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68章解説【3】

2014年08月08日 | ジュズ・タバーラカ解説
17.まことにわれらは彼らを試みた、ちょうど「園の持ち主たち」を試みたように。その時、彼らは早朝にそれを刈り取ることを誓った。
18.だが、彼らは除外しない。
19.それで、彼らが眠っている間に、おまえの主からの巡回(破滅)がそれ(園)を訪れた。
20.すると、それは朝には闇夜のようになっていた。
21.そこで、朝を迎え、彼らは呼びかけ合った。
22.「おまえたちの耕作地に早朝に出かけよ、もし、おまえたちが刈り取る者であるならば」。
23.そこで彼らは声を潜めて、出かけた。
24.「今日こそ、おまえたち(の意)に反して貧乏人がそこに入ることはない」と。
25.そして彼らは(貧乏人の)阻止が可能な者として早朝出かけた。
26.ところがそれ(変わり果てた自分たちの果樹園)を見て、彼らは言った、「まことにわれらは(道に)迷ったのだ」。
27.「いや、われらは(収穫を)禁じられたのだ」。
28.彼らのうち最も公平な者が言った、「『おまえたちに、賛美してはどうか』と私はおまえたちに言わなかったか」。
29.彼らは言った、「称えあれ、われらの主こそ超越者。まことにわれらは不正な者であった」。
30.それで彼らは非難し合いながらお互いに向き合った。
31.彼らは言った、「われらの災いよ。まことにわれらは無法者であった」。
32.「きっとわれらの主はこれ(園)よりも良いものをわれらに取替え給うであろう。まことにわれらはわれらの主に(御赦しと良きものを)期待する者である」。
33.このようなもので、懲罰は、ある。だが、来世の懲罰はさらに大きい。もし、彼らが知っていたならば。

財産や子孫、そしてそれらを持つ者たちの自惚れについて語った聖句の登場の後に、自分たちの物質的豊かさに自惚れて貧者に適切にふるまうことをやめたためにアッラーによって園が焼き尽くされるという罰を受けた園の持ち主たちに関する小話を語る聖句が続きます。クルアーンはこの小話をお金における自惚れから距離を置くことを訓戒するために述べているのです。なぜなら自惚れは損失を招くからです。まずクルアーン中の聖句を詳細に解説する前にこの小話を簡潔に紹介しましょう:

 かつてある善良な男が豊富な作物をもたらす園を所有していました。彼は作物を収穫する日には貧者たちを呼んで、ザカーとして、彼らに相応しい量の作物を与えていました。この善良なる父親が亡くなって、彼の息子たちが継ぐと、父親のような振る舞いはせずに、貧者たちには何も与えないことにしました。そこで息子たちは話し合い、習慣に逆らって、貧者たちがやって来ていつも通りの分け前を取ることがないよう、早朝に園へ行って作物を収穫することを誓いあいました。しかし夜になるとアッラーは園に自然災害を起こし給い、危害は作物すべてに及びました。

 至高なるアッラーはこの園の小話ついて仰せです:
 「まことにわれらは彼らを試みた、ちょうど「園の持ち主たち」を試みたように。その時、彼らは早朝にそれを刈り取ることを誓っただが、彼らは除外しない。」

 つまり、われらは嘘つき呼ばわりしているクライシュの多神教徒たちを預言者(アッラーの祝福と平安あれ)が帯びた使命で試みた、ということです。アッラーによる人類への試みは、豊かに恵みを与えて自惚れて創造主を忘れてしまうか、彼に感謝するか、また数々の災難を与えて失望して忘恩となるか、それとも忍耐して主に帰るか、といった形で現れます。「その時、彼らは早朝にそれを刈り取ることを誓った」とのアッラーの御言葉の意味は:朝の時間帯に、園の作物を刈り取ることを誓った、です。「だが、彼らは除外しない」つまり、貧者たちの分け前を除外しておいて、彼らのために置いておくようなことはしない、という意味です。またこの除外は、彼らは『インシャーアッラー(アッラーの御望みなら』と言わなかった、という意味とも言われています。これは、次の聖句に基づきます:「また、なににつけ、「私はそれを明日なすであろう」と断じて言ってはならない。ただし、「アッラーの御望みなら」が(言い添えて)あれば別である。」(洞窟章23~24節)

 続いてアッラーは彼らの園に起きたことを解明し給います:
 「それで、彼らが眠っている間に、おまえの主からの巡回(破滅)がそれ(園)を訪れた。すると、それは朝には闇夜のようになっていた。」

 彼らが眠っている夜の間に災難もしくはアッラーからの命令は園を覆いました。ターイフは夜にしか起きません。このターイフは園を焼き尽した稲妻やほかのものだったかもしれません。「すると、それは朝には闇夜のようになっていた」つまり、園は刈り終えられた土地のようになった、または暗い夜のようになっていた。なぜならサリームとは、非常に暗い夜を意味するからです。焼き尽くされたことで夜のような暗さ、黒さになったということです。

