退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「交流と観察眼に優れた作家と半導体から見える民度あるいはメキシコの現実を描いた映画」について

2023-07-30 02:03:47 | Weblog
晴れ。しばらく猛暑日が続きそう。

安岡章太郎「犬をえらばば」を読む。

タイトルは「妻をめとらば」から。
自分でも何でこの曲を知っているのかが不明。

「第三の新人」と呼ばれた作家たちは今では思いもよらぬほどの「交流」があり。
近藤啓太郎、阿川弘之、遠藤周作、吉行淳之介、庄野潤三ら。

著者の「人に対する観察眼」にふむふむ。
大学時代に太宰治に関する評論を読んでゼミの発表を書くのが嫌になったことを思い出したり。

「こんな優れた考察がある以上多寡の知れた学生の自分に何事かを書く意味があるのか」と。
そんなこともあって結局のところ五木寛之流に言えば「大学を横に出ること」になった次第。

「他人を評価するということ」のレベルを本書で知っておこう。
「自分の立ち位置」から相手をひたすら非難するなどというバカげたことは出来なくなるはず。

マル激を観る。

今回のテーマは「半導体」。
相変わらずの「企業間の内ゲバ」と「経産官僚の貧相な上昇志向」。

あるいは世界を知らないまま「品質のみにこだわった姿勢」が原因で。
かつて世界一だったものが下降の一途を辿り。

何より「市場を作り出す」という「マーケティング本来の意味」も知らず。
「復権」という意味不明の言葉にいたずらに踊らされたり。

一度「圧倒的に高品質なもの」を作ってしまうと。
「安価なものの大量生産」に対応出来ない「イノベーションの罠」なども。

そうした「過去」があるにもかかわらず。
再び意味のない「世界トップ企業の誘致」に相当な税金を無駄遣いする愚たるや。

ゲスト湯之上隆の元には「せっかく頑張っているのに水を差すな」というバカも大量に。
それでも「半導体生産」のために必要なものはわが国が世界シェアを「独占」している皮肉も。

「世界と戦うためには世界を知ることが重要」という「基本」はどこへやら。
おまけに技術者たちに払う給料の安さよ。

「敗戦」に至る経過がまた繰り返されている模様。
この「学習能力のなさ」こそがわが国の「民度」だと思うべし。

イッサ・ロペス「ザ・マミー」(’16)を観る。

メキシコの現実を親を失った子どもたちの視線から描く内容。
「社会派映画」なんですけど。

やはり「ホラー仕立て」になるのねといった趣き。
本作の紹介は悉く間違っていて。

親も子どもたちも誘拐された挙句に殺されたり。
かの国ではこういう現実があるだけ。

それを解決しようにも一筋縄でいくはずもなく。
ゆえに「幽霊」が登場するという格好。

「ある種のホラー映画の持つ意味」をわかりやすく教えてくれる内容。
出演している子どもたちの魅力も忘れずに。

Donde esta futuro?
このスペイン語が正しいのかどうかは別にして「未来はどこに」。
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