートーベン様、モーツァルト様等々、ドイツ古典音楽がどうにもなじめなかったのが敗因かもしれません。(;_;)
 
 
 
ルクセンブルク (黒猫亭主人)
2007-11-09 07:11:22
ルクセンブルクってとこは、独語と仏語をしっかり教育します。公式文書(交通標識とかも)はみな仏語ですし、新聞も独仏混交です。
ただ、店員さんなんかはフランスからの越境通勤者がおほく、仏語しかできない人も少なくないとか。
 
 
 
外国語と音楽 (icco)
2007-11-09 09:23:40
 raidaisukiさんにとって、外国語と音楽の関係ってとても強いんですね。

 う○だ先生にとっては、外国語と詩の関係が強いのだと思います。これは私の単なる想像ですが、う○だ先生は詩に関心があってドイツ語を学ぼうとしたけれど、挫折したのでフランス語の詩の方へ向かわれたのではないでしょうか。

 raidaisukiさんがフランス語の道に進まれたのはスタンダールの影響が大きいということは分かりましたが、ライに目覚める前はフランス語と関連してどのような音楽に関心がおありだったのか興味がありますね。たとえばドビュッシーとからラヴェルなどはお好きだったのですか?
 
 
 
Unknown (raidaisuki)
2007-11-09 18:15:00
iccoさま

外国語と音楽、に関わらず全ての領域はどこかでつながっているという感覚があります。つまりそれが現在生きている活動だからでしょう。

スタンダールは、まあ専門にする作家に一番好きな作家を選んだわけです。フランス語にそんなに思い入れがあった方ではないと思います。現にフランス語そこそこやったらドイツ語もやろうと本当に思ってましたから。

フランス語と音楽、といわれると、うーん、ちょっと難しいですね・・・

ラヴェルは大好きですが、同じようにアルベニス、グラナドスも好きなのでフランスだから、ということでもないです。ある種のピアノの音の感触、というか語り方みたいなものがいいんだと思います。

西洋古典音楽の世界でいちばんフランス語を意識させるのはなにか、と考えてみたら・・・
変なことを言うと思われるかもしれませんが、アルベニスの『イベリア』の表情指定がフランス語で書かれていることです。
 
 
 
Unknown (icco)
2007-11-10 07:48:19
 丁寧に答えてくださってありがとうございました。raidaisukiさんの「ベートーベン様、モーツァルト様等々、ドイツ古典音楽がどうにもなじめなかったのが敗因かもしれません」というコメントがとてもユニークで面白かったので、ちょっと突っこみを入れたくなってしまって…。失礼しました。
 
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