بسم الله الرحمن الرحيم
14.ハディージャ(御満悦あれ)のイスラーム入信と彼女の性格:
ハディージャ(御満悦あれ)は夫のムハンマド(平安と祝福あれ)を信じ、イスラームに入信しました。アッラーとその使徒を一番初めに信仰した彼女は、彼の傍で力となり、彼を勇気づけ、人々からもたらされる苦悩を和らげようと努めたのでした。
15.その他の入信者たち:
次に10歳だったアリー・イブン・アビー・ターリブ(御満悦あれ)が入信します。預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)は幼い いとこのアリーを困窮していたおじ、アブー・ターリブから引き取って養育していたのでした。
また預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)がかつて養子にしたザイド・イブン・ハーリサも入信します。
預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)に最も近い人たちが真っ先にイスラームに入ったのは、彼らが誰よりも預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)の正直さ、純真さ、素行の素晴らしさを知っていたためです。人は自分の家族のことを誰よりもよく知っているものです。
16.アブー・バクル・イブン・アビー・カハーファ(御満悦あれ)のイスラーム入信とイスラーム宣教における彼の功徳:
クライシュの中でもその頭の良さ、勇気、慎みといった徳ゆえに、威厳あるアブー・バクル・イブン・アビー・カハーファ(御満悦あれ)も入信します。彼は入信後、イスラームに改宗したことを公言しました。アブー・バクルは、人々に愛される素朴な男で、クライシュの血統と歴史に精通していました。商業を営み、素晴らしい性格を備えており、やがてアッラーとイスラームへと人々を招くようになります。
17.クライシュ出身の貴族たちの入信:
アブー・バクルの呼びかけに応じて数々のクライシュの貴族がイスラームに入りました。その中には、ウスマーン・イブン・アッファーン、アッズバイル・イブン・アルアワーム、アブドゥッラハマーン・イブン・アウフ、サアド・イブン・アビー・ワッカース、タルハ・イブン・ウバイディッラーがいます。彼らは預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)の許に赴いて、信仰告白の儀式を行いました。
彼らに続いて地位のあるクライシュの男たちが改宗していきました。アブー・ウバイダ・イブン・アルジャッラーフ、アルアルカム・イブン・アビー・アルアルカム、ウスマーン・イブンマズウーン、ウバイダ・イブン・アルハーリス・イブン・アルムッタリブ・イブン・アブドゥマナーフ、サイード・イブン・ザイド、フバーブ・イブン・アルアルト、アブドゥッラー・イブン・マスウード、アンマール・イブン・ヤーセル、スハイブなど(御満悦あれ)です。
引き寄せられるように男たちも女たちもイスラームに入って行きました。やがてイスラームの名はマッカに広まり、人々の話題に上がるようになります。
18.サファー山の上からの鮮烈な呼びかけ:
召命から3年間は、預言者としての任務を隠していた預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)ですが、やがてアッラーは公言することを彼に命じ給います:
「だからあなたが命じられたことを宣揚しなさい。そして多神教徒から遠ざかれ。」(クルアーン ヒジュル章15/94)、「あなたの近親者に誓告しなさい。またあなたに従って信仰する者には,(愛の)翼を優しく下げてやりなさい。」(クルアーン 詩人章26/214)、「そして言ってやるがいい。「本当にわたしは公明な警告者である。」 」(クルアーン ヒジュル章15/89)
預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)は出かけていって、サファー山に登り、出る限りの大きな声で「ヤー、サバーハー!(朝だぞ!)」と叫びました。この叫びは当時知られたもので、誰かが町や部族に敵の襲撃の危険を感じたときにこのように叫ぶことになっていたのです。そのためクライシュはこの叫びに迅速に応じました。人々は彼(平安と祝福あれ)の許に集まりました。
そこで預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)は言います:「アブドゥルムッタリブ族の皆さん、ファハル族の皆さん、カアブ族の皆さん!騎馬兵があなた方のところに攻め入ろうとしていると告げたなら、私を信じますか?!」
アラブ人たちは現実的で有能な人たちです。彼らは預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)が誠実で正直者であることを経験からよく知っています。その彼が山上にいて、前方を眺め、山の後方も見ていますが、彼の下にいた人々には山の前方しか見えないため、不安に襲われていたことでしょう。しかし彼らの見識と公正さが、この誠実な正直者の知らせを信用するに至らせたのです。そして彼らは、「ああ、信じるとも。君が嘘をついているのを見たことがない。」と答えました。
聴衆による預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)に対する証言がここで成立しました。そこで彼は続けて言いました:「私は、激しい罰の主から遣わされた、あなた方のための警告者です」
この宣言で、彼が預言者であることが公表されました。この言い方よりも短く、また明解な方法は決して存在しないでしょう。
聞いていた人々は沈黙しましたが、アブー・ラハブだけは次のように言い捨てます:「お前など滅んでしまえ。こんなことのためにわしらを呼び出したのか!」これが元で、クルアーンのラハブ章は啓示されました。
(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P119~122
②「封印された美酒」サフィーユッラフマーン・アルムバーラクフーリー著、ダール・アルフィクル出版、P51)
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