フランス大使館の年賀状


 ことしフランス大使館からもらった年賀状にはオキモト・シュウ『神の雫』のキャラクターが描いてあって、ちょっと驚きました。

 文面にはこうあります:

 「フランスはマンガ販売部数が年間2000万部に上る世界最大のマンガ輸入国です。[...]
 わが国で『レディー・オスカー』の題で知られる『ベルサイユのばら』のヒットから数年後、『神の雫』が数カ月で売り上げ40万部を記録し、マンガの代表作として認められたのも偶然ではありません。フランス人が「マンガ精神」をもつ一方、マンガもフランスオマージュを捧げてやまないからです。」(ベルサイユのばらと神の雫じゃ「数年」差ってことはないと思いますが、フランス語原文はplusieurs anneesですから、順当です)

 フランスで40万部売ったんですか。それはまたよろしおしたなあ・・・

 日本マンガ、またそのマンガのフランスにおける評価を云々するのはいいんですが、うーん率直に言ってわたしこの『神の雫』ってマンガはぜんぜん好きじゃないです。

 『のだめ』とおんなじです。「西洋クラシック音楽」とか「フランス高級ワイン」とか、いかにも「高いところ」にありそうな、日本でありがたげなものとして評価が定まったものの権威によっかかって売る、というタイプの作品に私はあんまり価値を認めませんし、そういう作品世界に浸かってなんとなく高級感に浸って悦に入ろう、みたいな態度で本当の--というのは「本当に楽しい」という意味です--芸術体験はできないんじゃないかなーと思ってます。

 「なんで? そういうのあっていいじゃん」という声も聞こえそうですが、わたしは「横方向の高み」に、とくに日本の人たちが鈍感になっては困ると思うんですよ。次のエントリーをごらんになってください。

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