 続いてクルアーンは、園に行く準備をしている園の主たちを描写します:
 「そこで、朝を迎え、彼らは呼びかけ合った。「おまえたちの耕作地に早朝に出かけよ、もし、おまえたちが刈り取る者であるならば」。そこで彼らは声を潜めて、出かけた。「今日こそ、おまえたち(の意)に反して貧乏人がそこに入ることはない」と。そして彼らは(貧乏人の)阻止が可能な者として早朝出かけた。」

 朝になると彼らは呼びかけあった、ということです。「おまえたちの耕作地に早朝に出かけよ」つまり早朝に園に向かえ。「もし、おまえたちが刈り取る者であるならば」どうしても作物を刈り入れると言うのであれば。「そこで彼らは声を潜めて、出かけた」彼らは園に向かう際、貧者たちに気付けれないよう、声をひそめたということです。「今日こそ、おまえたち(の意)に反して貧乏人がそこに入ることはない」つまり、今日、誰も園に貧乏人を入れてはいけない。「そして彼らは(貧乏人の)阻止が可能な者として早朝出かけた」彼らはすでに皆で合意した目的のために早朝に出発しました。彼らは自分らには実行可能だと思い込んでいたのです。

 次にクルアーンは、園が焼き焦げているという彼らを驚愕させた出来事を描写します:
 「ところがそれ(変わり果てた自分たちの果樹園)を見て、彼らは言った、「まことにわれらは(道に)迷ったのだ」。「いや、われらは(収穫を)禁じられたのだ」。彼らのうち最も公平な者が言った、「『おまえたちに、賛美してはどうか』と私はおまえたちに言わなかったか」。彼らは言った、「称えあれ、われらの主こそ超越者。まことにわれらは不正な者であった」。」

 彼らは自分たちの園に到着すると、作物が焼き焦げているのを見て、お互いに尋ね合いました:これは自分たちの園なのか、それとも別人のものか?と。そして言いました:「まことにわれらは(道に)迷ったのだ」つまり、園への道を誤ってしまった。そこで、これが自分たちの園だと分かっている者が、道を誤ったわけではないと言います:「いや、われらは(収穫を)禁じられたのだ」つまり、われわれの園の豊かさをその作物が焼き焦げることで禁じられてしまった。「彼らのうち最も公平な者が言った」公平な言葉を語り、良い行動を取る者が言った:「『おまえたちに、賛美してはどうか』と私はおまえたちに言わなかったか」彼はそのように言うべきだと以前から注意していたのです:至高なるアッラーと、彼が悪者たちに復讐し給うことを思い起こして、貧者たちに園の作物を分け与えないというお前たちの悪い思惑から悔悟してアッラーに帰りなさい、と。「彼らは言った、「称えあれ、われらの主こそ超越者。まことにわれらは不正な者であった」」つまり、われわれはアッラーを不正から超越している御方と称えます、それどころか、われわれは園の分け前を貧者たちに配らないことを決めたことで己自身を損なってしまいました。

 そして罪を認めた兄弟たちは責め合い始めました:
 「それで彼らは非難し合いながらお互いに向き合った。彼らは言った、「われらの災いよ。まことにわれらは無法者であった」。」

 園の主たちはお互いに向き合って、非難しあいました:「われらの災いよ」この言い方は本来、破滅を求める祈願ですが、ここでは公開の念の表れとして使われています。「まことにわれらは無法者であった」つまりわれわれは度を越して罪を犯してしまった、それは貧者に園の作物の分け前を禁じたことでした。

 そしてこの小話は、自分たちの園よりも良いものをアッラーが恵んでくださることをアッラーに願うことで締めくくられます。彼らはアッラーの恩恵と慈悲を期待し、彼の御赦しがあることを願います:
 「「きっとわれらの主はこれ(園)よりも良いものをわれらに取替え給うであろう。まことにわれらはわれらの主に(御赦しと良きものを)期待する者である」。」

 アッラーはこの小話の直後に、この小話からくみ取れる訓戒を述べ給います:
 「このようなもので、懲罰は、ある。だが、来世の懲罰はさらに大きい。もし、彼らが知っていたならば。」

 つまり、アッラーの御命令に反し、貧者たちに相応しい分け前を禁じ、アッラーの恩恵を忘恩に替えた者には、このような形でアッラーの罰は実現するのである。そして、罪を犯した者に来世で準備されている罰は現世の罰に比べて更に激しく、大きいのである。「もし、彼らが知っていたならば」つまり、もし彼らが自分たちの悪行の結果がどのようなものであるか知っていたなら、この罰をもたらしてしまうことなど行わなかっただろう、ということです。

参考文献:ルーフ・アル=クルアーン タフスィール ジュズ タバーラカ/アフィーフ・アブドゥ=アル=ファッターフ・タッバーラ薯/ダール・アル=イルム リルマラーイーンP31~34)
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