ピッコロ便り

ピッコロシアター、県立ピッコロ劇団、ピッコロ演劇学校・ピッコロ舞台技術学校など、劇場のトピックをご紹介します。

【資料室だより】東北より報告書が届きました

2017年04月25日 | 資料室だより

近年、古文書から災害の記録や復興に取り組んだ人々の様子を読み解く活動が広がっています。
今回は、古文書よりはるかに新しい『ART REVIVAL CONNECTION TOHOKU(ARCT:あるくと) Report』という冊子をご紹介します。
 
東日本大震災を経験した表現者たちによって組織化された、ARCT(あるくと)という団体が発刊した東北活動報告冊子です。
震災直後から状況や人間の心の動きが刻々と変化し続ける様子と同時に、
そこから復興・支援を果たしていく様子がつぶさに記録された一冊です。
 
特徴的なのは、文化芸術や劇場に携わる人たちの視点で記録され
実感・客観を織り交ぜながら寄稿されている文章の数々です。
 
災害・震災に見舞われたとき、人は何を感じ、どんな振る舞いをし、行動を起こすのか…
この冊子を読むだけでも色んな思いが湧き起ります。
 
2011年8月、ピッコロ劇団は「あつまれ!ピッコロひろば」という子どもむけのワークショップを仙台で協働実施しました。
その際のレポートを当劇団職員が寄稿しています。
 
閲覧を希望される方は資料室へお気軽にお越しください。
また、この冊子は販売本ではありませんが、印刷代と郵送費として2,500円のご寄付で、発行のARCTが1冊献本してくださいます。
 
*お問い合わせ先*
ARCT(あるくと)
〒984-0015
宮城県仙台市若林区卸町2-12-9
せんだい演劇工房 10-BOX内
E-mail: info@arct.jp
Tel: 070-5470-3319

資料室担当:戸川


資料室だより  ~高校演劇上演台本~

2015年12月08日 | 資料室だより

気が付けば今年も残り1ヶ月をきってしまいました。クリスマス、大掃除、年の瀬が着々と近づいています。
先月は34校が参加する高校演劇の大会が当シアター大ホールで7日間実施され連日大賑わいでした。

高校生たちが残してくれた台本の束を整理していると、それに携わった人たちの高校演劇に対する温かな思いがまだ残っているように感じます。台本はジャンル分けやファイリングなどの作業を経て資料室に収蔵してゆきます。

今年度は兵庫県大会の時の台本も収蔵するので、より充実した取り揃えになる予定です。


資料室だより

2015年10月09日 | 資料室だより

+++資料室で過ごす秋+++

「○○の秋」は、その気配を感じられるようになると、一度は口に出す”決まり文句”ではないでしょうか。
そして、○○・・・に当てはまる言葉は人それぞれだと思います。
今回は、当資料室の秋をテーマにご紹介しましょう。

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【資料室で過ごす秋・読書】
他所にない台本や豊富な舞台関連図書に読み耽り、調べ物をするのには最適で静かな空間です。
たとえば、ピッコロシアターで上演された高校演劇発表会、ピッコロフェスティバルなどの台本が600冊以上揃っています。
演劇、芸能、舞台技術など舞台芸術の入門書から専門書まで約1万冊を所蔵。
お目当ての資料を探している時、ふと興味をひく本に巡り合えたり、懐かしい本と再会できるかもしれません。



【資料室の秋・鑑賞の前後に】
劇場ではどんな公演をご覧になる機会がありますか?
ついさっき観たあの舞台のことを詳しく知りたいという思いが湧き上がった時、関連文献などを余韻に浸りながら探すことができます。
もちろん、鑑賞前に資料室に立ち寄って下調べしてみる・・・という過ごし方もおすすめです。


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【資料室・劇場で鑑賞の秋をお楽しみください】
ピッコロシアターではピッコロ演劇学校・舞台技術学校の合同発表会、高校演劇発表会、ピッコロシアター鑑賞劇場など様々な催し物が熱く繰り広げられる予定です。
今年の秋もピッコロシアターと資料室にぜひ足をおはこびください。

資料室担当 戸川


資料室だより

2015年09月05日 | 資料室だより

坪内逍遙の人生にもっと深く触れていただける機会が、9月30日(水)~10月4日(日)ピッコロ劇団第53回公演
「当世極楽気質」公演で上演されます。ピッコロシアターにぜひ足をおはこびください。

 
【坪内逍遙とは】
今年は坪内逍遙の没後80年にあたります。
彼は、明治時代から大正時代にかけて小説家、評論家、劇作家、翻訳家、教育者として活躍しました。
近代文学・演劇の発展に尽力した生き様は、後の文芸家たちに多くの影響を与えました。
坪内逍遙が残したものの中からいくつかご紹介しましょう。


【坪内逍遙が残したもの・朗読術】
坪内逍遙は愛知外国語学校在学中(明治初期)に、シェイクスピア劇の朗読を初めて耳にしました。そして、俳優がセリフを発するための”エロキューション”という発声技術がヨーロッパにあることを知りました。
彼は、その時受けた感銘をいつまでも忘れることができず、後に独自で日本の朗読術を確立しました。

