退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「文章の素敵さゆえに物語はどうでもいいことと『いろんな要素が面白い』のにやや長い映画」について

2024-05-09 02:34:08 | Weblog
晴れときどきくもり。昼に冷たい風が吹き夜はいっそう。

ジェーン・オースティン「エマ(下)」読了。

なるほどエマのキャラクターは当時の男性作家に嫌われるはず。
まるで「自分のように振る舞う」から。

要は「自分のダメさ」を目の前に見せられるわけで。
「知性はあるが思い込みの激しい存在」として。

勝手にハリエットを「教育」したりすることも含めて。
この「裏返しぶり」は見事。

「フェミニズム的観点」で本作を評価した人はいたのだろうか。
そこが気になるところ。

物語としては「ご都合主義」も少なくなく。
繰り返すがその種のことはどうでもよろしい。

本書を読んでいる時間は実に楽しく。
「ハッピーエンド」も悪くないなと思わされた次第。

キャサリン・ハードウィック「プロトタイプA 人工生命体の逆襲」(’20)を観る。

90分程度に出来なかったのが何とももったいない作品。
「人間でない存在が人間より人間らしい」というのはいつものことで。

「アンドロイドにフェラさせるエピソード」は不必要。
むしろジェニーとの「過去」が好ましく。

主人公がエイベルを説得するシーンはいささかわかりにくく。
彼が「軍事利用」でないかたちで使いたかったことはわかるけれど。

「父親」にドン・チードル、「母親」にエミリー・モーティマー。
ふたりの「関係」ももっと簡潔にすればいいのに。

「孤独」はイヤだと「弟」を作らせる設定など。
「血縁関係でない家族を求めている」ことを忘れずに。

それにしてもこの邦題はヒドい(原題「Don't look deeper」)
「自由を求める娘と家族の物語」だということがわかっていない模様。
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