昨年のピッコロ劇団第56回公演/ 尼崎市第6回「近松賞」受賞作品『砂壁の部屋』
(作=上原裕美 演出=岩松了)での、ユカミ役の演技により劇団員の野秋裕香が、第19回関西現代演劇俳優賞女優賞を受賞し去る3月13日、大阪のウィングフィールドにおきまして、授賞式が行われました。
授賞理由の一部をご紹介します。
『明朗で活気あふれる女性像を造形。希望に向かって脱皮しようとする、可憐なさなぎのような美しさだった。
戯曲の本質を掴みとり、具体化した演技において高く評価する。
ユカミの佇まい、視線、しぐさで、その時々の内面を雄弁に物語った』 (一部抜粋)
野秋からお礼のコメントです。
「創作に関わってくださった全ての皆様へ」
芝居を続けてきて良かったです。
演劇というものは答えのないもので、その中で迷いながら悩みながらやってきて、でも、好きだからやり続けてこれたことが、こうして一つの形となって人に認めていただけたというのは
とても嬉しくこれ以上の幸せはありません。
『砂壁の部屋』で初めて本公演で主役をやらせていただきました。
演出が劇団代表の岩松了さん、作家の上原さんが近松賞を受賞した作品でもあり、しかも、若手ばかり集めて上演するというピッコロにとっても非常に珍しい公演だったので、「これは絶対に失敗できない」というプレッシャーの中、使命感だけをもってやりました。
だからこそユカミという役は、今ある全ての自分をぶつけて挑み、自分のやりたいようにやらせていただきました。
唯一、髪型を「ジーンセバーグにしてきて」と岩松さんに初日前日に言われた時は、ただただ不満でイライラしながら美容院に行って、ジーンセバーグの画像を見せて「これにしてください」と美容師さんに言ったのを覚えています。
でも結果として髪をばっさり切ったことがユカミを完成させました。
自分が好き勝手やれたのは絶対的に信頼のおける岩松さんの存在が大きいですし、劇団の強力なサポート、スタッフの方々、共演者の方々の支えがあったからこそです!
創作に関わった全ての方々に感謝しております。
この賞を励みに今後も新しい自分と出会えるよう挑戦し続けたいと思います。
これからもご支援よろしくお願い致します。本当にありとうございました。
野秋裕香