【坪内逍遙が残したもの・シェイクスピア】
坪内逍遙は大学卒業後、早稲田大学の講師となりました。
外国歴史などを教えていましたが、あるときシェイクスピアの講義を試みたところ好評で、その後シェイクスピア作品の全文翻訳をした本を刊行しました。
日本人が好きな作家として、シェイクスピアは今でも根強い人気があります。
そのきっかけをつくったのは、坪内逍遙でした。

【坪内逍遙が残したもの・文章表現】
坪内逍遙は、これからの近代文学の真髄は、「人間の内面心理を描くこと、現実を描くことである」という考え方を「小説神髄」という理論書にまとめました。
そして人間の姿を写実するように表現するため、日常に用いられる話し言葉に近い文章表現(口語体)を提唱しました。彼のこの考えが近代文学の方向を決定づけ、現在に至っています。

(以上は清水書院:人と作品37・坪内逍遙、未来社刊:坪内逍遙を参考にしています)
 
【資料室・劇場で坪内逍遙をお楽しみください】
現在、私たちがごく自然に親しんでいる様々な言葉の世界やシェークスピア戯曲、朗読、演劇などの源には
坪内逍遙が関係しているといっても言い過ぎではありません。
資料室では坪内逍遙が翻訳したシェークスピア作品や坪内逍遙の伝記本などを取り揃えています。
この機会にぜひ資料室で文芸の源をさがしてみてはいかがでしょうか。

資料室担当:戸川


資料室だより

2014年07月20日 | 資料室だより

6月27日、桂米朝さんを支え続けた妻 中川絹子さんが亡くなられました。

資料室は落語関係の本をたくさん保有しておりますが、その中から2冊をご紹介いたします。

『桂米朝 私の履歴書』桂米朝/著(日本経済新聞社、2002年)

落語少年だったころのお話や、絹子夫人との出会い、初の独演会のことなど、敗戦後、上方落語の隆盛を担い「人間国宝」となった米朝さんの半生記。

『なにわ華がたり 中川絹子 桂米朝と一門をささえた半生記』廓正子/著(淡交社、2004年)

 

駒ひかるとして活躍したOSK(大阪松竹少女歌劇団)時代や、終戦後の混乱の中での芸能活動、そして米朝さんとの結婚など、波乱万丈なお話が満載です。

米朝一門をささえ続けた絹子さんの半生記。

『なにわ華がたり』には、米朝さんの“ご挨拶”が掲載されており、自分に続いて夫人の半生記が出版されたことを、素直に喜んでいらっしゃいます。この二冊を読み比べてみると二人の記憶に少々食い違いがあるそうなのですが、探してみるのも面白かもしれませんね。

米朝さんも、「そこはご愛嬌、笑いながらご容赦ください」(『なにわ華がたり』p.1)とおっしゃっています。

資料室担当:高橋


資料室便り

2014年05月23日 | 資料室だより

今月、資料室に新しく入った本をご紹介します。

◆『岸田國士Ⅱ』岸田國士/著(早川書房)

◆『岸田國士Ⅲ』岸田國士/著(早川書房)

◆『消失/神様とその他の変種』ケラリーノ・サンドロヴィッチ/著(早川書房)

◆『太田省吾劇テクスト集』太田省吾/著(健康ジャーナル社)


ご興味のある方はぜひ資料室へお越しください。


資料室担当:高橋


資料室便り

2014年02月27日 | 資料室だより

阪急神戸線「塚口駅」近くにある「ダイハン書房塚口店」に、ピッコロ劇団オフシアターVol.30「星の王子さま」のコーナーができました。

「星の王子さま」(作・サン=テグジュペリ)は、世界中の大人から子どもまで多くの人に愛されてきた不朽の名作です。

本を読めば、 その時の自分に必要な本当に大切なことに気づかされます。

だからこそ、人生のいろんなシーンで、なんどもなんども読み返されているのではないでしょうか。

その「星の王子さま」の舞台化にピッコロ劇団が挑戦します。

小説とともに、ぜひピッコロ劇団オフシアターもお楽しみください。

 

ダイハン書房塚口店

661-0002尼崎市塚口町1丁目3-3   TEL06-6426-6955

資料室担当:高橋


資料室便り

2014年02月02日 | 資料室だより

阪急神戸線「塚口駅」近くにある「ダイハン書房塚口店」をご存知でしょうか。

こちらに、ピッコロ劇団第48回公演「お家さん」コーナーができました。

 

「同じ塚口にある書店と劇場が、何か一緒にできるといいですね。」という店長のご提案で実現しました。

公演「お家さん」のチケットは完売しましたが、 “感動巨編”ですので、ぜひ原作本もお楽しみください。

ダイハン書房塚口店

661-0002 尼崎市塚口町1丁目3-3   TEL06-6426-6955

 

資料室担当:高橋


資料室だより

2014年01月26日 | 資料室だより

今月、資料室に新しく入った本をご紹介します。

◆『米朝落語全集 第3巻(く~さ)増補改訂版』桂米朝/著(創元社)

◆『恋愛的演劇論』北村想/著(松本公房)

 

桂米朝さん、北村想さんの本はその他にもたくさんあります。

ご興味のある方はぜひ資料室へお越しください。

 

資料室担当:高橋