イスラーム勉強会ブログ

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預言者伝59

2014年02月08日 | 預言者伝関連

184.小競り合いの発生:

  また、(まだイスラームに帰依していなかった)サフワーン・イブン・ウマイヤ、イクリマ・イブン・アビージャハル、スハイル・イブン・アムルとハーリド・イブン・アル=ワリードの仲間の間で小競り合いが起き、多神教徒側に12人程の男たちが死に、多神教徒側の負けで終わりました。事前にアッラーの使徒(祝福と平安あれ)は追従者たちにマッカに入るときには、襲われる時以外、戦ってはいけないと言付けていました。

 

185.聖域を偶像から清める:

  アッラーの使徒(祝福と平安あれ)が到着し、人々も落ち着くと、アッラーの使徒(祝福と平安あれ)はカアバに出かけて行き、その回りを回りました。その手には弓がありました。館の周りとその上には360の偶像があったのですが、アッラーの使徒(祝福と平安あれ)は、《真理は下り、虚偽は消え去った、本当に虚偽は消える定めにある、虚偽は何らその後創造することもなくまた再び繰返すこともない》と言いながらそれらを一つずつ弓で壊していきました。そして偶像は壊れて崩れおちて行きました。

  また、カアバの中にあった絵や像も壊してしまうよう命令しました。

 

186.今日は親切と忠誠の日:

  アッラーの使徒(祝福と平安あれ)はタワーフ(カアバの周りを回る)を終えると、ウスマーン・イブン・タルハを呼んで、カアバの鍵を彼から受け取り、カアバが開かれ、彼はその中に入りました。かつて、アッラーの使徒(祝福と平安あれ)がマディーナに移住する前にも鍵を渡してもらえるよう依頼したことがあったのですが、当時のウスマーンはまだイスラームに帰依していなかったこともあり、アッラーの使徒(祝福と平安あれ)にきつい口調で応答しました。しかしアッラーの使徒(祝福と平安あれ)はウスマーンの態度を怒ることなく受け止め、言いました:《ウスマーンよ、いつの日か、この鍵が私の手の中にあるのをおまえが見る日が来るかもしれない。私は鍵を望む場所に置けるのだ》ウスマーンは答えました:「そんな日が来たら、クライシュが滅び、虐げられる日となることだろう」アッラーの使徒(祝福と平安あれ)は言われました:《いいや、そうではなく、クライシュが繁栄し、栄光を得る日となる》このアッラーの使徒(祝福と平安あれ)の言葉はウスマーンに影響を与え、実際にそのような日が来るかもしれないと思わせました。

  カアバの鍵を手にしたアッラーの使徒(祝福と平安あれ)がカアバから出てくると、アリー・イブン・アビターリブがやってきて言いました:われわれに巡礼者たちへの奉仕をさせてください。アッラー使徒(祝福と平安あれ)は言われました:《ウスマーン・イブン・タルハはどこだ?》ウスマーンが呼ばれると彼はまた言われました:《ウスマーンよ、おまえの鍵を返そう。今日は親切と忠誠の日。さあ鍵を受け取りなさい。おまえたちにそれがずっととどまるよう。不正な者以外がそれを取り上げることは今後ないだろう》。

 

187.イスラームは唯一神信仰と統一の教え:

  アッラーの使徒(祝福と平安あれ)がカアバのドアを開いた時、彼がこれから一体何を成すのだろうと待っているクライシュの人たちでマスジドは埋め尽くされていました。アッラーの使徒(祝福と平安あれ)はクライシュの人たちを下に、ドアの二つの柱に手をかけて言いました:《アッラーの他に神はない。彼は唯一であられ、彼には協力者もいない。彼は約束を確かに実現させ、そのしもべを勝利させ給い、おひとりで部族連合軍を負かし給うた。すべての仇、借金、血は、館の管理と巡礼者たちへの(水を給付するという)奉仕以外はわたしのこの両足の下に埋められる》。

  《クライシュの衆、まことにアッラーは、無明時代の面子や先祖の誇大化を払拭し給うた。人間はアーダムから来、アーダムは土から来たのだ》。そして次の聖句を読み上げました:

  【人々よ、われらはおまえたちを男性と女性から創り、おまえたちを種族や部族となした。おまえたちが互いに知り合うためである。まことに、アッラーの御許でおまえたちのうち最も高貴な者は最も畏れ身を守る者である。まことに、アッラーはよく知り通暁し給う御方。】(49章13節)

 

(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P338~340)


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