日本人はフランス語を誤解している!・・・と思うけどなあ・・・
フランス語系人のBO-YA-KI
語学教育と IT
関大から出た人というとわたしは三人の天才偉人を連想します。
一人目はご存知いしいひさいち氏(漫画)です。
二人目は福田進一氏(クラシックギター)です。クラギ界はよく知らないという方には村治佳織さんのお師匠さんと言った方が通りがいいかもしれませんが、本人が凄い弾き手です。
それで、三人目は粕谷健治氏です。あ、これわたしの伯父です。(^_^;) いや、ただのサラリーマンだったし別に業績があるわけじゃなくって皆さん知らないかもしれませんが(知らないにきまってますね)、とにかく偉いんですよ・・・ (^_^)v (^_^;)v
関大さんも創立120年ということであちこち工事中だし、ずいぶんキャンパスをきれいにしておられますね。タテ看が並び、バイトくんたち貧乏学生が徘徊していた時代はいまや昔といったところです。
それはともかく、いくつもの研究発表があった中、今回も京大の大木充さんのCALL( = computer assisted language learning でしたっけ)のお話を聞くことができました。他の発表者の方には申し訳ないのですが、ちょっとこれにかこつけて語学教育のIT化のお話をします。
語学教育において IT 化の機械部分だけで全てのことができるということはありません。早い話が、教育理論の面から言っても、教育の過程全体の中の人間的要素、たとえば"relatedness"(大木さんはこれを他者受容感と言い換えておられましたが)はCALLシステム構築の中で当然なくてはならないファクターなのです。
ただ IT 化過程の機械の部分だけ考えて言えば、言語の規範的、規則的側面である「文法」に関して、まちがいなく教育能率の向上に直結する形が作れるとわたしは考えています。「フランス語は文法が複雑だ」「綴りが難しい」等とフランス語を敬遠する向き(だいたいはムードとか、友人から聞いた噂くらいのレベルでそう言っている人が大半ですが、案外成人してからフランス語を始めて相当のレベルに達した人たちの中から意外とこういう意見が出ることがあるのは何故かな、と今考えています)がありますが、文法教育のIT化進展で、文法規則とその運用をゲーム感覚でマスターできる形が作れれば、今までよりずっと早く中級段階に進むことができ、短期間で実用に耐える語学力が身につくようになる、と思います。フランス語の文法にスペイン語などより難しいところがあるなどと言っても、結局その差は初級における2、3時間の学習時間の差に還元されるものとわたしは思います。
これまで第二外国語というと「勉強したのにちっともものにならなかった」という挫折感を体験して、大学における初習外国語教育の効用そのものに疑問を持つ人が多かったわけなのですが、「本当にできるようになるなら、そりゃやった方がいい」という考え方が早く一般的になればいいな、と思います。そのためにIT化は大きな武器となるはずですし、また武器としなければいけない時代だと思います。(もっともこれは中等、初等教育等における外国語教育の充実と平行させないとうまくいかないでしょうね。先にも述べている通り、専門は別にちゃんと修めながらなおかつフランス語等の語学能力も磨いたという人材が求められているわけですから。大学の在学中だけで完結する学生の語学力向上のシステムというのは作れるかもしれませんが、ひとつの語学に全力集中させなければ結果をだすことはとても無理です)
しかしここにまた問題があります。英語は膨大な学習人口がありますから、優れたIT教材が作れれば確実に利益が回収できます。だから民間でもどんどん教材が開発されるでしょう。マイナーな語学は「売れない」からそういうわけにいかないです。それでIT化がなかなかなされず、それだけ教育の合理化が遅れて旧態依然としたものにとどまり、学生が退屈して脱落して学習者数が増えない、という悪循環が起こって行くでしょう。
他の「第二外国語」のためにもフランス語は、なんとか頑張って IT 化のモデルを作らないといけない立場にあります。ただこういうものの開発が、お金でなくてもなんらかの形でもっと評価される仕組みを作れればいいのにと思っています。現状ではITの知識が相当あってなおかつそういう仕事をすることが可能なポジション、環境にいる少数の先生がボランティア的に開発している、という感じですから。
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